未来を支える子どもたちのために…CANVAS理事長 石戸奈々子さん

 CANVAS理事長で、デジタルえほんの代表取締役社長、さらに慶應義塾大学准教授で、1児の母である石戸奈々子氏。朝の情報番組のコメンテーターとしてもおなじみとなった石戸氏に、仕事や育児について聞いた。

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 CANVASは「遊びと学びのヒミツ基地」というコンセプトのもと、子どもたちの知的探求心を育てる活動を全国で展開している。今年で10回目を迎えた「ワークショップコレクション」を主催する組織としても有名だ。また「デジタルえほん」は、子ども向けコンテンツ・アプリ(デジタル絵本)の開発支援、プロデュースなどを行っている会社だ。

 CANVAS理事長で、デジタルえほんの代表取締役社長、さらに慶應義塾大学准教授で、1児の母でもある石戸奈々子さん。朝の情報番組のコメンテーターとしてもおなじみの石戸さんに、仕事や育児について聞いた。

--現在のお仕事の内容について教えてください。

石戸さん:CANVASの活動を一言で表すと、子どもの想像力と創造力を伸ばし、情報化社会に必要な知識や価値観、コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力を身につけてもらうための取組みということが言えます。

 CANVASでは、全国の子ども向けの体験イベントやセミナー、ワークショップ活動を支援したり、子どものプログラミング学習やSTEM教育のための活動も行っています。「ワークショップコレクション」はその集大成ともいえるイベントで、CANVASの活動のうち最大の啓発事業といえるものです。

 「デジタルえほん」もその活動の延長といえますが、コンテンツやアプリなど、実際のアウトプットを制作・開発する作家、クリエイター、プログラマーを、著作権管理やビジネス面も含めて直接サポートできるようにと、NPOではない法人として立ち上げました。

--最近の一番印象深い仕事は何でしたか。

石戸さん:やはりワークショップコレクションですね。今年8月に10回目を迎えましたが、はじめは参加者500人だったものが、10万人を超える人に来ていただけるようになりました。年々、子どもたちや保護者の意識の高まりを感じており、非常にやりがいのある仕事だと思っています。

--そのようにアクティブに仕事を続ける秘訣は何ですか。

石戸さん:自分も楽しめることが重要だと思います。子どもにワクワクを提供したい、知的探求心を育てたい、そんな活動を通じて大人も一緒に楽しめるなら最高じゃないですか。

 各論でいえば、クラウドやモバイルの活用も有効だと思います。仕事の場所や時間を選ばないようにすれば、自分の子どもとの時間や家庭での時間も大事にできます。実は、CANVASのオフィスには私の机がないんですよ(笑)。愛用のリュックにはルーターとPCがいつも入っていて、出社すると空いている机で仕事をしています。

--それでも家庭と仕事の両立は大変だと思います。自分で決めている「ルール」のようなものはありますか。

石戸さん:すみません、ルールと呼べるようなものはないというのが答えですかね(笑)。何事も柔軟に考える方なので、細かい規則や決まりで自分も周りも縛らないことでしょうか。時間を有効に使う。プライベートも大事にする。そのためにはなんでも自分でやる必要はないという考えも大事だと思います。任せるところは人に任せ、うまく周りと分担する。仕事もシェアするようにしています。

 ただ、時間を有効に使うという点で、迷ったら今やる、というのは心がけています。明日でもいいから明日やろう、と思っていると子どもが急に熱を出したりするじゃないですか。今ある時間は有効に使うようにしています。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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