道徳を「特別の教科」へ、中教審が答申

 中央教育審議会は10月21日、道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として位置付け、検定教科書を導入することや、数値による評価でなく文章で記述することなど、小中学校の道徳教育の改善について文部科学大臣に答申した。

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 中央教育審議会は10月21日、道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として位置付け、検定教科書を導入することや、数値による評価でなく文章で記述することなど、小中学校の道徳教育の改善について文部科学大臣に答申した。

 道徳教育について、これまでさまざまな課題が繰り返し指摘されてきた。同審議会は、文部科学大臣から平成26年2月に「道徳に係る教育課程の改善等について」諮問を受け、10回にわたって審議を行った。第94回総会においてこれまでの審議を取りまとめ、答申として文部科学大臣に提出した。

 中央教育審議会は、道徳の時間を人格全体に関わる道徳性の育成を目指すものとし、学級担任が担当することが望ましく、数値などによる評価は適切ではないという側面があるとした。そこで、学校教育法施行規則において新たに「特別の教科」(仮称)という枠組みを設け、道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として位置付けるべきだという。

 「特別の教科 道徳」(仮称)の年間標準授業時数は、道徳の時間と同様に35単位時間(小学1年生は34単位時間)とされた。

 現在、道徳教育用教材は、文部科学省が作成した「私たちの道徳」が全国の小中学生に配布されている。今後、道徳教育の充実を図るため、「特別の教科 道徳」(仮称)を学校教育法施行規則および学習指導要領に位置付けるための制度改正を行った後、検定教科書を導入するのが望ましいという。また、教科書だけでなく、各地域に根ざした郷土資料など、多様な教材を併せて活用することが重要であり、国や地方公共団体は、教材の充実のための支援に努めることが求められるとした。

 評価について、道徳性は多様な児童生徒の人格全体に関わるものであることから、数値などによる評価は導入すべきではなく、成長の様子などを文章で記述するための専用の記録欄を設けることなどの改善が必要であるとしている。
《工藤めぐみ》

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