米国の月刊誌USニューズ・アンド・ワールド・リポートは、同誌初となる世界大学ランキングを発表した。同誌は、1983年から米国内の大学ランキングを毎年提供しており、米国内における評価は高く、世界大学ランキングの発表にも注目が集まった。 蓋を開けてみると、発表されたランキングに目新しい箇所はない。USニューズの試みは、グローバル基準として既に定着しているタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)、クアクアレリ・シモンズ(QS)、上海交通大学の3社による世界大学ランキングを意識した調査であったにも関わらず、上位に名を連ねた大学は変化はなかった。 それほど世界における上位大学は固定されている。USニューズ・アンド・ワールド・リポートが世界のトップ5と評価した大学は、ハーバード大学、MIT、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、オックスフォード大学。ほかの世界大学ランキング同様、オックスフォードとケンブリッジの2校以外はすべて米国の大学となった。 日本の大学を見ると、24位に東京大学、60位に京都大学が100位以内にランクイン。文部科学省が大学ランキングトップ100入りを目指す支援校と発表した13大学のうちランクインしたのは東大・京大の2校のみだった。 USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌を含めた4社の世界大学ランキングに評価される意味とは。世界大学ランキング100位以内に入ることが国内の大学生と日本社会にどのようなメリットをもたらすのか、文科省の取組みや評価基準を改めて検証すべきだろう。