【大学と就職】就活での保護者の過干渉は厳禁…企業への連絡は落選につながる

 昨今、新卒入社の早期離職やブラック企業の話題が注目されているためか、就職活動に関心の高い保護者も増えてきている。その結果、我が子の活動に過度に干渉して、むしろ悪影響を及ぼしてしまうケースも少なくない。

教育・受験 学校・塾・予備校
学生の親から連絡をもらった経験/企業調査
  • 学生の親から連絡をもらった経験/企業調査
  • 親からの連絡内容/企業調査
  • 子どもの就職に対する親のスタンスへの意見/企業調査
  • 親子就活についての事例や意見
  • 学生が希望する家族の関与度合/学生調査
  • 親の関わり方への希望/学生調査
 昨今、新卒入社の早期離職やブラック企業の話題が注目されているためか、就職活動に関心の高い保護者も増えてきている。その結果、我が子の活動に過度に干渉して、むしろ悪影響を及ぼしてしまうケースも少なくない。

 今回は、親が我が子の就職活動にどう関わるべきなのか、少し詳しく見ていきたいと思う。

◆企業に何かしら問い合わせると我が子が落選する?

 日経就職ナビを運営するディスコの調査『調査データで見る「親子就活」』によると、就活生の親から連絡を受けた企業は、全体の15.9%程度に留まっている。企業規模が大きくなると、もう少し割合が増えるようだ。2013年の調査のため、2015卒の就職活動ではどのような状況だったのか詳細は分からないが、大きな変動はないだろう。

 問い合わせ内容で多いのは、「入社後の処遇・待遇」(28.3%)、「選考結果について(合否理由等)」(26.5%)、「セミナーや選考の欠席連絡」(21.1%)となっている。なかには「採用活動についてのクレーム」(9.6%)というものも見られる。

 我が子の就職活動が順調に進んでいるのか気になる思いは分かるが、こうした干渉は極めて危険であることが、続くデータで示されている。同調査によれば、9割を超える企業は「子どもの就職に対する親のスタンス」について、「子どもに任せるべき」(91.7%)と回答している。積極的に関わるべきだという回答は1割にも満たなかった。

 調査には企業側のコメントも掲載されている。いくつか抜粋してみよう(適宜、修正)。親が介入することに対して企業は厳しい目を向けていることが分かる。

・「大学の企業セミナーに参加した際、観覧席から見学する親の姿があった。就職活動まで親が同行するような学生はどうかと思う」
・「親御さんからセミナー日程や採用人数を確認する電話を受けたことがある。本人から電話させるよう伝えた」
・「どんなに優秀に見える学生でも、親がしゃしゃり出た時点でアウト」
・「親による過剰な干渉は、入社後にモンスターペアレント問題を抱えることになりかねない。親の影がチラついた段階で全て落としている」

 自分の子どもが志望する企業について気になることもあるだろうが、その時はまず息子・娘に尋ねよう。そしてその際、経営実態や待遇などとは別に、我が子がなぜその企業を志望しているのかという「思い」の部分を知ることを忘れないで欲しい。企業に問い合わせても、当然この部分は見えてこない。就職活動では、この「思い」(なぜその企業を志望しているのか、そこでなにがしたいのかなど)が何よりも大切である。

◆就活生は親にどういうスタンスでいて欲しいのか?

 では、肝心の就活生は親にどういう関わり方を望んでいるのだろうか。引き続き同調査を見ていこう。

 就活生は主に2つのタイプに分かれている。普段から家族と就職活動について話すタイプと、そうではないタイプだ。前者では「基本的には任せて欲しいが、相談には乗って欲しい」という就活生が8割を超えている(81.1%)。対して、後者では「全部任せて欲しい(関わらないで欲しい)」という就活生が過半数を超えた(50.8%)。

 子どもの方からなにも言ってこないと、親からすると活動が順調なのか気になるものだろう。だが、それは「関わらないで欲しい」という気持ちの表れなのかもしれない。では、だから放任したままで良いかというと、そういうわけにもいかない。本当に苦しんでいる時には、心身の両面でサポートが必要だ。

◆就活生が親に求めているのは「助言」と「資金援助」の2つ

 多くの就活生が親の関わり方の希望としてあげていることが2つある。1つは「相談したときに意見を言って欲しい」(72.8%)であり、もう1つが「資金援助」(64.9%)である。(なお、ここでは後者は一旦置いておく)。

 ここから、就活生の多くが親からの助言を求めていることが分かる。だが、それは親から押しつけられるものであってはいけない。それは就活生も望んでいないからだ。親が子どもに接する上で大切なのは、子どもがいつでも相談しやすい環境をつくることだろう。「就活の状況はどうなんだ?」「内定は出たのか?」など、就活生にとってプレッシャーになる接し方は、就活生も望んでいない。

 親子関係がぎくしゃくしているのなら、それを改善する。折りをみて「悩みがあるなら、いつでも相談に乗るよ」と軽く伝えておく。そうした些細なことでも、就活生には大きな助けになると思われる。

<大学と就職連載>
 就職活動を行う学生を取り巻く状況は、当然のことながら、常に変化している。就活生のお子様を持つ保護者世代が学生だった頃と比べると、その変化は大きい。連載では、就活生と日々接しているキャリアスタッフが、大学や就職にまつわるデータを参考にしつつ、今の学生の就職事情について紹介していく。

<著者紹介>高嶌悠人(キャリアコンサルタント)
 慶應義塾大学法学部政治学科卒。株式会社電通を経て、教育系ベンチャー企業の株式会社ガクーに入社。そこでは新卒学生を対象とした就職活動支援スクールの運営に携わってきた。現在は独立し、高校や大学、塾、予備校などでキャリアをテーマとしたセミナーなどを開催したり、メディアにてキャリアに関するコラムなどを書いたりしながら情報発信している。著書に、「人気NO.1「内定塾」が教える エントリーシート 履歴書の書き方(高橋書店)」や、「これだけ覚える!一般常識&最新時事(高橋書店)」、「人気NO.1「内定塾」が教える!今までなかったエントリーシート 履歴書の文章講座」などがある。
《高嶌悠人》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)