立命館大学主催の全国高校・大学ソフトウェア創作コンテスト(ICT Challenge+R)「あいちゃれ 2014」の入賞作品の最終選考と表彰式が11月22日、同大学びわこ・くさつキャンパスにて開催され、最優秀賞および各協賛企業賞が決定した。 大学の部の最優秀賞には、関西学院大学 3回生 小笠航さんの「TPPM(Take Part in Projection Mapping)」が選ばれた。その後、大会実行委員長である仲谷善雄氏(立命館大学 情報理工学部長)が、「TPPMと小数点以下第3位という僅差ながら受賞を逃した作品もあり、急きょ学部長特別賞を設け授与したいと思います」と述べ、岩手県立大学 4年生 笹木信吾さんが開発した「共同プログラミング学習環境 SLTP」の受賞も決定した。 最終選考では、各審査員が5段階で作品に点数をつけるが、整数で評価できない場合は小数での採点も可能とのことで、この2つの作品はほとんど差がつかなかったという。 最優秀賞のTPPMは、見るだけのプロジェクションマッピングを、タブレットなどで見学者が光や映像を制御したりゲームなどをできるようにしたものだ。その発想の斬新さや、見学者を参加者に変えるということの可能性や広がりが評価された。 特別賞を受賞したSLTPは、プログラミングの課題や授業で挫折する同級生の意見から、コンパイラの難解なエラーメッセージをわかりやすい表現にした(例:「構文エラー」ではなく「セミコロンわすれ」といった説明)開発環境だ。さらに、友人らとの共同作業や手助けをしやすく、プロジェクトの共有、同期といった機能やチャット機能なども実装した。WebRTCの技術によりピアツーピア通信を可能にすることで、友達に助けを求めながらプログラミング学習ができる。この機能は、一般の開発においてもピアレビューやペアプログラミングに応用可能だ。テンポの良いプレゼンテーションとともに多くの審査員の支持を集めた。 その他のファイナリストの作品には、リレー4コマ漫画を投稿していくソーシャルサービス(Yonkoma)や、アクティブラーニングを支援する生徒どうしのコミュニケーションツール(ギモン君)、位置情報を利用して入力を支援する家計簿アプリ(いつのまに家計簿)、IoT技術によりすれ違い通信からコミュニケーションに発展させる靴(illumicate Shoes)など、発想、実装技術ともにかなり進んだものが多かった。 また、休憩中や選考の間は協賛企業との交流会も行われ、参加した高校生や大学生は会社での仕事の内容、どんな技術やスキルが活かせるのか、など情報収集を行うこともできた。中には、インターンの申し込みや採用について話をする学生もいた。企業側もコンテスト選考や表彰を通じて、将来の人材育成や発掘につながればと、学生たちとの交流や意見交換に熱心に応じていた。 企業や大学が変わるなか、就活の王道は大きく変わらないとしても、このようなコンテストや公募事業などオープンな場で企業にアピールし、支援を得るキャリアパスも今後は広がっていく可能性がある。類似の先行事例としては、情報処理推進機構が実施している「未踏プロジェクト」がある。最近の例では「グノシー」を立ち上げたエンジニアは、サービスのベースとなるソフトウェアで2012年の未踏スーパークリエータに選出されている。 あいちゃれ2014 大学生の部、ファイナリストの作品名と受賞内容は以下のとおり。最優秀賞:TPPM(Take Part in Projection Mapping) 関西学院大学 小笠航学部長特別賞:共同プログラミング学習環境 SLTP 岩手県立大学 笹木信吾優秀賞:Yonkoma 立命館大学 林田健太郎・中村雄哉・小坂勇貴優秀賞:illumicate Shoes 京都工芸繊維大学 武田優生・若尾あすか・鈴木真生・羽鹿諒 ◆協賛企業賞ワークスアプリケーションズ賞:共同プログラミング学習環境サイボウズ賞:TPPM(Take Part in Projection Mapping)manaba賞:ギモン君ブラザー賞:Voice Mixerヤジュ賞:てくペコメンバーズ賞:Yonkomaサイバーエージェント賞:ギモン君IBC賞:いつのまに家計簿フリュー賞:ギモン君DMM.com賞:Voice MixerPixiv賞:Yonkomaウェディングパーク賞:Errantリセマム賞:Easy Regiバルテス賞:TPPM(Take Part in Projection Mapping)ニフティ賞:illumicate Shoesマイクロソフトディベロップメント賞:共同プログラミング学習環境 SLTP情報会賞:ギモン君ユニティ賞:illumicate Shoes滋賀県知事賞:いつのまに家計簿