幼少期の男女格差が将来のキャリア選択に影響

 経済協力開発機構(OECD)は3月5日、幼少期の男女格差が将来のキャリア選択と雇用機会に影響していることを示す報告書を発表した。その原因の一端は、親や教師の性別に対する偏見にあるという。

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 経済協力開発機構(OECD)は3月5日、幼少期の男女格差が将来のキャリア選択と雇用機会に影響していることを示す報告書を発表した。その原因の一端は、親や教師の性別に対する偏見にあるという。

 国際学習到達度調査(PISA)の科学テストでは男女とも同じ成績であるにもかかわらず、科学・技術・工学・数学(STEM)分野のキャリアに就こうと考える生徒の割合は、男子の5人に1人に対し、女子は20人に1人以下となっている。これは、親の後押しの著しい差によるものだとPISAは分析している。

 チリやハンガリー、ポルトガルでは、息子に対してSTEM分野のキャリアに就くことを期待している両親の比率は約50%である一方、娘に対して同じ期待を抱いている両親の比率は20%以下であるという。

 学業成績については、男子のほうが女子よりも平均以下の生徒の割合がはるかに高く、これが男子の高い中退率をもたらしている。成績向上には読解力を伸ばすことが重要で、男子と女子では読書の嗜好が異なることを親や教師は考慮すべきであると示している。小説や雑誌を読む比率は女子の方が高く、男子はマンガや新聞を好んでいることから、家庭や学校での読書に関して子どもにより多くの選択肢を提供すべきであるという。
《工藤めぐみ》

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