外国人留学生、コロナ禍以降初めて増加…最多国は中国

 文部科学省は2024年5月24日、「外国人留学生在籍状況調査」結果と「日本人の海外留学者数」について公表した。2023年5月1日現在の外国人留学生数は27万9,274人で、前年度比20.8%増とコロナ禍以降初めて増加に転じた。日本人学生の海外留学も引き続き回復傾向。

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外国人留学生数の推移
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 文部科学省は2024年5月24日、「外国人留学生在籍状況調査」結果と「日本人の海外留学者数」について公表した。2023年5月1日現在の外国人留学生数は27万9,274人で、前年度比20.8%増とコロナ禍以降初めて増加に転じた。日本人学生の海外留学も引き続き回復傾向。

 日本学生支援機構は、毎年、外国人留学生の在籍状況や日本人学生の海外留学状況などの調査を行っており、今回、最新の調査結果が取りまとめられた。文部科学省は、OECDなどによる統計をもとに、日本人の海外留学者数を集計し、日本学生支援機構の最新の調査結果とあわせて公開した。

 日本学生支援機構の調査によると、2023年5月1日現在の外国人留学生数は前年度比20.8%増の27万9,274人。2022年3月以降の水際対策の段階的緩和および10月からの入国者数の上限撤廃により留学生の新規入国が進み、留学生総数はコロナ禍以降初めて増加に転じた。留学生数の多い国・地域は、中国11万5,493人(前年度比11.2%増)、ネパール3万7,878人(同56.2%増)、ベトナム3万6,339人(同2.8%減)。

 在学段階別にみると、国内からの進学者の割合が高い大学学部等(正規生)および専修学校(専門課程)は、過年度の新型コロナウイルス感染症の影響が残り、前年に続き減少したものの、それ以外の学種では増加。また、日本語教育機関については、対象の調査を開始した2011年度以降過去最多となった。出身地域別でも、おおむね全地域で大幅に増加。おもな出身国のうち、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、アメリカ合衆国からの留学生については、コロナ禍前(2019年)を上回る在籍者数が計上された。

 一方、日本人学生の2022年度海外留学状況は、前年度比428.8%増の5万8,162人で、引き続き回復しているものの、コロナ禍前と比べると半数程度。その中で留学期間が3か月以上の中長期の留学者数は、コロナ禍前(2019年度)の数字の約90%に達した。

 日本人学生の海外留学が多い国・地域は、アメリカ合衆国1万1,880人(前年度比229.7%増)、カナダ6,735人(前年度比466.4%増)、オーストラリア6,187人(前年度比1839.5%増)。比較的早期に入国制限の緩和に動いた欧米諸国への留学が2021年度夏以降回復。2022年度はアジア諸国についても入国制限が緩和され、留学生数の増加につながったと考えられる。

 文部科学省は、OECD・ユネスコ・米国国際教育研究所(IIE)などの2021年統計をもとに、日本人の海外留学者数を集計。海外の機関が把握している日本人の留学者数(おもに長期)は前年比2.6%減の4万1,612人で、留学者数の多い国・地域は、アメリカ合衆国1万3,449人、中国5,722人、台湾5,586人だった。減少の理由としては、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響が続いていることが考えられるという。

 調査結果の詳細は、文部科学省のWebサイトおよび日本学生支援機構のWebサイトから見ることができる。

《川端珠紀》

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