「仲直り」より「被害児童救済」重視…大阪市いじめ対策

 大阪市教育委員会は8月25日、いじめ対策基本方針を策定した。人間関係の修復よりも被害者の尊厳を守ることを最優先と定め、救済ルートの確保や、加害者側に転校を打診するなどの対処ルールを明確化した。

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 大阪市教育委員会は8月25日、いじめ対策基本方針を策定した。人間関係の修復よりも被害者の尊厳を守ることを最優先と定め、救済ルートの確保や、加害者側に転校を打診するなどの対処ルールを明確化した。

 基本方針では、被害児童生徒と保護者の視点に立ったいじめへの対処と、すべての児童生徒にとって公平公正ないじめへの対処が行われるようルールを定めた。

 いじめ対策の理念として「集団」ではなく「個人」の尊厳を強調し、仲直りよりも被害児童生徒を助けることを優先する。被害児童生徒は未確認でも被害者として扱う、市と学校は、被害者に積極的に情報開示と説明する責任を負う、市職員による事実の隠ぺいには懲戒処分など厳正に対処すると明記した。

 いじめ対策の具体的内容としては、教職員の研修や、子どもたちの校外での人間関係を広げるなどの未然に防止するための方策や、弁護士事務所に委嘱し被害者が氏名と連絡先を明かすことを原則とした「いじめSOS」の設置などの早期発見のための方策をあげた。

 また早期対応策として、暴行や恐喝など犯罪行為に該当する可能性のあるものは、すべて警察へ相談または通報することとし、従来の内部で解決しようとする姿勢からの転換を図る。加害者に対しては出席停止の措置をとり個別指導を実施する、転校の意思の有無を確認するなど、被害者が安心できる学習環境を確保することを定めた。
《勝田綾》

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