渋谷区の寺子屋塾で小学生が歌舞伎に挑戦…市川染五郎氏も出演

 歌舞伎や能など、日本ならではの伝統文化を体験できるワークショップが全国各地で開催されている。東京都渋谷区が行っている日本の伝統芸能を学べるプログラム『伝承ホール寺子屋』で、歌舞伎の舞台体験を小学1年生が挑戦してみた。

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8月に開催された公演「渋谷金王丸伝説」
  • 8月に開催された公演「渋谷金王丸伝説」
  • 承ホール寺子屋プロデューサーの鈴木英一氏
  • 練習の最初と最後には、正座してあいさつを行う
  • ラップが混ざる「カブキぼん!ダンス」の歌詞。覚えやすく、子どもたちに人気だった
  • 毎週の練習風景。着物に慣れるため、浴衣や着物で練習する
  • 大見得のポーズを決める子どもたち
  • 遊んでいる子には厳しい先生だが、ていねいに指導してくれる
  • 緩急をつけた踊りのため、群舞ではタイミング合わせるのもひと苦労
◆子ども連れでも楽しめる、新しい“カブキ踊り”

 8月に開催された公演には、市川染五郎氏をはじめとした歌舞伎役者やダンサーが参加した。昨年の公演では、なんとガチャピンやムックなど、異色のスペシャルゲストも登場。今年は円谷プロの協力により、カネゴンが特別出演した。これも子ども達にとっては嬉しいサプライズであろう。塾生らは公演最終日に参加。2時間のプログラムのうち、最後の2曲に登場し踊りを披露した。

 1曲目は「渋谷カブキ音頭」。渋谷を題材としたオリジナルの歌詞で、「春の小川」「主の帰り待つ犬(忠犬ハチ公)」といった渋谷ならではの語句がちりばめられているのが特徴。2曲目は歌舞伎としては異色の盆踊りをテーマにした「カブキぼん!ダンス」。市川染五郎氏によるラップに合わせる部分もあり、盆踊りの振りと歌舞伎の要素をミックスしたダンスになっている。

 歌舞伎ならぬ“カブキ踊り”というスタイルだが、歌舞伎ならではの“見得”などのポーズも取り込まれており、子どもたちは思い思いの決めポーズをとって楽しんでいた。

 舞台の最後に披露される「カブキぼん!ダンス」は、観客も一緒に参加することができ、歌舞伎の楽しさを気軽に体感できる。この公演は子ども連れも歓迎で、気軽に鑑賞できるのが特徴だ。

 8月9日に開催された公演では、塾生たちが日ごろの練習の成果を出し、舞台で見事“カブキ踊り”を披露。保護者をはじめとした観客からは、大きな拍手が巻き起こった。子どもたちは、学校の授業ではなかなか体験できない歌舞伎にふれ、実際の舞台を体験したことでひと回り大きくなったように感じた。

◆公演概要
大和田夏祭り 2015伝承ホール寺子屋 カブキ踊り「渋谷金王丸伝説」
出演:市川染五郎 尾上菊之丞 尾上京 他
監修・演出:市川染五郎
プロデュース:鈴木英一
音楽:村治崇光(杵屋勝四郎)
振付:松本錦升 嶌村緒里江
《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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