大学時代の成長「実感」は20~30代で8割…ベネッセ調査

 ベネッセ教育研究所は、大学時代の学びと成長に関する調査結果を公表した。大学時代の成長を実感している卒業生は23歳~34歳で約8割、40歳~55歳では約7割。成長実感は高まる傾向にあるという。

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大学時代全体を通しての成長
  • 大学時代全体を通しての成長
  • 大学教育を通した学びの機会(頻度)
  • 主体的学びの機会別 大学時代全体を通しての成長
  • ものごとが思ったように進まない場合でも、自分は適切に対処できる
  • 危機的な状況に出会ったとき、自分が立ち向かって解決していける
  • 今の調子でやっていけば、これから起きることにも対応できる
  • 大学教育に対する考え
  • 大学教育に対する考え
 ベネッセ教育研究所は、大学時代の学びと成長に関する調査結果を公表した。大学時代の成長を実感している卒業生は23歳~34歳で約8割、40歳~55歳では約7割。成長実感は高まる傾向にあるという。

 同調査は、23歳~34歳、40歳~55歳の日本の短期大学、四年制大学、六年制大学を卒業した19,833名を対象に実施。世代別の人数内訳は、23歳~34歳が11,613名、40歳~55歳が8,220名となっている。調査時期は3月12日・13日、5月1日から8日。23~34歳、40~55歳という年齢設定は、改革が本格化する前と後の大学教育を経験した層で比較可能にするための区分ためのもの。

 1990年代以降、大学ではさまざまな制度・組織の改革が行われており、これらの改革によって大学教育がどのような変化を遂げたのかを明らかにすることが目的。調査対象の年齢設定も、大学改革が本格化する前と後の教育を比較するための区分になっている。

 調査によると、大学時代の成長を「実感した(とても・まあ実感した)」と回答した卒業生は23歳~34歳で77.5%、40歳~55歳で72.5%と、大学時代の成長実感は高まる傾向にあるという。

 主体的な学びの機会として、「少人数で学ぶ」「研究テーマの選択において自主性が尊重される」「教員と学生と双方向のやりとりがある」「教科書の枠にとらわれず、教員の自由な知見・見解に触れる」「学生が協働(グループワークや相互評価など)して学ぶ」「自分の考えを徹底して深める」の6項目を示し、これらの機会が「あった(よく・たまにあった)」と回答した割合は、すべての項目で23歳~34歳のほうが多く、40歳~55歳より約8~17ポイント高い結果になった。

 大学時代の主体的な学びの機会が「多い群」と「少ない群」とで比較をすると、大学時代全体を通して成長を「実感した(とても・まあ実感した)」と回答した人は、23歳~34歳の主体的な学びの機会が「多い群」では93.0%、「少ない群」では75.7%。また、40歳~55歳でも主体的な学びの機会が「多い群」では93.7%、「少ない群」では70.7%と、どちらの年齢層でも主体的な学びの機会が多い群のほうが成長を実感した割合が多かった。

 また、自己効力感を示す3項目、「ものごとが思ったように進まない場合でも、自分は適切に対処できる」「危機的な状況にあったとき、自分が立ち向かって解決していける」「今の調子でやっていけば、これから起こることにも対応できる」についても、すべての項目において主体的な学びの機会が「多い群」のほうが現在の自己効力感が「ある(とても・まあそう思う)」と回答した人が多い結果だった。

 大学教育に対する現在の考えを聞いた質問に、2012年に大学生4,911名を対象に行った調査結果をあわせて比較すると、「単位をとるのが難しくても、自分の興味のある授業がよい」と回答した割合は在学生45.2%、卒業生(23歳~34歳)70.6%、卒業生(40歳~55歳)79.3%。「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」と回答した割合は在学生16.7%、卒業生(23歳~34歳)42.8%、卒業生(40歳~55歳)54.2%と、主体的な学びの重要性に在学中に気づいている学生は少なく、卒業後、時間が経つほどにその重要性を感じていることがわかった。

 調査では、大学教育において主体的な学びの機会が多いほど、大学時代の成長実感や卒業後の自己効力感にも影響しており、1990年代の大学改革以降は学生が主体的に学ぶ機会が増加していることがわかった。また、主体的な学びの価値を認識している在学生は少なく、積極的に学びに向かう姿勢を持てるような支援が必要だとしている。

 同調査は、今後さらに分析を進め、2015年11月ごろに調査結果をまとめたレポートを発表する予定だという。
《外岡紘代》

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