神奈川県の不登校改善率、6年間で最高値…神奈川・埼玉速報値

 文部科学省が9月16日に「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果」を公表し、神奈川県・埼玉県では速報値を公表。神奈川県は長期欠席を「不登校では」と積極的にとらえ、不登校者が前年度より増えたが、改善率は最近6年間でもっとも高い数値となった。

教育・受験 小学生
神奈川県の公立学校の児童生徒問題行動等調査(速報値)
  • 神奈川県の公立学校の児童生徒問題行動等調査(速報値)
  • 神奈川県の私立学校の暴力行為の発生状況
  • 神奈川県 公立小中学校での不登校改善率
  • 埼玉県の暴力行為の発生状況
  • 埼玉県の加害児童生徒数
  • 埼玉県 小中学校における不登校の状況
 文部科学省が9月16日に「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果」を公表し、神奈川県・埼玉県では速報値を公表。神奈川県は長期欠席を「不登校では」と積極的にとらえたため不登校者が前年度より増えたが、改善率は最近6年間でもっとも高い数値となった。

 神奈川県の小・中・高等学校での暴力行為の発生件数は、公立が6,461件(前年度比929件減)、私立学校では243件(前年度比132件減)だった。公立中学校では、暴力行為の形態別でもっとも多い「生徒間暴力」2,371件が、前年度より231件減少した。また、加害生徒に対する学校の対応として、「友人関係を改善するための指導」「当該児童生徒が意欲を持って活動できる場を用意」など、生徒の自尊感情や人間関係の形成につながる指導が増加している。

 神奈川県の公立小・中学校の長期欠席児童・生徒数は1万3,024人、うち不登校児童・生徒数は前年度より365人増加の9,363人。学校が欠席の理由を「不登校ではないか」と積極的にとらえており、不登校者の割合が増えた。なお、「指導の結果、登校できるようになった」「好ましい変化があった」児童生徒の割合は67.8%(前年度比4.5ポイント増)で、最近6年間ではもっとも高い改善率となっている。私立小学校の改善率も大きく上昇しており、前年度比13.8ポイント増の66.7%だった。

 埼玉県の小・中・高等学校での暴力行為の発生件数は、前年度より133件減の1,823件。減少した133件のうち、中学校が117件を占めている。形態別では「生徒間暴力」が1,202件ともっとも多く、学年別の加害児童生徒数では中学3年生488人が最多。加害生徒に対する学校の対応では、「被害者に対する謝罪指導」「ルールの徹底や規範意識を醸成するための指導」が多い。

 埼玉県の小・中学校における不登校児童生徒数は5,292人。前年度に比べ、小学校が62人増、中学校が96人減となっており、全体では34人の減少となった。不登校のきっかけ(複数回答可)を見ると、「無気力」「不安など情緒的混乱」のほか、小学校では「親子関係をめぐる問題」、中学校では「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が上位となっている。
《黄金崎綾乃》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top