小学生の暴力が4年連続増加し過去最多…文科省調査

 文部科学省は9月16日、平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果を公表した。暴力行為は、中学校や高校が減少傾向にある中、小学校が4年連続で増加。前年度比572件増の1万1,468件と、過去最多を更新した。

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学校内外における暴力行為発生件数の推移
  • 学校内外における暴力行為発生件数の推移
  • 暴力行為の発生状況
  • 学年別加害児童生徒数
  • 小中学校の不登校児童生徒数の推移
  • 学年別不登校児童生徒数
  • 高校の不登校生徒数の推移
 文部科学省は9月16日、平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果を公表した。暴力行為は、中学校や高校が減少傾向にある中、小学校が4年連続で増加。前年度比572件増の1万1,468件と、過去最多を更新した。

 調査は、全国の国公私立小・中・高・特別支援学校、都道府県・指定都市・市町村教育委員会を対象に実施した。調査期間は、平成26年度間。

 小中学校と高校における暴力行為の発生件数は、前年度比5,103件減の5万4,242件。このうち、「対教師暴力」は8,835件(前年度比908件減)、「生徒間暴力」は32,423件(同2,134件減)、「対人暴力」は1,452件(同129件減)、「器物損壊」は1万1,532件(同1,932件減)だった。

 学校種別では、小学校が前年度比572件増の1万1,468件、中学校が前年度比4,563件減の3万5,683件、高校が前年度比1,112件減の7,091件。中学校と高校では減少傾向にあるが、小学校は右肩上がりに上昇を続け、平成9年度の調査開始以来過去最多となった。

 加害児童生徒数は、小学校1万808人(同452人増)、中学校3万5,623人(同3,743人減)、高校8,485人(同1,625人減)、合計5万4,916人(同4,916人減)であった。学年別では、「中2」が1万3,091人と最多。小学校では、学年が上がるほど加害児童数が多くなっている。

 加害児童生徒のうち学校が何らかの措置をとった児童生徒は、小学校108人(同9人増)、中学校838人(同412人減)、高校6,430人(同1,499人減)。関係機関により何らかの措置がとられた児童生徒は、小学校149人(同78人減)、中学校2,926人(697人減)、高校365人(同109人減)。

 加害児童生徒に対して学校が連携した機関などは、「警察等の刑事司法機関」がもっとも多く、小学校369人(同85人増)、中学校3,659人(同781人減)、高校424人(同67人減)だった。

 このほか、小中学校における不登校の児童生徒数は、前年度より3,285人多い12万2,902人であった。このうち、小学校は2万5,866人(同1,691人増)、中学校は9万7,036人(同1,594人増)。不登校児童生徒の割合は小学校0.39%、中学校2.76%。

 高校の不登校生徒数は、前年度より2,501人少ない5万3,154人。不登校生徒の割合は1.59%。高校における中途退学者数は、前年度より6,520人少ない5万3,403。中途退学者の割合は1.5%。
《奥山直美》

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