花粉症は学童期以降の発症が多いと見られていたが、すでに2歳時点で40%ほどが何らかの花粉に感作しており(免疫応答が始まっている状態)、6歳時点では7割に至っていると言われている。 低年齢化する花粉感作と果物、野菜のアレルギーについて、アレルギーに関する情報サービス「クミタス」を運営するウィルモアの石川麻由社長に聞いた。・スギ:2歳頃には感作が見られ、3~7歳で感作率が上昇。3歳時点で感作率20%、7歳時点で60%・カモガヤ:2歳頃には感作が見られ、6~10歳にかけて上昇。6~7歳時点で感作率30%超、10歳時点で60%・ブタクサ:2歳頃から感作率が上昇し、9歳時点で感作率30%※SRL.info(運営:エスアールエル)の資料より 感作している状態ではまだアレルギー症状が出ている状態ではなく、感作している方の中でも発症する方は6割前後とも言われていますが、花粉に感作している場合、その花粉と交差反応のある果物、野菜にアレルギー症状を起こすことがあり、また花粉がアレルゲンの場合、花粉と同じタンパク質を含む果物・野菜を摂取した場合に、アレルギー症状が出る場合があります。◆花粉と交差反応のある果物、野菜(例)・ハンノキ:リンゴ、桃、苺、メロン、スイカ、大豆、キウイ、オレンジ、山芋、マンゴー、アボカド、ヘーゼルナッツ、にんじん、セロリ、じゃがいも、トマト・シラカンバ:りんご、桃、洋梨、苺、ヘーゼルナッツ、クルミ、アーモンド、ココナッツ、ピーナッツ、セロリ、にんじん、じゃがいも、キウイ、オレンジ、メロン、マスタード・スギ、ヒノキ:トマト・カモガヤ、オオアワガエリ:メロン、スイカ、トマト、じゃがいも、玉ねぎ、オレンジ、セロリ、キウイ、米、小麦・ブタクサ:スイカ、メロン、バナナ、ズッキーニ、キュウリ・ヨモギ:にんじん、セロリ、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、じゃがいも、トマト、キウイ、マスタード◆口腔内に違和感がある場合は もし果物、野菜にアレルギー反応がある場合は、舌がピリピリする、のど・鼻腔が痒い、鼻水が出る、目がかゆい・涙が出る、皮膚(顔や首、触った手指)が痒くなる、赤くなる、腫れる、呼吸困難になる、などの症状があげられます。 花粉症の症状経験があって、野菜、果物を食べたあとに上記の違和感がある場合、アレルギー症状かどうかを意識してみることも大事です。 またこのような症状が出ているときは、翌日も食べたり、体調が悪い状態で食べるとより強い症状が出やすいと言われており、食べておかしいと思ったときはしばらく食べないようにするなど、入手のしやすさもありますが、毎日同じものを長期にわたって食べたり、吸収しないように、バランスを心がけることも大事です。 果物は調理せずそのまま食することも多いので(加熱してもアレルギー活性が減らない野菜、果物もありますが)、野菜、果物もアレルゲンとなるのだという意識をもちながら、何か反応があったときに見過ごさないことも必要です。 また、果物を手に取って食べた場合、手に汁がついた状態になりやすいのですが、その手で目をこすったり、顔を触ったりすると、成分を吸収しやすくなりますので、食べておかしいと思ったら手もよく洗うようにしましょう。