内定辞退者増、今春入社の就活は企業9割が「売り手市場」

 2016年4月入社対象の採用選考活動について、企業の9割以上が「売り手市場(学生側が有利)であった」と考えていることが2月16日、日本経済団体連合会(経団連)の調査結果からわかった。内定辞退者数が、前年より増えたという企業は過半数に達した。

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採用実施企業割合の推移
  • 採用実施企業割合の推移
  • 内定辞退者数の変動と追加募集の実施状況
  • 就職採用市場に関する評価
  • 学内セミナーへの参加状況
  • 説明会の実施回数と学事日程の尊重への対応策
  • インターンシップの実施状況
  • 学生の学業と就職活動に及ぼした影響
  • 自社の採用選考活動に及ぼした影響
 2016年4月入社対象の採用選考活動について、企業の9割以上が「売り手市場(学生側が有利)であった」と考えていることが2月16日、日本経済団体連合会(経団連)の調査結果からわかった。内定辞退者数が、前年より増えたという企業は過半数に達した。

 「2015年度新卒採用に関するアンケート調査」は2015年9月24日~10月16日、経団連企業会員のうち1,331社を対象に実施。790社から回答を得た。

 2016年4月入社対象の採用選考活動は、96.7%の企業が実施。企業の採用意欲は、高水準で推移している。就職採用市場への評価は、「前年と比べて売り手市場であった」という回答が91.1%を占めた。2015年入社と比べると、「売り手市場」との評価は24.4ポイントの大幅増となった。

 学内セミナーへの参加企業は81.9%。このうち64.8%が前年より参加回数を「増やした」と回答した。また、説明会の実施回数も63.0%の企業が「増やした」とした。一方、説明会への参加学生数は「増えた」32.2%に対し、「減った」37.3%。内定(内々定を含む)辞退者数は55.2%が「増えた」と回答し、追加募集を「すでに行った/今後行う予定」という企業も47.4%あった。

 インターンシップについては、67.7%の企業が「実施した」と回答。このうち、52.8%が前年より受入れ人数を「増やした」と答えた。実施時期は、学部3年・修士1年次の「8~9月」が69.2%と最多で、ついで「1~2月」51.3%であった。

 採用選考スケジュールの変更に伴い、「悪い影響があった」と回答した企業は96.2%。項目別では、「就職活動の長期化の是正」や「学部生・院生の学習時間の確保」が特に高かった。自社の採用選考活動に対しても87.9%の企業が「悪い影響があった」と回答。項目別では、「人事担当者の業務量」と「採用選考活動の長期化の是正」が8割を超えた。

 経団連非会員企業を含めた企業全体の採用スケジュール遵守状況は、87.5%の企業が「守られていない」と回答した。2017年入社や2018年入社以降からスケジュールを「見直すべき」とした企業は80.0%にのぼった。
《奥山直美》

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