【高校受験2017】神奈川公立高校入試にマークシート導入、湘南ゼミナールに聞く対策や夏の過ごし方
受験生にとっては最後の夏休み。それをどう過ごすか、どのような対策をするか。おそらくその違いは来年の入試結果に現れてくるだろう。また、神奈川県の場合、2017年入試から導入を検討しているマークシート対策も気になるところだ。
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神奈川県を拠点に展開する進学塾の「湘南ゼミナール」教務本部教務部部長の伊藤圭以氏と進路情報戦略室長進路指導コーチ・共育コーチの金澤浩氏に、平成29年度の公立高校入試に向けた夏休みの対策法や秋以降の成績アップ術、平成29年度入試の予想や注意点を聞いた。
--まず、神奈川県における平成29年度の公立高校入試の概要や予想、近年の出題傾向を教えてください。
伊藤氏:神奈川県公立高校の入学試験は、国語、数学、英語、理科、社会の5科目のほか、内申点と面接の合計点で合否を決定します。神奈川県ならではの特徴としては、どの学校も面接が必須である点と、進学実績の高い上位校や特定分野の推進校が、学校ごとの独自問題による筆記試験や実技試験を追加できる「特色検査」があることです。
これらの制度については、平成28年度の入試と同様で大きく変わりませんが、中高一貫校として学力アップに力を入れている横浜市立南高校が特色検査を実施しないことが発表されています。なお、6月には5教科試験の一部にマークシートが導入されることが決定されたため、学力検査問題の解答方式はこれまでの入試と異なります。
問題の傾向については、ここ数年の傾向どおり、平成29年度も全体の難易度が上がっていくと思われます。特に、文部科学省が推進する高大接続改革の影響か、思考力・判断力・表現力を問う記述問題のレベルが少しずつ上がってきています。同時に、知識を問う問題から、物事の原則・原理の理解を問う問題が増えています。
--H29年度入試から導入が決まったマークシートについてお尋ねします。7月末までには、導入形態も決定される見込みですが、マークシート導入の目的や影響、今後の対策を教えてください。
金澤氏:導入の目的は、採点ミスを減らし、記述式問題の採点に時間を割けるようにするためと言われています。神奈川県教育委員会の発表によると、マークシートが導入されるのは、記号選択式問題部分に関してです。現状、方式としては解答の数字をマークするパターンが発表されています。
マークシートによる解答が受験生の負担や混乱になるとは思いませんが、たとえば、受検番号などで上位桁のゼロをマークし忘れるといったミスはよくあります。答案の形式がわかれば、そういった指導やチェックは必要でしょうね。
金澤氏:マークシート導入による生徒への直接的なメリットは少ないかもしれませんが、採点ミスが減ったり、記述式の採点品質が上がるなら、より公平な採点につながると思います。神奈川県では、同時に答案用紙のコピーを受験生に返却する案も検討しています。採点がよりクリアになることが期待できるでしょう。