中高の英語での授業実施率は2割未満、約8割が必要

 「英語の授業は原則英語で行う」という基本方針が実践できている割合は、高校で13%、中学校で17%と2割に満たないことが、イーオンが8月19日に発表した「中高における英語教育実態調査2016」より明らかになった。

教育・受験 先生
英語での授業運営が実践できているか
  • 英語での授業運営が実践できているか
  • 「授業は英語で行う」基本方針について
  • 大学受験・英語科目への外部試験導入について
  • どの外部試験がふさわしいか
 「英語の授業は原則英語で行う」という基本方針が実践できている割合は、高校で13%、中学校で17%と2割に満たないことが、イーオンが8月19日に発表した「中高における英語教育実態調査2016」より明らかになった。

 中高における英語教育実態調査2016は、中学の英語教師162名と高校の英語教師201名の計363名を対象に実施。イーオンが今夏、全国5都市で中学・高校英語教師を対象に実施した「英語を英語で教えるための指導力・英語力向上セミナー」開催にあたり、参加希望者の応募条件として調査した。

 現在、高校の英語授業は「英語で行うことを基本とする」とされており、2020年に向けた改革案では中学校も同様に英語での授業運営が盛り込まれている。そこで、「授業は原則英語で行う」という基本方針が生徒にとって必要かどうか聞いたところ、中学・高校ともに77%が「必要」と回答した。自由意見では、「生徒にとっては、日本で英語に触れる大変貴重な機会だと思う」(公立中学)や、「授業で英語を活用することができなければ、社会に出てもできないと考えます」(私立高校)などがあった。

 英語での授業運営が実践できているかどうかに関しては、高校では「おおむね言語活動を行っている」13%、「半分未満の時間、言語活動を行っている」45%、「あまり言語活動を行っていない」42%。中学校では「おおむね言語活動を行っている」17%、「半分未満の時間、言語活動を行っている」63%、「あまり言語活動を行っていない」20%と、中学校のほうが実践できていることがわかった。高校で実践できていない理由として、現在の大学受験とマッチしていない点や生徒の理解レベルが追いついていない点などがあげられた。

 大学入試での英語科目の外部試験導入について聞いたところ、高校で74%、中学校で83%が「賛成」と回答。中高ともに前年(高校70%、中学校69%)よりも賛成票が伸びた。また、賛成と回答した先生に、どの外部試験がふさわしいか聞いたところ、中高ともに英検がもっとも票を集めた。理由として、英検が最低限の4技能をはかろうという指標がある点や学習指導要領に準拠している点、生徒にとって身近である点などがあげられた。
《工藤めぐみ》

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