【高校受験2017】浦高・一女・大宮…スクール21に聞く合格点や内申点、勉強法とは

 埼玉県御三家をはじめとした難関校を狙う受験生は、今、何を指針とすべきか。「スクール21」入試情報センター所長である宮川由三氏に、県立御三家に合格するためのノウハウや学習に臨む考え方などを聞いた。

教育・受験 中学生
PR
県立御三家の合格実績では15年連続トップの「スクール21」入試情報センター所長である宮川由三氏
  • 県立御三家の合格実績では15年連続トップの「スクール21」入試情報センター所長である宮川由三氏
  • 県立御三家の合格実績では15年連続トップの「スクール21」入試情報センター所長である宮川由三氏に、県立御三家に合格するためのノウハウや学習に臨む考え方などを聞いた
◆県立御三家の「合格の目安」…入試の得点や内申点

--県立御三家に合格するための学力検査の得点や調査書の点数(内申点)を教えてください。

 学力検査(入試)の満点が500点で、そこに調査書の点数(内申点)が加わります。浦高・一女・大宮ともに、学力検査はおよそ420点から430点、満点の85%程度が合格の目安といえます。通知表は、1学年45点中42または43。「5」が並んでいて「4」が2つか3つある状態の成績が多いですね。

 埼玉県公立高校の入学者選抜は、第1次選抜と第2次選抜の2本立てです。たとえば400人の合格者を決めるとすると、第1次選抜でおよそ6割の240人を決めて、次に残りの4割の180人を第2次選抜で決めます。県立御三家の場合はすべて、第1次選抜が6(学力検査)対4(調査書)、第2次選抜が7対3の割合で学力検査を重視しています。つまり、どんなに内申点がよくても、学力がなければ合格はできません。

 内申点に影響する中学3年生の学年評定はこれからが重要ですが、評定でプラスアルファされる範囲は限られるため、学力検査における得点力を今後どれだけ向上させるかが重要なポイントになるでしょう。

◆変わる埼玉県公立校入試、その影響は?

--平成29年度の埼玉県公立高校入試は、社会と理科の検査時間が40分から50分に拡大されたり、数学と英語に取り組みやすい問題の比率が増やされたり、さらには学校の判断によって応用的な内容を含む「学校選択問題」の導入が許可されたりと、さまざまな変更があります。御三家を受験する生徒にとって、その影響はどのようなものが考えられますか。

 確かに変わりはしますが、問題の6~7割はそのままです。6~7割は今まで同様の問題ですので、新しく追加される問題以外は通過率5~20%の重要性も変わりません。

 英語の場合は、長文読解が格段に難しくなるでしょう。そのため、スクール21では埼玉県が示しているサンプル問題と同レベルの英文読解を繰り返し、正答精度を上げています。ただし、英語の長文が難しくなったとしても、合格者の総得点はそれほど下がらないでしょう。英文のランクが上がっても、得点できる人が新しい合格者になると考えるからです。

 数学の場合は、大問1で出題される計算問題の質がまったく別次元になるので、注意が必要です。たとえば「3+4×4=」を計算するような単純な四則演算から、複雑な計算問題になります。しかし、受験生の多くはそういった類の問題を経験しないため、最難関を受験する生徒でも「まさか」の間違いを起こすケースがあるでしょう。意外とそこで、合否を分ける4点や8点の差がつくのではないでしょうか。

◆県立御三家を狙う受験生へのメッセージ

 県立御三家を狙う受験生には、「簡単にあきらめず、とことんチャレンジしてほしい」ということを伝えたいですね。

 「こんなにやってるのに結果が出ない」「もうあきらめよう」という気持ちになることもあると思いますが、その気持ちに負けてしまうと、それは高校入試だけの話ではなく、その後の考え方にも影響が及びます。本気になってここでやりきることで、入試だけでなく、さまざまなことが大きく変わってくるでしょう。だからこそ、最終的にあきらめるにしても、やりきってからにしてほしいと思っています。

--ありがとうございました。

 2017年の入試まで残り数か月。これからの時間を少ないと捉えて、漠然とした不安に陥るのか、目の前の明確な弱点の克服に向けて、仲間と明るく取り組むことができるのか、とても大切な時期といえる。

 スクール21の宮川氏が語る“とことんやりきる”ことに集中するには、まず自分の実力を正確に知ることが重要。スクール21では、難関公立校志望者向けの「県立御三家公開模試+公開セミナー」を11月3日、12月11日に開催する予定だ。自分が今どの位置にいるのか、今後の受験勉強のポイントを戦略的に把握するのに良い機会となるだろう。

◆2017年度(平成29年度)埼玉県公立高校入学者選抜スケジュール
願書受付:平成29年2月20日(月)・21日(火)
学力検査:平成29年3月2日(木)
合格発表:平成29年3月10日(金)
《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

+ 続きを読む

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top