なぜ増える? シンガポール修学旅行の魅力

  シンガポール政府観光局は10月18日、東京都港区の日本アセアンセンターにて、中学・高校の経営者や教職員を対象に、シンガポール教育旅行セミナーを開催した。安田学園高等部教諭の原健一氏と都立桜修館中等教育学校副校長の志波昌明氏に魅力を聞く。

教育・受験 高校生
2016年10月18日に行われたシンガポール教育旅行セミナーのようす
  • 2016年10月18日に行われたシンガポール教育旅行セミナーのようす
  • シンガポール政府観光局北アジア局長のマーカス・タン氏
  • シンガポール政府観光局日本支局マネージャー 吉田明子氏
  • 安田学園高等部教諭の原健一氏
  • 都立桜修館中等教育学校副校長の志波昌明氏
  • 海外修学旅行目的地(2014年)
  • 地方別 海外修学旅行 実施件数(2014年)
  • シンガポール選定のポイント
 北海道、東京、大阪、奈良、京都に長崎や沖縄…。高校時代の思い出である修学旅行の行き先はどこだったろうか。近年では英語力やコミュニケーション能力、自立性の向上を目的に、海外を行き先としている学校も多い。特に、昨今は従来の韓国、ハワイ、オーストラリア、カナダなどに加え、シンガポールが教職員の注目を集めている。

 シンガポール政府観光局は10月18日、東京都港区の日本アセアンセンターにて中学・高校の経営者や教職員を対象に、シンガポール教育旅行セミナーを開催した。教育旅行とは、いわゆる修学旅行や研修旅行、海外研修などのこと。セミナー当日は、実際にシンガポールを教育旅行先にした安田学園高等部教諭の原健一氏と都立桜修館中等教育学校副校長の志波昌明氏が登壇し、渡航先での生徒たちのようすや得られた効果、シンガポールを選ぶメリットとデメリットなどについて紹介した。

◆決め手は安全・清潔・国際性

 シンガポールを修学旅行先に選んだ学校数総計は、2014年時点で143校。生徒数総計は18,957人で、オーストラリアやハワイ、韓国やカナダを抜かし台湾、マレーシアに次ぐ人気がうかがえる。

 シンガポールの魅力はさまざま。東京23区にほぼ等しい国土面積ながら、歴史や都市開発、水資源などの社会問題に向き合う豊富な学習素材に恵まれ、国立博物館やナイトサファリ、セントーサなどの多彩な観光資源を有する。多くの民族と文化が織り成す多民族国家のため、社会でもっとも耳にする機会が多いと言われる“アジアなまり”の生きた英語に触れる機会も多い。

 交通網も発達しており、安全な都市ランキングでは東京に次ぐ世界第2位に位置し、都市開発により整備された近代的な街づくりによって疫病や流行病の恐れも抑えられており、衛生面の心配も少ない。国柄、意思疎通に不可欠な英語力も高く、2013年のTOEFL平均点ランキングでは世界3位にランクイン。原氏と志波氏はいずれも、生徒だけで行動してもある程度の安全が確保される治安の良さはもちろん、教育レベルが高いことを選定の決め手としてあげた。

◆海外で修学旅行を行うメリット

 国際理解を目的とした修学旅行プログラムを組んでいる安田学園高等部の原氏は、シンガポールへ生徒を引率したのは2016年の渡航で2度目。他国への渡航と比べても原氏自身を含めた生徒たちのシンガポールへの満足度は高く、シンガポール大学の大学生との交流プログラムを中心とすることで、渡航前の事前学習も含め、生徒自身の学習意欲や自立心に向上が見られ、自分に自信を持てるようになった生徒が多いと話す。

 スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校の都立桜修館中等教育学校副校長の志波氏も、修学旅行プログラムに現地大学生と市内で班行動を取る「B&S(Brother&Sister)制」を採り入れたことで生徒が積極的に英語を活用しようとし、ひとりひとりに成長が見られたとメリットを語る。
《佐藤亜希》

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