なぜ増える? シンガポール修学旅行の魅力

  シンガポール政府観光局は10月18日、東京都港区の日本アセアンセンターにて、中学・高校の経営者や教職員を対象に、シンガポール教育旅行セミナーを開催した。安田学園高等部教諭の原健一氏と都立桜修館中等教育学校副校長の志波昌明氏に魅力を聞く。

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2016年10月18日に行われたシンガポール教育旅行セミナーのようす
  • 2016年10月18日に行われたシンガポール教育旅行セミナーのようす
  • シンガポール政府観光局北アジア局長のマーカス・タン氏
  • シンガポール政府観光局日本支局マネージャー 吉田明子氏
  • 安田学園高等部教諭の原健一氏
  • 都立桜修館中等教育学校副校長の志波昌明氏
  • 海外修学旅行目的地(2014年)
  • 地方別 海外修学旅行 実施件数(2014年)
  • シンガポール選定のポイント
◆課題は費用と交流先の学校選定

 ただし、公立学校の場合は渡航費用予算があらかじめ決定されているため、桜修館の場合は為替レートの都合から渡航期間が年度によって2泊、ないしは3泊に変動する。比較的渡航費用が掛からない時期に円滑に旅行を計画し、速やかに業者との契約を結ぶことが費用課題解決の鍵になりそうだ。

 また、シンガポールの教育システムと日本の教育にはズレがあるため、学校間交流の相手先の選定と決定も課題のひとつ。シンガポールにおける1か月以上の休暇は6月と11月後半から12月で、新年度は1月開始。よって、日本の修学旅行期間にあたる時期には学校間交流の調整が困難である場合がある。さらに、シンガポールは学校数も限られているため、「姉妹校や提携校があれば良い」(志波氏)のだが、1学年数百人単位の団体ともなると、受入れ可能な学校はさらに限定される可能性が高い。

 こういった事情から、シンガポール政府観光局日本支局マネージャーの吉田明子氏は、学校間交流を目的とする場合は、できれば渡航時期をずらすことも検討要項のひとつとしている。また、吉田氏によると「シンガポールの学校はどこも、修学旅行に来た時だけの儀式的な交流は求めていない」。英語力は現地の生徒の方が高い場合が多く、意義のある交流には多くの準備や継続性のある方法やプログラムの作成・実行が必要であることを強調した。耳にするだけでは非常に難易度の高い教育旅行になるのでは、と一抹の不安がよぎるが、その分、教諭らが渡航前準備と現地での活動を合わせた国際教育カリキュラムを上手に組めば、生徒たちの英語力を底上げする一生ものの強力な機会にできそうだ。

 シンガポール政府観光局北アジア局長のマーカス・タン氏は、「シンガポールはほとんど日本と変わりのない近代的な街並みがありながら、それと調和する民族文化や伝統がある」と魅力を伝える。原氏が「英語が話せないままだと何も得られず、満足感のないまま帰国してしまう生徒もいた」と語るように、同じアジアでありながら、文化と高度な技術の入り混じった異色の風土にカルチャーショックを受けて帰ってくる生徒も多いだろう。しかしそれこそが、グローバル社会を生き抜く21世紀型の子どもたちに必要な経験で、若いうちに実体験として積んでおくべき経験のように思える。

 シンガポールへの教育旅行に関する情報やDVD、パンフレットはすべて、シンガポール政府観光局へ問い合わせれば入手可能。来年度の修学旅行先を決めるべき時期が近づいているが、次は一度、国外も選択肢のひとつに入れてみてはいかがだろうか。
《佐藤亜希》

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