プリント管理の地味な進化…貼る派 vs はさむ派 あなたは?

 画期的な新機能や華々しさはないけれど、地味に進化している定番文具を取り上げるこのコラム。今回はプリントの増加に伴って変化を遂げてきた中高生向けのノートに注目したい。

教育・受験 その他
プリント管理の地味な進化~時代が変わればノートも変わる~
  • プリント管理の地味な進化~時代が変わればノートも変わる~
  • 「キャンパスノート(プリント貼付用)」 切らずともすっぽりおさまるように設計されている
  • 「キャンパスノート(プリント貼付用)」 「くの字」とあわせて目安にすれば、誰でもカンタンかつキレイにプリントを貼ることができる
  • 「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」 プリントはノートに貼らずに分けておきたいという人にオススメ
  • 「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」ラインアップ
  • 「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」 カバーは三つ折になっており、いちばん左のポケットはノート用
 画期的な新機能や華々しさはないけれど、地味に進化している定番文具を取り上げるこのコラム。今回はプリントの増加に伴って変化を遂げてきた中高生向けのノートに注目したい。

◆「勉強」は大切、でもその「やり方」はひとつではない

 今も昔も「勉強は大切」であることに異論をもつ人はいないだろう。だがその「やり方」はひとつではないし、時代によってもさまざまな移り変わりがあるものだ。

 その変化のひとつに、「プリントの増加」がある。私自身が中高生だった15~20年ほど前は、先生が黒板に板書をしながら説明をして、それをノートに書き写す、というのがよくある授業の流れだった。しかし昨今では、板書を書き写す作業を減らし、そのぶん問題を解いたり皆でディスカッションしたりする時間を増やそうといった理由から、授業内容をプリントとして配布することが増えているらしい。

◆「プリントの管理」という新たな問題

 ではこの、「プリントが増えた」という事実に、文具的な立場から目を向けてみるとどうなるだろう。実はそこに、かつてはなかった問題が浮かびあがってくるのである。

 ひとつは、ノートの「大きさ」だ。たとえば、学習用ノートの一般的なサイズである「セミB5」は252×179mmであるのに対し、コピー用紙の「B5」サイズは257×182mm。つまり、B5のプリントをセミB5のノートに貼ろうとすると、どうがんばってもプリントがノートからはみ出してしまうのだ。

 だが、ここでノートを責めるわけにはいかない。彼らにしてみれば手で書き込まれることを前提として待ち構えているページにプリントを貼られるなど、まさに「想定外」の事態なのだから。しかし現実にプリントは配られるし、それも日々増え続けている。コクヨの調査によれば、中高生の46%が「ノートに貼る」ことでプリントを管理しているという。それはすなわち、はみ出したプリントが折れたり破れたり、またそれを防ぐために周囲の余白を切りとったりする苦労と日々戦っている中高生たちが少なからず存在している、ということでもある。

 またノートにプリントを貼るのではなく「はさむ」場合は、先の「はみ出し問題」に加え、なんらかの拍子にはさみ込んだプリントがすべり落ちてしまう、という別のリスクもはらんでいる。

 では、プリントはプリントで、ノートと分けてファイリングしてはどうだろう。実際、中高生の61%はクリヤーホルダーを使用してプリントを管理しているという(コクヨ調べ)。

 この場合、たしかに「はみ出し問題」は解消されるものの、今度は「探しにくさ」という新たな問題が出てきてしまうのだ。たとえば、プリントをひとつのファイルにガサッと入れてしまうと、必要なものが見つけにくくなってしまう。かといって教科別、目的別、種類別…と分類を細分化すれば、今度はファイリングに手間がかかる。それにノートとプリントが分断され、ファイルの数が増えれば増えるほど、忘れ物のリスクも増大するのだ。「ファイルはあるのにノートがない」「宿題のプリントを入れたファイルだけ家に忘れてきた」といった悲しい事態は、なんとしても避けたいものである。


◆プリントには「居場所」が必要だ

 このようにプリント管理の問題は多々あるが、その理由をたどれば一般的なノートは「プリントを用いた学習を前提として作られていない」ことに集約されるのではないだろうか。プリントの存在を想定していないから、適切な「居場所」がない。だから、切ったり貼ったりはさんだり、別のファイルを用意したりと、各々の知恵と工夫に頼らざるを得なくなっているのだ。

 このゆゆしき事態を、中高生向けノートの雄たるキャンパスノートが見過ごせるはずはない。「ならば私がなんとかしましょう!」と立ち上がり、誕生したのが「キャンパスノート(プリント貼付用)」と「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」である。プリントに「居場所」を与えてくれるこれらのノートはどのようなものなのか、それぞれ詳しく見てみよう。

◆「貼る派」にオススメ、「キャンパスノート(プリント貼付用)」

 「キャンパスノート(プリント貼付用)」は、その名の通りプリントを「貼る派」にオススメのノートだ。最大の特徴は、266×198mmという、一般的なセミB5よりもやや大きめの独自サイズ。つまり、B5サイズ(257×182mm)のコピー用紙が、切らずともすっぽりおさまるように設計されているのだ。

 中を開いてページに目をこらすと、4つの角それぞれに「くの字」のマークがついている。これが、B5サイズの目印だ。また罫線も横の長さもB5の短辺(182mm)とぴったり同じなので、「くの字」とあわせて目安にすれば、誰でもカンタンかつキレイにプリントを貼ることができるのである。

 ちなみに上下の余白とタイトル欄を除く罫線部分の高さは、A4サイズの短辺(210mm)と同じになるので、プリントがA4サイズの場合はこちらを位置合わせの目安にし、二つ折りにして貼るといいだろう。

◆「はさむ派」「クリヤーホルダー派」にオススメ、「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」

 プリントはノートに貼らずに分けておきたいという人にオススメなのは、「キャンパスカバーノート(プリント収容ポケット付き)」である。こちらは、ノートとカバーがセットになった商品だ。

 カバーは三つ折になっており、いちばん左のポケットはノート用。表紙を深く差し込み、しっかりと固定できるようになっている。真ん中と右のポケットがプリント用だ。2カ所あるので、内容によって分類する、提出が必要なものは忘れないように分けておく、というように、探しやすくするための自分なりの使い分けが可能だ。また、ノートとプリントを常にひとまとめにしておけるので、授業の時間割に合わせて荷物を準備するのもラクになる。

 カバーはカンタンにつけ外しできるから、ノートをお気に入りのものに交換したり、ノートとカバーの間に好きな切り抜きをはさんだりと、自分なりにカスタマイズするのもよさそうだ。


◆時代の変化がある限り、「地味な進化」はなくならない

 ノートのような文房具は、すでにこれ以上変わりようがないほどに成熟したアイテムだと思われるかもしれないが、時代が変わり、勉強の仕方が変わり、使う人のニーズが変われば、それに誘発され少しずつ「進化」し続けているのである。

 本コラム、「文房具の地味な進化」シリーズでは、ともすれば見落とされがちな小さな「変化」にあえて目を向け、取りあげてきたが、今回の更新をもって連載はいったんひと区切りとなる。開始当初はこんな地味な話で大丈夫か? 3回ぐらいで打ち切りになるのではないか? と自分でもあやぶんでいたが、フタを開けてみれば予想以上に多くの方に読んで頂き、月1回という決して早くはないペースではありながら、約1年半にわたって続けることができた。ありがたい限りである。

 今回でひと区切りといえど、時代の変化がある限り文房具の「地味な進化」はなくならないと思うので、定期連載という形ではないにせよ、折に触れて取り上げていきたい(なので、あえて「最終回」とは言わない)。また来年以降は、新たなテーマで文房具の話を続ける予定なので、そちらでも引き続きお付き合い頂けると幸いだ。

プリント管理の地味な進化~時代が変わればノートも変わる~

《ヨシムラマリ》

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