インターンシップ「満足」学生9割、企業は満足度低

 文部科学省は、2月2日開催のインターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議(第3回)の配付資料をWebサイトに掲載した。調査研究によると、学生の9割がインターンシップに「満足」しているのに対して、企業の3割近くが「不満」と回答していた。

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インターンシップ実施状況
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 文部科学省は、2月2日開催のインターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議(第3回)の配付資料をWebサイトに掲載した。調査研究によると、学生の9割がインターンシップに「満足」しているのに対して、企業の3割近くが「不満」と回答していた。

 「インターンシップ推進のための課題および具体的効果・有用性に関する調査研究」は、国公私立の大学生・短大生・高専生、新卒採用実施企業(従業員数5名以上)、大学・短大・高専などを対象に実施。それぞれの調査期間・有効回答数は、学生が2016年10月24日~11月2日で3,386名、企業などが2016年10月26日~11月18日で701社、大学などが2016年10月24日~11月11日で1,019校となった。

 インターンシップの参加・実施率について、学生の30.5%が参加し、企業などの55.6%、大学などの58.9%が実施。実施期間は、学生・企業など(実施ベース)で5日以内が多いのに対し、大学など(実施・把握ペース)では5日以上1か月未満が8割以上を占めていた。

 学生の単位取得状況をみると、学生の32.8%はインターンシップについて「単位取得の成果があった」と答えている。また、学生は約9割がインターンシップに「大いに満足」「どちらかというと満足」と回答したが、企業は3割近くが「あまり満足していない」「満足していない」と答え、学生よりも満足度が低い。ただし、98.6%の企業は、継続の意向を示している。

 インターンシップの内容は、学生・企業ともに「業務経験型(基幹業務型+補助業務型)」がもっとも多く、4割以上を占めた。そのほか「ワークショップ・プロジェクト型」「見学・同行型」「講義型」の順となっている。インターンシップへの期待は、「キャリア関連」「業界・企業研究関連」で高く、「就職関連」は限定的。

 学生のインターン先への就職意向を聞くと、42.8%が「就職活動をした/する予定」としており、49.9%は「プレエントリーを勧められた」と回答。他社へ就職した場合なども含め、インターン先から内定を取得した割合は22.2%にのぼった。

 インターン参加学生の採用選考上の取扱いについて、企業の30.2%は「実施時期によらず、採用情報を優先的に提供」、6.3%は「実施時期によらず、一次面接免除など優遇」などとなったものの、52.4%は「一切行っていない」と回答している。大学などはインターンシップの実施目的として「仕事理解の促進」91.3%、「学生自身のキャリア観の明確化」84.3%を多くの大学があげているのに対して、「就職実績の向上」は25.4%と低くなっていた。

 学生にインターンシップ不参加の理由をたずねると、「学業など、ほかの活動で忙しかった」29.7%、「インターンシップの内容に魅力を感じなかった」22.6%などがおもな理由だった。企業に実施上の課題では、「社内調整が難しい」64.4%、「社内の人員・実習場所の確保が困難」57.6%のほか、「採用に繋がらない」31.4%という回答もみられた。
《黄金崎綾乃》

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