2017年度新入社員「自分ファースト」志向高まる

 2017年度(平成29年度)新入社員は、就業後や休日などは自分の時間を充実させたい「自分ファースト」の志向が高まっていることが三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査により明らかになった。

生活・健康 その他
就職活動の際に「ブラック企業」を気にしたか 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 就職活動の際に「ブラック企業」を気にしたか 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 会社に望むこと 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 会社に望むこと「私生活に干渉されない」(2004年度~2017年度) 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 理想の上司 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 出世意欲 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 出世意欲(性別・学歴別) 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 目標設定は必要か 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 日本の状態を天気で表すと 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
 2017年度(平成29年度)新入社員は、就業後や休日などは自分の時間を充実させたい「自分ファースト」の志向が高まっていることが三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査により明らかになった。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングは毎年、新入社員を対象とするセミナーを開催している。「2017年度(平成29年度)新入社員意識アンケート」は、2017年3月~4月に東京・名古屋・大阪で開催されたセミナー37講座を受講した1,327名に行ったアンケートをまとめたもの。

 労働時間や労働環境について社会的な関心が高まる中、就職活動の際にブラック企業ではないかを「気にした」「少しは気にした」という学生は前年調査(80.9%)から3.4ポイント増の84.3%だった。

 また、会社に対して望むことの1位は「人間関係がよい」、2位「自分の能力の発揮・向上ができる」。3位・4位は前年と入れ替わり、3位「残業がない・休日が増える」、4位「給料が増える」であった。また、6位の「私生活に干渉されない」は3年連続で増加しており、会社に尽くすのではなく私生活を重視する「自分ファースト」のライフスタイルがうかがえる。

 新入社員が描く理想の上司像は「寛容型」が25.1%ともっとも多く、特に女性から多くの支持を集めた。ついで、「アイデア型」19.1%、「カリスマ型」13.2%、「平凡型」13.1%、「調整型」11.4%、「情熱型」9.8%、「論理型」9.2%であった。ミスをしても広い心で受け入れてくれ、自分の成長を忍耐強く見守ってくれるような上司が求められており、論理的に厳しく詰めてくる上司や熱すぎる上司は受け入れられにくいようだ。

 出世については、「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」53.4%が「出世したい」46.6%を上回った。性別・学歴別に見ると、学歴の違いによる差はあまり見られなかったが、男性は「出世したい」が過半数であるのに対し、女性は25.0%前後と男女間で違いが見られた。

 ノルマや目標に対して、86.5%が「目標を与えられ、達成に向けて頑張りたい」と回答。「目標はプレッシャーになるのでないほうが良い」は13.5%だった。しかし、目標を与えられることに肯定的な新入社員の割合はわずかに減少傾向にある。

 「日本の状態を天気で表すと?」という質問には、現在の日本は「曇り」69.9%が最多。「晴れ」14.1%、「雨」12.1%、「嵐」3.9%と続いた。10年後は「曇り」47.6%がもっとも多かったが、現在と比べると22.3ポイント減少している。「晴れ」は20.4%と現在より増加しているが、「雨」22.2%、「嵐」9.7%も現在より増加しており、日本経済の先行きに関する見方は厳しいものであった。
《外岡紘代》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top