警視庁、早大広告研に「らしくない」交通安全ポスターを依頼

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警視庁戸塚署が、早大広告研究会に依頼したポスター案を選考。最優秀作は交通安全ポスターとして掲出される
  • 警視庁戸塚署が、早大広告研究会に依頼したポスター案を選考。最優秀作は交通安全ポスターとして掲出される
  • 最優秀作となった製作班「班長がかわいい桃」の『ちゃんと待つ人は、美しい』
  • 優秀作は学生が最も重視する“就活”をイメージして製作された。製作班「せっぱつまってるbunny gir」のポスター
  • 入選作の1つ『法では被害者 本当に被害者…?』製作班「トリニダードトバゴスコーピオンブラック」
警視庁戸塚署が早稲田大学広告研究会に「若者の交通事故防止」をテーマに、交通安全ポスターの製作を依頼した。同会の1年生と2年生の90人が8班に分かれて8案のポスターを製作、競った。

7日夜、両者に近い豊島区内の地域文化会館に戸塚署の交通幹部と広告研の製作者が集まり、選考に臨んだ。デザイン力を評価するのは、津金正彦署長、品川太郎交通官ら幹部4人。

津金氏は、依頼の経緯をこう話した。「広告の力で社会に貢献したいという彼らの姿勢は素晴らしい。彼らは自由な発想を持っている。連携して交通安全に努めたい」。

当初、最優秀作1点と優秀作2点のはずだったが、その発想のおもしろさに感心し、同日急きょ、入選を4点に増やして決定した。

最優秀作となったのは製作班「班長がかわいい桃」の『ちゃんと待つ人は、美しい』。燃える若葉の下、横断歩道の手前でたたずむ女性が写っている。製作班の調査で、学生が94%が信号無視の経験があると答えたことから、学生に向けて、訴えることにした。

「実際に信号待ちをしている人の姿を美しいと感じたことがきっかけになった」と、製作班代表の政経学部・吉田桃子さん(19)。信号無視で得られる一瞬の便利より、信号を守ることで得られる未来の評価を前面に打ち出した。「発想が違った。危ないとかダメを言わずに考えさせられる。おもしろい発想だ」と、津金署長は賞賛した。

優秀作は学生が最も重視する“就活”をイメージして製作された。製作班「せっぱつまってるbunny gir」(久保田紗衣代表)のポスターは、面接官らしき男性が厳しい目をしてアップになっている。コピーは『キミ さっき信号無視してたよね』。注目度は候補の中でも抜きに出ていて、「我々でもハッとさせられる」と、警察官に言わしめた。

入選作の1つ『法では被害者 本当に被害者…?』には、「あなたの一歩で無実のドライバーが犯罪者になってしまうかもしれない」というサブコピーが添えられていた。「歩行者は必ずしも被害者ではないがコンセプト」と、製作班の「トリニダードトバゴスコーピオンブラック」」(猪森万里夏代表)の言葉は、交通幹部を「本当に自由な発想だなあ」とうならせた。被害者である歩行者が、無理な横断で事故の原因を作っていることは、交通事故現場では珍しいことではない。担当者であれば誰もが知っているが、なかなか言い出せないことが、表現されていたからだ。

最優秀作は戸塚署が今月中にも約500枚を印刷。学生と共に、駅や学生が集う居酒屋など各所に掲出に回る。製作した広告研究会は、発信効果を測定するという。

早大広告研に、“らしくない”交通安全ポスターを依頼した警視庁・戸塚署の思惑

《中島みなみ@レスポンス》

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