真夏の祭典「高知よさこい祭り」6つの要素や見どころ、拡大と進化の歴史【夏休み自由研究】

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伝統的な朱色の鳴子を使う「四国銀行」
  • 伝統的な朱色の鳴子を使う「四国銀行」
  • 金賞受賞の「とらっくよさこい(ちふれ)」
  • 銀賞受賞の「ほにや」
  • 提灯を振り元気よく踊る踊り子
  • 迫力ある大旗
  • 審査員特別賞を受賞した同志社大学よさこいサークル「よさ朗」
  • 多くの観客で賑わう帯屋町演舞場
  • 先導する地方車の後方に続く踊り子たち
 「よさこい踊り」の本場、高知県で8月10日から12日、第64回「南国土佐・高知よさこい祭り」が開催された。「南国土佐・高知よさこい祭り」は、毎年8月9日に前夜祭、8月10日と8月11日によさこい祭り本番、そして8月12日に全国大会と後夜祭を開催している。

 2017年は64回目の開催にあたり、約200チームと約1万8,000人の踊り子が出場。高知市内9か所の競演場と7か所の演舞場を舞台に、華やかな衣装を着た踊り子たちが躍動感溢れる踊りを披露した。

 夏休みも後半であることから、徳島県の「阿波踊り」に続き、お祭りを題材とした研究に利用できるよう、よさこいの歴史や踊りに欠かせない要素、お祭りとしての見どころなどを紹介する。

◆よさこい祭りの歴史
◆よさこい祭りを構成する6つの要素
◆南国土佐・高知よさこい祭りとは
◆全国に広がるよさこい祭り


◆よさこい祭りの歴史

 よさこい祭りの始まりは、1954年に遡る。きっかけは戦後不況の中、経済復興を願い「商店街の活性化」を目指し、高知商工会議所が中心となって高知の「市民祭」として「よさこい踊り」を始めたことにある。

 第1回のよさこい祭りには21チームと踊り子750人が参加し、日本舞踊の振付けを基本とする盆踊りスタイルで祭りを開催した。しかし、時代とともによさこい祭りも進化を遂げ、各チームが個性を競い始うスタイルに変化。色鮮やかなオリジナルの衣装をまとい、踊りにはサンバやロック、ヒップホップの要素を取り入れるなど、趣向を凝らした振り付けが生まれた。

 第30回には、参加した踊り子が1万人を超え、よさこい人口が急増。1992年には高知県のよさこい祭りに感銘を受けた北海道大学の学生が、北海道の「ソーラン節」の要素を取り入れた「YOSAKOIソーラン祭り」を開催したことをきっかけに、全国各地でよさこい祭りが開催されるようになった。

◆よさこい祭りを構成する6つの要素

 よさこい祭りは、6つの重要な要素が組み合わさって1つの演舞を構成している。祭りを120%楽しむために、これらの要素は必ず押さえておきたい。

(1)音楽
 原則、よさこい祭りでは「よさこい鳴子踊り」のフレーズを使用すれば、アレンジは自由。「よさこい鳴子踊り」は作曲家の武政英策氏が作った曲で、「よっちょれよ よっちょれよ」の歌い出しが印象的だ。よさこい祭りの流し踊りでは、各チームオリジナルの個性豊かなメロディーをスピーカーから流す場合が多い。また、生歌を披露したり、太鼓やギターでの演奏を行うチームもあり、祭りを盛り上げるために欠かせない要素となっている。

(2)鳴子(なるこ)
 元来、鳴子は田畑に吊るして音で雀を追い払う道具だったが、現在はよさこい祭りを盛り上げる楽器として使われている。鳴子の伝統的な形は、朱色に塗られた木製の本体に黒と黄色のバチが付いたもので、各チームは鳴子をそれぞれの衣装にあわせた色や素材、形にアレンジしている。たとえば、白木に焼印でチーム名を入れた鳴子や、黒地に花柄の模様が入った鳴子などがある。鳴子は軽快な音を奏で、大勢の踊り子が一斉に鳴らす鳴子の音は観客を惹きつける。

(3)踊り
 よさこい祭りでは鳴子を持って前進することを基本としており、その点を守れば踊りのジャンルは自由に決めてよい。そのため、各チームはチームごとのテーマやコンセプトに沿ってオリジナルの振り付けを考え、個性豊かな踊りを披露できる。浴衣を着て伝統的な踊りを披露するチームや、飛んだり跳ねたり回転したりとエネルギッシュに舞う学生チームのほか、フラメンコやフラダンスを取り入れたチームなど多種多様。チームごとにまったく異なる踊りを楽しめる点は、よさこい祭りの醍醐味となっている。

(4)衣装
 よさこい祭りが始まった当初は男女ともに浴衣姿だったが、踊りの進化に伴い、昨今は法被(はっぴ)をアレンジした衣装をはじめ、エスニック調やロック調など、さまざまなテイストの衣装が登場している。ヘアメイクも各チームのこだわりが満載。髪にはかんざしや花をつけたり、メイクは赤色や緑色のアイシャドウなどを施すなどの演出を加えている。色鮮やかな衣装をまとい、華やかなヘアメイクを施した踊り子たちが揃って踊る姿は壮観だ。

(5)小道具
 鳴子のほかに、大旗や提灯、扇子、傘などの小道具を用いるチームも多い。高知では元来、男児が生まれると、健やかな成長を願い、端午の節句に「フラフ」と呼ばれる大旗を掲げる習慣がある。よさこいではその大旗を振るチームも多く、豪快で迫力あるパフォーマンスを披露している。このほか、扇子や傘は艶やかで上品な踊りを演出するための小道具として使われている。チームによって使用する小道具はさまざまで、よさこい祭りを観覧する際にはその使い方にも注目したい。

提灯を振り元気よく踊る踊り子
提灯を振り元気よく踊る踊り子

迫力ある大旗
迫力ある大旗

(6)地方車(じかたしゃ)
 チームを先導するために装飾されたトラック。流し踊りの際には踊り子の一番前をゆっくりと走り、チームの先導役を担う。荷台は音響機材やバンドを乗せたステージになっており、車体にはチーム名や踊りのコンセプトなどが大きく描かれ、さまざまな装飾が施されている。これらの装飾は踊り子が自分たちの手で行う場合もあり、各チームの想いが込められている。地方車の上ではボーカルによるマイクパフォーマンスも行われ、音楽と踊り子の一体感を生み出す演出をしている。

先導する地方車の後方に続く踊り子たち
先導する地方車の後方に続く踊り子たち

◆南国土佐・高知よさこい祭り

 「南国土佐・高知よさこい祭り」は、毎年8月9日に前夜祭、8月10日と8月11日によさこい祭り本番、そして8月12日に全国大会と後夜祭を開催する、国内最大級のよさこい祭り。

 2017年の第64回「南国土佐・高知よさこい祭り」では、8月10日と11日の本番に出場したチームのうち、優れたパフォーマンスをしたチームが表彰され、8月12日の全国大会への出場権を得た。全国大会では、入賞した22チームと全国の各地域より選出されたチームの合計64チームが、高知城や追手筋などの高知中心部の会場で競演をした。

金賞受賞の「とらっくよさこい(ちふれ)」
金賞受賞の「とらっくよさこい(ちふれ)」

 最高賞の「よさこい大賞」は「十人十彩」。「十人十彩」は過去にもよさこい大賞を受賞しており、高知県を代表する人気チームのひとつだ。「十人十彩」のほか、金賞は「旭食品」「濱長花神楽」「とらっくよさこい(ちふれ)」の3チームが選ばれ、銀賞は「ほにや」「俵屋グループ」「ダイヤモンドダイニングよさこいチーム」の3チームが選ばれている。

 また、本番2日目の8月11日には高知県出身のタレント島崎和歌子が高知城演舞場に登場し、高知家プロモーションPRソング「高知家の唄」を披露。高知県のゆるキャラの「カツオ人間」とともに「高知家」をアピールし、よさこい祭りを盛り上げた。

◆全国に広がるよさこい祭り

 高知県と北海道の祭りのほか、全国各地で開催されている大規模なよさこい祭りは、宮城県仙台市の「みちのくYOSAKOIまつり」、愛知県名古屋市の「にっぽんど真ん中祭り」、埼玉県坂戸市の「坂戸よさこい」など。東京で開催される代表的なよさこい祭りには「東京よさこい(ふくろ祭り)」や「原宿表参道元氣祭スーパーよさこい」などがある。

 「東京よさこい(ふくろ祭り)」は、池袋駅や巣鴨駅、目白駅周辺の商店街や広場を会場に開催。2017年の開催は10月7日と8日の2日間を予定している。区内商店街の活性化のために2000年にスタートし、現在は約100チームが参加する、首都圏最大級のよさこい祭りだ。

 「原宿表参道元氣祭スーパーよさこい」の2017年開催日は8月26日と27日。原宿表参道や明治神宮、代々木公園などが会場となる。地元の商店街が中心となって2001年より夏の奉納祭として開始し、現在は約100チーム、観客約80万人を動員。東京よさこいと並び、大規模なよさこい祭りに数えられている。

 よさこい祭りはこのほかにも全国で多数開催されており、夏がメインシーズンではあるものの、秋以降も楽しむことができる。よさこい祭りの期間中は屋台が出ることも多く、街全体がよさこい祭り一色に染まる。各チームこだわりの衣装や音楽などに注目しつつ、踊り子のエネルギッシュな舞と、祭りの熱気を楽しんでみてはいかがだろうか。
《佐田優佳》

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