東京都英語村が2018年9月誕生「TOKYO GLOBAL GATEWAY」の目的とは?

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Adrian Martinez氏、森晶子氏、福江友樹氏
  • Adrian Martinez氏、森晶子氏、福江友樹氏
  • Entrance(完成イメージパース)
  • Street(完成イメージパース)
  • Research Lab(完成イメージパース)
  • Restaurant(完成イメージパース)
  • Cooking Studio(完成イメージパース)
  • Airplane(完成イメージパース)
 東京都教育委員会は、民間事業者と連携して2018年9月に「英語で学ぶ」体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」(以下TGG)を開業する。東京にいながらまるで海外で生活をしているような体験ができる実践的なプログラムを取り入れたTGGは、すでに多くの申込みが入り、注目度が高まってきている。TGG開設の目的やプログラムの内容について、東京都教育庁指導部 国際教育事業担当課長の森晶子氏と、TOKYO GLOBAL GATEWAY教務部 部長代行の福江友樹氏、TOKYO GLOBAL GATEWAY 教務部 副部長のAdrian Martinez氏に聞いた。

TOKYO GLOBAL GATEWAY


 対象:小学生~高校生(都外からの利用も可能)
 所在地:東京都江東区青海2-4-32 TIME24 1~3階
 運営:東京都教育委員会/株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAY

実践的な英語教育の場で成功体験



--TGG開設の目的について教えてください。

森氏:昨今日本ではグローバル化が進んでいますが、国内では英語を実践的に話す場が限られています。そこで、実際に英語を話す体験を通して、英語を話す楽しさや必要性を感じ、英語の学習意欲を向上させてほしいという思いから開設を決めました。TGGでは正確に英語を話すことよりも、英語をツールとして使い、通じた、という成功体験を味わってもらい、ひいては内向き志向の打破にもつなげたいと思っています。

--TGGとはどのような施設なのでしょうか。

森氏:既存の施設にはない環境とプログラムが揃った新しいスタイルの施設だと考えています。特長としては大きく5点あります。

 まず1点めは、英語のみを使い、海外のような内装の非日常的な空間で、まるで海外にいるような感覚を味わえることです。学校の授業では、実際に行動をしながら英語を話すという機会は少ないですが、施設ではリアルな空間でさまざまな体験活動をしながら英語を話すという点を重視しています。

 2点めは、8人につき1人のエージェントと呼ばれるイングリッシュスピーカーがサポートすることです。プログラムの最初から最後まで付き添い、発話を促すため、どの子どももふんだんに英語を話すことができます。

 3点めは、対象学年が小学生から高校生と幅広く、英語を習いたての初級者から上級者までさまざまなレベルに対応していることです。プログラムは発達段階と英語の習熟度別に設定しているため、適した内容とレベルで学ぶことができます。

 4点めは、国際機関やグローバル企業などと連携したプログラムを用意していることです。JICAなどの国際機関や様々な企業、東京都教育委員会が連携している海外の教育行政機関などの協力を得て、国際貢献やビジネス、疑似留学など、子どもたちが世界に目を向けるきっかけとなるようなプログラムを企画しています。

 そして5点めは、英語教育の専門家が監修者としてプログラム開発に携わっていることです。楽しく学ぶだけではなく、英語教育としての品質も保証できる内容になっています。

Entrance(完成イメージパース)
Entrance(完成イメージパース)

Street(完成イメージパース)
Street(完成イメージパース)

福江氏:さまざまな体験を通じて、今の自分の英語力でも「できた」と思える成功体験を積んでいき、英語を話すことに積極的になっていってほしいと考えています。またイングリッシュスピーカーが8人の生徒全員と細やかにコミュニケーションをとることができる環境は、学校ではなかなか実現できない魅力的な環境だと考えています。

--TGGにはどういう企業が参画していますか。

森氏:応募企業より、学研ホールディングス、市進ホールディングス、エデューレエルシーエー、英語教育協議会、博報堂の5社による共同提案を最優秀事業応募者として決定しました。この5社を選定した基準は、提案内容がもっとも充実していて、学校教育と連携してサービスを提供するうえで期待できる企業だと考えたからです。

知的好奇心を刺激する充実したプログラム



--施設利用当日の流れについて教えてください。

福江氏:コースは1日コースと半日コースの大きく2種類があり、半日コースはおもに3パターンの開始時間から選ぶことができます。当日の流れは、まず「チームビルディング」という時間を設け、各チームでエージェントやチームメイトと挨拶や自己紹介をしながら、安心して英語を話せる状況を作ります。その後、2種類のプログラムに参加してもらいます。最初の「アトラクションエリア」では、たとえば海外のレストランやホテルなどをイメージした内装の部屋で、実際に海外で遭遇するようなミッションを設定し、子ども達がそれを解決するというプログラムを用意しています。1コマ15分程度で、レベル別に分かれているため、レベルに合ったものに挑戦していただきたいと思います。

 その後は「アクティブ イマージョンエリア」で、世界や実社会に関連するテーマなどを英語で体験しながら学んでいただきます。こちらは、1コマにつき60分もしくは120分とボリュームがある内容になっています。ここではエージェントに加え、専門知識を身に付けたスペシャリストと呼ばれるイングリッシュスピーカーが全体の統括を担い、英語「で」学ぶことを重視しています。

 プログラミング体験や、国際機関が監修している国際問題について学ぶプログラムなどがあり、高校生や英語上級者にとっては知的好奇心を刺激される内容となっています。また、小学生や初心者でも楽しめるような創作ダンスをしたり、料理をしたりするプログラムもあり、幅広いレベルの生徒層に対応しています。終了後は「振り返り」の時間を設け、その日の活動を通して何かしらの気付きを得てほしいと考えています。

Research Lab(完成イメージパース)Restaurant(完成イメージパース)
Cooking Studio(完成イメージパース)Airplane(完成イメージパース)
世界や実社会に関連するテーマなどを英語で体験しながら学ぶことができる(完成イメージパース)

Martinez氏:新しいことを学ぶ際にも、講義を一方的に聞くだけでなく、スペシャリストから習った内容をその場で制作や発表に生かし、学んだことをすぐにアウトプットするという点を意識しています。

都内外から多数の予約申込み



--すでに学校の予約を受け付けていますが、予約状況はいかがでしょうか。また、どのような利用パターンが多いでしょうか。

森氏:10月時点で平日を中心に、すでに数万人規模の申込みが入っています。10月からは東京都外からの学校申込みの受付も開始したため、今後は修学旅行などで利用する学校からの申込みも増えていくのではないかと予想しています。施設は建物の1階から3階までを使用する約7,000平方メートルの広大な敷地で多くの学校の利用を期待しています。2018年4月から、個人利用の予約受付も開始する予定です。

--対象学年は小学生から高校生ですが、今後対象を広げる予定はありますか。

福江氏:今後、小学生以下の児童や高校生より上の世代にも対象を広げることも検討していきます。

グローバル社会で活躍できる人材の育成



--利用を検討されている方へのメッセージをお願いします。

森氏:都内にある身近な英語漬けになれる場として、より多くの方々に利用していただきたいです。自分の要望や意見を英語で話す、考えが異なる相手と協働するという体験を通じて、英語に対する意識が変わるきっかけになればいいと考えています。また、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、いろいろな場面で外国人と接する機会もあると思います。TGGでの体験を通して英語を話すことへのハードルが下がり、外国人に気軽に声をかけられるようになるなど、将来の行動につなげていけるといいですね。

福江氏:英語に自信がある方にもない方にも、また英語が好きな方にも嫌いな方にも、何かしらの学びと発見のある環境にしたいと考えています。初等教育や中等教育の段階から実践的な英語力を伸ばしていくことで、将来世界や企業で活躍できるグローバル人材が増えていくことを期待しています。

Martinez氏:I became a part of this program a year ago. I am very passionate with teaching English but also want students in Japan to focus more on speaking English. In Japan, a lot of grammar, a lot of writing is done in the classroom. But, it is important to use, speak English. They can learn and use English in the class. But, if you go to a different atmosphere where you need to use English it becomes a different, real environment. Gives students a motivation to use English.

Basically, I want students to come to TGG and feel, “This is a great atmosphere. This feels real! It’s like a real life situation. They can use English and feel, “Wow, I can speak English, I can use English!”. Then hopefully they can return home and say, “I want to try speaking English more! I want to read more English books! I want to go to a high school in a different country!” This change in feeling is very important. I think this feeling is the best experience for students! I hope to give them this experience at TGG!

--ありがとうございました。

 急速にグローバル化が進み、より実践的な英語力が社会で求められていることを背景に、TGGの注目度と期待度が高まっていることが伺えた。TGGを通して、子どもたちが海外に目を向け、将来どのような場面でも使える生きた英語を身に付けるきっかけとなってほしい。
《佐田優佳》

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