オープンに先駆け、7月18日に報道機関向け内覧会が行われた。実際にTGGを利用する場合をシミュレーションしながら、TGGとはいったいどういった施設なのか追ってみよう。
東京都の英語村、TGGとは
TGGは、東京都教育委員会とTOKYO GLOBAL GATEWAYが提供する、体験型英語学習施設。1階のエントランスから3階まで、その総面積はサッカーコート約1面分にあたる7,000平方メートルに及び、広々とした空間に多種多様な教室を備える。
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1階エントランス。ここから英語漬けの世界へ出発!
TGGはおもに、英語“を”活用する「アトラクション・エリア」と、英語“で”学べる「アクティブイマージョン・エリア」の2エリアに分かれる。各エリアとも難易度(初級・中級・上級)に応じたゾーンやプログラムが設定されており、児童生徒の英語レベルや発達段階にあわせて学ぶことができる。
プログラム例
TGGを訪れた児童生徒はおもに、「1日コース」か「半日コース」に基づいた「セッション」の組合わせに従って教室を巡る。たとえば、ランチのない「半日コース」を選択した場合、「アトラクションエリア」で1セッション、「アクティブイマージョン・エリア」で1セッションを楽しむ。
1セッションの所要時間は60分が基本。1日コースは「4セッション+ランチプログラム」、半日コースは「連続する2セッション」で構成されている。
Welcome to TGG! エージェントによるサポート
学校利用の場合、TGGでは原則、8人1組の児童生徒に1人のイングリッシュスピーカーが付きそう。TGG内のプログラム案内や英語は、すべてこの「エージェント」と呼ばれるスタッフがサポートし、なかなか積極的になれない児童生徒にも発話を促すのが特長。
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TGG 2階のテラス。ここでまずはアイスブレイク
英語村のゲートをくぐった児童生徒はまず、2階のテラスで「チーム・ビルディング」を経験する。お互いのことを知り、グループの絆を強める時間だ。エージェントは身振り手振りを交えて見本を示し、メンバー同士でも英語で話しやすい環境となるよう働きかける。最初は表情がかたい子どもでも、エージェントの声かけによって緊張が解けてゆくという。
テーマいろいろ、4つのアトラクション・エリア
お互いのことを知ったあとは、「アトラクション・エリア」へ移動。「アトラクション・エリア」は「エアポートゾーン」「ホテルゾーン」「トラベルゾーン」「キャンパスゾーン」の4つのゾーンに分かれており、1セッション内で3ゾーン・3プログラムを体験できる。

アトラクション・エリアの各ゾーンをつなぐ“通り”は、外国の町並みを意識してデザインされている
たとえば、ゾーンのひとつである「ホテルゾーン」には「ホテル」「クリニック」「グローサリーストア」の3プログラムが用意されており、海外旅行や留学先での日常生活に関わるやりとりを実践できるよう工夫されている。

「ホテルゾーン」の「クリニック」 どこが不調か伝えてみよう
「ファーマシー」「ファストフード」「トラベルエージェンシー」からなるゾーンは「トラベルゾーン」。旅行代理店で希望のプランを伝えたり、ファストフード店で「ミッションカード」で示されたメニューを注文したりといった英語コミュニケーションに挑戦できる。アトラクション・エリアをめぐる際には、この「ミッションカード」に示された“試練”をクリアすることが求められる。うまくできれば、カードに各ブース特製のスタンプをもらえることから、全ミッションクリア時には達成感も得られそうだ。
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「トラベルゾーン」の「トラベルエージェンシー」 気になる旅行プログラムを申し込めるだろうか?
ANAの協力による「エアプレイン」と「スーベニアショップ」が印象的なのは「エアポートゾーン」。空港内の飲食店を想定した「レストラン」とあわせ、空港や飛行機内での会話を想定した3つのプログラムを提供する。
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「エアポートゾーン」の「エアプレイン」 制服はANAによるTGGオリジナルだ
中高生の中・上級者なら、海外大学での学生生活をイメージした「スクールオフィス」「ブックストア」「カフェ」の3プログラムからなる「キャンパスゾーン」に挑戦してもよいだろう。「TGG University」での生活をイメージしながら、留学カウンターでの相談や軽食の注文などを練習できる。
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写真は「キャンパスゾーン」の「スクールオフィス」
英語“で”学ぶ、アクティブイマージョン・エリア
ダンスやニュースキャスター、映像制作やプログラミングなどを英語“で”学ぶのは「アクティブイマージョン・エリア」。基本の60分に加え、プログラムによっては120分で設計された本格的な内容も揃えた。

Japanese Culture Space 英語で日本文化に挑戦
畳敷きの「Japanese Culture Room」や、本格的な撮影・放送機器を備えた「Media Lab」、Bloomberg社の金融情報端末を利用できる「Tech Lab」、料理や工作ができるスタジオなどを舞台に、多彩なテーマに沿った英語プログラムに挑戦する。指導は各プログラムの専門指導者が務めることから、英語だけでなく知識や技能も鍛えることができそうだ。

注目の「Tech Lab」 金融機関で広く導入されており、国内の教育機関では東京大学や慶應義塾大学も導入しているというBloomberg社の金融情報端末を利用できる
たとえば、「Tech Lab」では当面、Bloomberg社によるターミナル(情報端末)を利用し、株価の動きを通じた思考力やプレゼンテーション能力を養うプログラム「企業を分析して投資先を考えよう」を提供する。
株価・投資・分析、映像制作やプログラミング…との言葉が並ぶと身構えてしまうが、TGG広報は「プログラムの特徴は、知識はもちろん、英語“で”考えたり、発表したりといったコミュニケーション能力の向上にある」と説明する。職業体験に通じるプログラムも多く取り揃えたことから、「アクティブイマージョン・エリアでの活動が将来の進路を考えるきっかけにもなれば」と期待を込めた。
気になる対象・料金
TGGの対象は小学生から高校生。おもに学校単位での利用を受け付ける。
TGG広報部によると、2019年3月末(2018年度)までの予約数はすでに370校、4万7,000人に達しており、都内の公立・私立校だけでなく、都外の学校からも予約がある。オープン初日には1日で約800人が施設を利用する見込みで、年度内の予約も引き続き受け付けているという。
2018年4月からは一般向けのプログラム受付もスタートさせ、おもに日曜日・祝日のプログラム参加を募集中。内容によってはすでに満員となっているプログラムもあるため、参加を希望する場合はTGGのWebサイトで追加募集や新プログラム受付のお知らせを見逃さないようにしたい。TGGは、将来的には未就学児やシニアに向けた提供も考えていくとしている。
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TGGの利用料金(学校利用の場合)
都内の児童学生の場合、日帰り利用の1日コースなら、利用料金は4,800円、半日コースなら2,400円。ランチの有無や宿泊によって変わるため、詳細は問い合わせてみるとよいだろう。
オープンまで約1か月半。TGGへの期待は高い。グローバル社会を生きる子どもにとって、未来への門を開ける鍵となるだろうか。その浸透と意義が注目されている。