文科省、18歳人口減少も踏まえ高等教育の将来像に関する論点整理

教育・受験 大学生

文部科学省
  • 文部科学省
  • 「今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理」概要
 文部科学省は平成29年12月28日、「今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理」を取りまとめ公表した。中央教育審議会大学分科会将来構想部会が審議を行ってきた6つの観点をまとめたもので、文部科学省Webサイトに公開されている。

 文部科学省の中央教育審議会大学分科会将来構想部会は、2040年ごろを見据えた高等教育の将来像を描くため、さまざまな大学関係者や有識者からヒアリングを実施。11回の審議を行い、「社会全体の構造の変化」「高等教育における人材育成」「18歳人口の減少を踏まえた大学の規模や地域配置」など6つの観点から議論を整理した。

 「高等教育における人材育成」については、18歳で入学する伝統的な学生の教育について、論理性や批判的思考力、広い視野、 コミュニケーション能力や他者との共生の力などは、社会が変化しても陳腐化しない普遍的なスキル、リテラシーだと評している。こうした能力は、いわゆる一般教育・共通教育と専門教育、学生の自主的活動などを含む教育活動全体を通して育成されていくものだと記した。

 また、カリキュラムと社会の要請の擦り合わせの必要性を示している。学部・学科ごとに、修得するべき知識、能力の達成目標を明確にしてカリキュラムを構築。その効果を測定する仕組みを開発して、卒業生を受け入れる産業界の意見を聴きながらカリキュラムを修正していくというサイクルを恒常的に回していくことを提案している。

 「高等教育機関の教育研究体制」では、多様な価値観が集まるキャンパスから新たな価値が生まれるとして、学内出身者を中心とした教育研究体制を指す「自前主義」や18歳で入学してくる学生を中心とした教育体制から脱却し、学部や大学を超えた多様な人的資源の活用を提示。少子化が進行して、ひとつの大学で多様な教育研究を行うことが困難になることを見据え、単位互換などの制度や運用の見直し、一法人一大学となっている国立大学の在り方、私立大学における学部・学科単位での設置者変更の手続きの整備など、大学などの連携・統合を円滑に進めることができる仕組みを検討。複数の大学で人的・物的リソースを効果的に共有できるようにする。

 2030年には103万人、2040年には88万人に減少すると試算されている18歳人口。「18歳人口の減少を踏まえた大学の規模や地域配置」の中で、「多様な価値観が集まるキャンパス」を目指していくためには、高等教育機関が一定の規模を確保していくことが必要だとした。将来像を描くにあたっては、現在の進学動向などを正確に把握するとともに、将来の進学動向について具体的な形で「見える化」することが重要だという。また、地域での将来像を描くにあたっては、地域の国公私立大学が地方自治体・産業界を巻き込んで、将来像の議論や連携、交流の企画を行う恒常的な体制の構築を提案している。

 そのほか、「教育の質の保証と情報公開」にて、教育課程と指導方法の改善、学習成果の可視化と情報公開などについてもまとめている。なお、今回公表された「論点整理」は、3月に文部科学大臣から諮問があった4つの事項のうち1から3に関するものであり、具体的な提言に向けてさらに検討を進める考え。4つ目の諮問事項「高等教育の改革を支える支援方策の在り方」に関しては、政府における教育費負担軽減の議論の動向も踏まえつつ、将来構想部会において将来を見据えた議論を行う。
《黄金崎綾乃》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)