総務省消防庁は、平成30年5月14日から5月20日までの熱中症による救急搬送人員数の速報値を発表した。全国の救急搬送人員数は957人。前週の187人より大きく増加しており、福岡県で熱中症による死亡例も発生している。都道府県別の搬送人員数では、埼玉県の82人が最多。 総務省消防庁では、消防機関や医療機関、都道府県の協力により、平成20年から熱中症による救急搬送人員数の調査を実施している。平成30年5月14日から5月20日の速報値によると、全国で熱中症により救急搬送された人は957人。都道府県別では、「埼玉県」の82人がもっとも多く、ついで「大阪府」の57人、「愛知県」の55人、「東京都」の54人、「福岡県」の52人だった。 年齢区分別では、「高齢者(65歳以上)」が53.3%を占め、「成人(18歳以上65歳未満)」は29.8%、「少年(7歳以上18歳未満)」15.9%、「乳幼児(生後28日以上7歳未満)」0.9%。「新生児(生後28日未満)」0.1%だった。 発生場所別では、「住居」が30.4%ともっとも多く、そのほか「道路」17.9%、劇場や野外コンサート会場など「公衆(屋外)」11.6%、学校などの「教育機関」11.0%、道路工事現場や工場などの「仕事場(1)」10.2%が続いた。 初診時の傷病程度は、「軽症」が64.4%を占めているものの、入院診療を要する「中等症」が30.8%、3週間以上の入院加療を必要とする「重症」が2.5%。また、平成30年調査では初めて、初診時において死亡が確認された事例が1件(0.1%)発生した。 総務省消防庁Webサイトでは、熱中症予防啓発コンテンツとしてポスターやビデオ、熱中症対対策リーフレットなどを公開。また、これらのコンテンツを活用した事例や、県や消防本部が独自で行っている取組みの事例集も掲載している。