明確な目的を持った高校選択…1期生が語る千代田高等学院の魅力

 130年にもわたる伝統を受け継ぎつつ4月から共学化し、新たな歴史を織りなす「武蔵野大学附属千代田高等学院」。共学化後、第1期生となる5人に、同校での学校生活のようすを語ってもらった。

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武蔵野大学附属千代田高等学院の第1期生のみなさん
  • 武蔵野大学附属千代田高等学院の第1期生のみなさん
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  • 武蔵野大学附属千代田高等学院の第1期生のみなさん
  • IBコース 山口達也くん
  • IQコース 川沼史弥くん
  • GAコース 渡辺凛太郎くん
  • LAコース 渡辺眞凛さん
  • MSコース 山下友美さん
 130年にもわたる伝統を受け継ぎつつ4月から共学化し、新たな歴史を織りなす「武蔵野大学附属千代田高等学院」。国内でも数少ない国際バカロレア(IB)認定校として注目を集めるほか、IQ(文理探究)・LA(リベラル・アーツ)・MS(メディカル・サイエンス)・GA(グローバル・アスリート)と、生徒ひとりひとりの知性を伸ばすための特色ある5つのコースを設置。最新のICTを用いた協働学習、AI(人工知能)を用いた学習状況の把握など、充実した環境が整えられている。

 共学化後、第1期生となる5人に、同校での学校生活のようすを語ってもらった。

【参加者】
・IBコース 山口達也くん
・IQコース 川沼史弥くん
・GAコース 渡辺凛太郎くん
・LAコース 渡辺眞凛さん
・MSコース 山下友美さん

明確な目的を持った高校選択



--この学校を目指そうと思ったきっかけは何でしたか。

IB山口くん:僕は小6から中2までの2年間、イギリスに住んでいました。通っていた現地の学校では、生徒の出身国も多様で、ひとりひとりの個性を尊重し、良いところを伸ばそうとする教育を受けました。帰国後も再び海外に出たいという気持ちが強く、それに一番近いのが国際バカロレアの教育だと親が勧めてくれたのがきっかけです。

IQ川沼くん:僕は自分の好きなことにガッと集中し、勉強もひとつの教科がずば抜けて良いというタイプです。だから、IQコースの「自分のやりたいことを突き詰められるところ」が自分にぴったりだと思い、この学校を選びました。

GA渡辺くん:僕は中学まで新潟に住んでいました。新潟だとテコンドーを本格的に練習する環境が整っていなかったのですが、ここでは勉強を半日で効率よくやり、午後はしっかりと練習に取り組めるので、思い切って上京してきました。今は、親戚の家に下宿して通学しています。

武蔵野大学附属千代田高等学院の第1期生のみなさん

MS山下さん:私は幼い頃から、将来は高齢者の方々と関わりたいという夢がありました。それを学校の先生に相談したら、看護師という職業を勧められました。そこで看護師になるためにいろいろな学校を調べた結果、ここのメディカル・サイエンスコースがいいなと思いました。

LA渡辺さん:この5人の中で唯一、私だけが千代田女学園中学校からの内部進学者です。私は中学のときから「高校生になったら留学したい」という強い思いがあり、中学時代から先生方にじっくり時間をかけて留学に関する情報を集めておくようにとのアドバイスを受けていました。万全の準備のおかげで無事に留学が決まり、共学化後初の長期留学生として9月から1年間カナダの高校に通うことになっています。

武蔵野大学附属千代田高等学院の第1期生のみなさん

夢の実現に近づく学校生活



--学校生活のようすはどのような感じでしょうか。

MS山下さん:この学校は4ターム制で授業数が多く、45分授業が7コマあります。MSコースでは大学での勉強を見据えて理系科目をしっかり学ぶカリキュラムになっているのですが、実際には私も含めて理系に苦手意識を持つ人もいます。でも先生方がそれをよくわかってくださっていて、丁寧な授業をしてくださるのでとても助かっています。薬剤師と看護師志望が大体半々くらいなのですが、同じ目標でも将来に向けた考え方がひとりひとり違うので、クラスメイトとの会話もいい刺激になります。

IQ川沼くん:高校1年の12月までは、IBとIQは混合クラスで、授業が8限まであります。IBコースの生徒はいろいろな国での海外経験があったり、親がオーストラリアやインド出身など国際色豊かです。IBコースの人同士が英語で喋っていると「ここは海外か?」と思うくらい、わからなくて焦ります(笑)。IQコースはひとつのことにずば抜けて優れているタイプが多いですね。たとえば物理とか世界史とか、ある分野の勉強はぶっちぎりでできるのに、他の部分はものすごく抜けていたり(笑)。IBもIQも個性的な人ばかりでとても面白いです。

IB山口くん:授業では皆で議論したり、自分が調べたことを発表したりする機会が結構多いです。たとえば世界史では、単に歴史上の出来事をなぞって暗記するだけではなく、なぜそれが起きたのかを話し合います。現代文では、芥川龍之介の「羅生門」を段落ごとにみんなで考えて発表する授業があり、ユニークな意見が出ても先生はしっかりと耳を傾けてくださいます。答えは1つに限らず、生徒の考える力を伸ばそうというスタンスなので、とても楽しいです」

IBコース 山口達也くん
GA渡辺くん:GAコースの授業は昼までで、午後からは各自、所属団体で練習です。僕は主に学校の体育館で練習していますが、外部のチームにも所属しているので、週に2回はそちらの練習にも出ています。この学校に入るまでは、練習場所がなかなか確保できないうえに相手もおらず、1人で練習していました。今は学校の体育館で同じ競技仲間と練習できるので、最高の環境です。

 クラスメイトには軟式テニスやスキー、バレエなどのアスリートがいます。食生活から練習メニューまで、ストイックなまでに自己管理している人たちが身近にいるので、そうしたプロ意識の高さは自分も真似していきたいなと思っています。海外遠征に出かける人もいて、バレエではコンクールでラトビアへ行き、僕自身も強化合宿や世界学生選手権大会(*1)に出場するため先月は1か月ほど韓国にいました。
*1 渡辺凛太郎くんはキョルギ・高校男子の部で優勝した。

LA渡辺さん:LAコースは、中学からの内部進学者に加えて、高校から入学してきた人もたくさんいて、とにかく賑やかです。多分ほかのコースに比べてダントツに元気でうるさいと思います(笑)。LAコースには日本の伝統文化を学ぶ特別な授業があり、お琴や香道を学んでいます。仏教校ならではの伝統行事もあって、海外へ留学するうえで日本人として知っておきたいことに日々触れられる環境だと思います。

--どんな授業が面白いですか。

IQ川沼くん:情報の授業です。プログラミングの勉強は将来にも活かせそうでとても楽しいです。今、ドローンとマインクラフトのプログラミングを組み合わせ、ドローンで上空から撮影した学校の全景をマインクラフト上に落とし、学校を制作しています。10月のアメリカ研修では実際にマインクラフトを開発しているチームの前でプレゼンする予定です。

IQコース 川沼史弥くん
GA渡辺くん:僕は家庭科が楽しいです。アスリートとしての強靭な身体を作るにはこの食べ物の栄養価が効果的だとか、調理実習で実際に作りながら、栄養についての専門知識をわかりやすく教えてもらえるのでとても役に立ちます。遠征先では自炊することも多く、少しずつ自分で作れるものが増えて嬉しいです。

IB山口くん:僕は数学の授業が好きです。数学オリンピックのメダリストで博士号を持っている先生に教わっているのですが、授業がすごくわかりやすくて、1つの問題を解くのに複数の解き方を教えてもらえます。元々数学が好きなこともあり、とてもワクワクする授業です。

--部活動や学校行事ではどんなことをしていますか。

MS山下さん:私はテコンドーの同好会に入っています。中学時代は吹奏楽をやっていたのですが、親に「もうちょっと体力をつけたほうがいいんじゃない?」と言われ、いろんな部活を体験してみたらテコンドーが一番面白くて。渡辺くんのような世界レベルの選手とも一緒に練習しています。

IQ川沼くん:部活はサッカー同好会ですが、中学時代に百人一首の魅力にハマってしまい(笑)、競技カルタ同好会にも所属しています。

IB山口くん:僕も川沼くんと同じサッカー同好会です。部活動ではいろんなコースの子と友達になれるところが楽しいです。部活のほか、今は秋の学園祭に向けて準備が始まっていて、僕たちのクラスはカジノをやります。お金は取らないですが(笑)。

GA渡辺くん:中学時代には学園祭がなかったので僕もとても楽しみです。GAクラスらしく、体を引き締めるエクササイズとかをやろうかと話し合っています。

GAコース 渡辺凛太郎くん
LA渡辺さん:私はカナダへ出発する前に東北へ被災地ボランティアに行きます。植樹プロジェクトを手伝ったりしながら、地元の人たちと交流する予定です。

MS山下さん:私はクラスで学園祭の実行委員をやっていて、大学芋を売ります。クラス全体を仕切るのが大変なのですが、学園祭の話合いではクラス全体に一体感ができ、楽しいです。私も夏休みに東北へ被災地ボランティアに行きます。

千代田高等学院の魅力



--この学校の魅力はどんなところにありますか。

GA渡辺くん:少人数で参加型の授業は、スポーツで疲れていても眠くなりません。先月、韓国に遠征していたときには、オンライン教材で練習問題を解いたり、ノートも共有できました。学校に行けなくても先生方が丁寧にメールなどを通じてフォローしてくださり、とても助けられています。皆、それぞれ遠征などで留守にすることがあるので、友達同士でお互いに教え合ったりもしています。

IB山口くん:日本の学校では皆が同じことをするのが当たり前になっているけれど、この学校ではそれぞれの個性を大事に伸ばしてくれる環境があります。また、僕はイギリスに2年間いましたが、この学校では日常的に家で英語を使っているような人も結構いるので、特に自分だけが英語が得意という実感はありません。そのくらい多様な人たちが集まっている点も大きな魅力だと思います。

LA渡辺さん:先生たちの仲が本当にいいです。生徒と先生の距離も近くて、気軽に職員室に行って、勉強を教えてもらえたり、何でも相談できる雰囲気が魅力です。

LAコース 渡辺眞凛さん
MS山下さん:学校の雰囲気はとても明るくて、居心地がいいです。また、MSコースでは看護師や薬剤師といった医療関係を目指すという共通した目標があり、真面目に頑張っている人が多いので、私も頑張らなくてはと思います。

IQ川沼くん:ARC(アカデミック・リソース・センター)や、授業でもPCを用いるなどICT環境が整っているところも大きな魅力だと思います。自分たちがこうした環境で生み出した成果を、マラカン2018(*2)をはじめ、学校の外で発表できる場があるというのもモチベーションになります。
*2 マラカンは、マインクラフトでラーニングするカンファレンスの略。8月に日本マイクロソフト社で行われるマイクロソフト社認定教育イノベーターの祭典。

--まだ高校生活が始まってから4か月ほどですが、今後の抱負を聞かせてください。

IB山口くん:この学校では共学化後の男子の第1期生であり、バカロレアコースの第1期生としてもしっかり頑張りたいです。

LA渡辺さん:千代田高等学院の長期留学第1号として、留学で得た経験をしっかりと学校のみなさんに伝えられるように頑張ります。

MS山下さん:いろいろな人を上手に仕切れるよう、学園祭の実行委員を頑張りたいと思います。また、これからの進学先のことをもっと明確にしていきたいです。

MSコース 山下友美さん
IQ川沼くん:僕は文学について探究していこうと思っていますが、他コースのさまざまな個性を持つ仲間とも交友を深めて、自分の視野を広げていけたらいいなと思っています。

GA渡辺くん:競技については、2年後の東京オリンピックに向けて、少しずつ準備を進めていきたいです。また、大学へ進学できる学力を身に付けるため、勉強もしっかり頑張ります。

--ありがとうございました。

 現在、第1期生は140名ほど。5コースに分かれてはいるものの、部活動や生徒会、学園祭や運動会などの学校行事では共に活動を行うため、交流の機会は多い。多様な個性に囲まれる環境は、おおいに互いを刺激し合うことだろう。先生方同様、生徒同士にも笑顔が絶えない。荒木貴之校長以下、笑顔が絶えない学校にはポジティブなパワーしか宿らない。どこまで伸び代が広がっていくのか、誰に会っても期待を裏切らない学校だ。
《加藤紀子》

加藤紀子

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。現在はリセマムで編集長を務める。

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