ソフトバンク、micro:bitを含むプログラミングキットを無償提供「IoTチャレンジ」開始

 ソフトバンクは2019年1月24日、次世代を担う子どもたちの育成を支援する「IoTチャレンジ」を開始すると発表した。

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Pepperと今回提供されるmicro:bit
  • Pepperと今回提供されるmicro:bit
  • Pepperとmicro:bitの特徴
  • 教材キットに含まれるmicro:bitとその周辺機器1
  • 教材キットに含まれるmicro:bitとその周辺機器2
  • 教材キットに含まれるmicro:bitとその周辺機器3
  • Pepperと会話しながらガムとチョコレートを買って、電子マネーでお金を支払うデモンストレーション
  • IoTチャレンジで小中学校に提供されるもの
  • micro:bitの魅力について語る玉川学園中学部 理科主任の田原剛二郎氏
 ソフトバンクは2019年1月24日、次世代を担う子どもたちの育成を支援する「IoTチャレンジ」を開始すると発表した。「Pepper社会貢献プログラム」「Pepper社会貢献プログラム2」を実施している小中学校100校以上を対象に、4月から「micro:bit(マイクロビット)」や周辺機器、学習指導案などを無償提供する。東京・汐留では説明会が行われ、授業イメージなどが紹介された。

次のテーマはIoT



 ソフトバンクでは、2017年4月から「Pepper社会貢献プログラム」をスタートし、Pepperや専用パソコン、Wi-Fiルーター、教材などを小中学校に無償提供してきた。その実施校はすでに600校を超え、授業も2万回を超えているという。今回の「IoTチャレンジ」は、こうしたロボットプログラミングの経験校に、その発展形としてIoTというテーマを加え、教育的意味をより深める狙いがある。2021年以降には、AIについても教育的に提供していく予定だ。

 ソフトバンク CSR統括部長の池田昌人氏は、「IoTが進むことであらゆる産業、生活が変わると言われていますし、我々もそのような未来を作ってまいりたいと思っています。IoTが、実際に私たちの生活のなかでどのように役に立っているのか、さらにどんな活用が考えられるのかについて、特に子どもや若い世代に理解を深めていただきたいと考えています。時代の流れの変化をしっかりとらえ、子どもたち自身が次の世代を作っていく未来を、ソフトバンクのCSRとして作り上げていきたいと考えています」と語った。

教材キットには指導案もセットに



 IoTチャレンジ実施に向けては、1年前から、相模女子大学 小学部、玉川学園 中学部、横浜市立奈良中学校、つくば市立みどりの学園義務教育学校に試験導入し、さまざまな意見を聞いたうえで今回の教材キットの内容を決めたという。教師が授業を進めていくための指導案もセットに含んでいる。

 3月に提供される教材キットは以下のとおり。

・micro:bit本体
・周辺機器(micro:bitPH コネクタ付き単四2本電池ボックス、クリップ端子つき圧電スピーカー、micro:bit用ワニ口クリップ5本入りセット、A-MICROBタイプのUSBケーブル)
・各種センサー接続用機器(micro:bit用GROVEシールドV2)
・GROVE超音波センサー
・micro:bitプログラミング教師用指導書
・アクリルケース
・学習指導案、児童/生徒用ワークシート(両方とも電子データでの提供)
・教育関係者向けヘルプデスク

 7月以降に提供される教材キットは以下のとおり。

・Wi-Fiモジュール
・Pepperとmicro:bitを連携させたプログラミング用の教師用指導書、学習指導案、児童/生徒用ワークシート

 試験的に導入した玉川学園中学部 理科主任の田原剛二郎氏は、micro:bitの魅力を2点あげているが、1つは「子どもたちが直感的にイメージしたものをプログラムしやすくすること」。micro:bitはエラーが出にくいためプログラミングしやすく、成功体験がしやすいのだという。

 2つめは、「実際に光らせたり、音を鳴らしたり、バーチャルだけでなく、リアルな反応が確認できること」。自分でプログラムした結果を実際に見て、聞くことができる点である。また、Pepperに関しては「いるだけで子どもたちをひきつける、これだけの教材はなかなかないと思います」とし、今回の教材について、「より身近なところでプログラミングが重要な役割をしていることに、気付きやすいと思います」と語っている。

 また、micro:bit教育財団 Asia pacific代表のWaris Candra氏は、「日本中の学校現場でPepperを活用したIoT体験を提供できるのをとても楽しみにしています」とのメッセージとともに、全世界で利用されているmicro:bitは、「デジタル創造力を促進したいという想いのもと誕生した。クリエーターとして成長してほしいと願っています」と語った。

micro:bitのセンサー、Pepperのコミュニケーション力で問題解決を図る



 Pepperは、会話ができ、手を上げたり下げたり動きまわったりすることができ、胸元の画面でテキストや画像などを表示できる。一方、micro:bitにはセンサーがあり、LEDで光ったり、スピーカーを通して音を出したりできる。こうした特徴をもつ2つをインターネットでつなげることで、身近な問題を解決するプログラムを作ることが、想定される授業内容だ。

 説明会では、どのようなプログラムが考えられるかについて、デモンストレーションが行われた。最初は、学校での登下校をイメージした際、1番に登校してきた生徒にPepperが「おはようございます。1番のり~、早起きは三文の徳っていいますからね。きっといいことがありますよ」と声をかけるデモが紹介された。micro:bitが登校してきた生徒を感知して、Pepperがおはようと声をかけるプログラムだ。また、時間情報と突き合わせることで、遅刻した生徒にはPepperが「遅刻ですよ。でも廊下は走らないでね」と注意したり、micro:bitが温度を感知して、Pepperが「無理をしないで」と声をかけたりといったプログラムも可能となる。

 また、お店を想定したデモでは、micro:bitがガムやチョコレートといった商品を感知し、Pepperが「ガムとチョコレートで270円です。お支払いは電子マネーでよろしいですか?」と接客する場面が紹介された。

 最後のデモは、北海道の生徒と九州の生徒とがmicro:bitでメッセージを送り合い、Pepperがそれを受信して気持ちを伝える方法。表現力のあるPepperだからこその内容だった。

 こうした子どもたちにとって身近に感じられる問題を解決するために、micro:bitのさまざまなセンサーと組み合わせてプログラミングを行い、Pepperがコミュニケーションをとるプログラムを作成していくことが授業イメージとなる。

全国でコンテスト実施



 これまでにも、Pepper社会貢献プログラムの学習成果を発表するコンテストが開催され、金賞受賞者にはアメリカのシリコンバレー視察が授与されてきたが、「IoTチャレンジ」も全国コンテストを汐留で展開する予定だ。

 Pepper社会貢献プログラムの学習成果発表会では、大人たちが思いつかないようなアイデアが発表されてきたという。たとえば、Pepperは中国語、英語、日本語が話せるが、それに加えて韓国語を話させるプログラミングを考えた子どもがいたそうだ。また、体育をPepperが教えるというものもあり、驚かせたそうだ。IoTチャレンジの発表会についてはまだ日程は発表されていないが、どのようなアイデアが出てくるのか、子どもたちの溢れる創造性が育まれることを期待したい。
《渡邊淳子》

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