知って得するスキルアップの公的支援…セカンドキャリアを考えるママの基礎知識

 育児に忙しくても働いていたい、前職のスキルを生かしたい、新たなスキルを身に付けたい、などママの悩みはさまざま。変化していく働き方に備えて、スキルアップの公的支援を知って賢く活用しよう。

生活・健康 保護者
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 平成27(2015)年に実施した国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(*1)によると「出産後に退職」している母親は46.9%にもなる。
*1「第15回出生動向基本調査」第II部 夫婦調査の結果概要 4.子育ての状況 より

 しかし、育児に家事に忙しくても働きたいというママ、前職経験を生かしたい、新たなスキルを身に付けて働きたいというママなど、悩めるママたちはどのように再就職をしていけばよいのだろうか。そこで、新たなセカンドキャリアをスタートしたいママが活用できる、スキルアップのための公的支援を紹介する。

「パート労働ポータルサイト」で自分に合った働き方・スタイルを探す



 出産後に再就職でいきなり正社員として働くのが不安という話はよく聞く。そこで、まずはパートタイムなどの短時間労働で働いてみてはどうだろうか。パートタイム労働者にも、さまざまな働き方やキャリアアップ、スキルアップのやり方がある。

 厚生労働省の「 パート労働ポータルサイト」の中に、「パート労働キャリアアップ支援サイト」がある。ここでは、パートタイム労働者のスキルを伸ばし、活躍の場を広げることを目的に、パートタイム労働者がスキルアップやキャリアアップした事例の紹介や、パートタイム労働者向けセミナーの配信、メールによるキャリア相談の実施など、パートタイム労働者のスキルアップなどに役立つ各種情報を掲載している。

 パートタイム労働で活躍している方々の事例を参考に、自分自身に合った働き方などを考えることができる。

「地域若者サポートステーション」を利用し就労に向けた支援を受ける



 「 地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)」は、

「働きたいけど、自信がもてず一歩を踏み出せない…」
「働きたいけど、人間関係のつまずきで退職後、ブランクが長くなってしまった…」

 など働くことに悩みを抱えている15歳~39歳を対象に、

・キャリアコンサルタントなどへの専門的な相談
・コミュニケーション訓練などによるステップアップ
・協力企業への就労体験

 といった就労に向けた支援を行っている。「身近に相談できる機関」として、全国の方が利用しやすいように、すべての都道府県に必ず設置されている。

「教育訓練給付金」を使って資格取得&スキルアップ



 「教育訓練給付金」には、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」の2種類がある。

・「一般教育訓練給付金」とは

  厚生労働大臣の指定する教育訓練(比較的安易に受講できる教育訓練)を受講し修了した場合に支給。
 例)Microsoft Office Specialistなどの情報関係、TOEICなどの語学関係、税理士などの資格関係、宅地建物取引士などのサービス関係の講座 ほか

・「専門実践教育訓練給付金」とは

 厚生労働大臣の指定する教育訓練(専門性が高く長期間にわたるような教育訓練)を受講し修了した場合に支給。
 例)看護師、介護福祉士、歯科衛生士、美容師、調理師の講座 ほか

(1)支給対象者とは

・「一般教育訓練給付金」の対象者

【在職者】受講開始日現在で雇用保険に加入している期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること

【退職者】退職者された方は、退職日の翌日から受講開始日までが1年以内(妊娠・出産等の事情がある場合など適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること

※在職者、退職者ともに前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることが必要

・「専門実践教育訓練給付金」の対象者

【在職者】受講開始日現在で雇用保険に加入している期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、2年以上)あること

【退職者】退職者された方は、退職日の翌日から受講開始日までが1年以内(妊娠・出産等の事情がある場合など適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること

※在職者、退職者ともに前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることが必要

(2)支給額について

・「一般教育訓練給付金」の支給額

 教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額
(ただし、その額が10万円を超える場合は10万円が上限。4千円を超えない場合は支給されない。)

・「専門実践教育訓練給付金」の支給額

 教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%に相当する額
(ただし、その額が1年間で40万円を超える場合の支給額は40万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で120万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されない。)

・追加支給

 専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に会社に雇用された方またはすでに雇用されている方(雇用保険に加入)に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給。

 →すでに給付された訓練経費の50%と追加給付20%を合わせた70%に相当する額が支給されることとなる。ただし、その額が168万円を超える場合の支給額は168万円(訓練期間が3年の場合、2年の場合は112万円、1年の場合は56万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されない。

(3)45歳未満であれば「教育訓練支援給付金」も対象に

 退職後に専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を初めて受講する方で、受講開始時に45歳未満や失業状態にある場合など一定の要件を満たす方に支給(平成34年3月31日までの時限措置)。

 教育訓練期間中の所得補償となる給付金として支給されるため、金額は対象日1日につき、雇用保険の失業手当日額の80%に相当額が支給される。

「ハロートレーニング」を使って再就職のためにスキルアップ



 ハロートレーニングは、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを習得することができる公的な制度。トレーニングコースとして、事務系をはじめとして、IT、建設・製造、サービス、介護、デザイン、理美容のように多種多様な訓練分野である。また、住宅リフォーム、OAシステム開発、Web 設計、3DCAD 等の昨今の時代のニーズに即したコースや女性向けコース等も設定している。第一種電気工事士、宅地建物取引士、介護職員初任者研修等の資格取得をめざすコースもある

(1)トレーニング対象者とは

 働こうとする方、働く方すべてが対象。これから就職を目指す方であれば、失業中だけでなく、働きたいのにキャリアが少ないなどの状況は問わない。

(2)受講費用について

 公的な制度のため、受講料は基本的に無料。
 ※一部テキスト代等は自己負担となる。
 ※在職者や学卒者を対象としたハロートレーニングは有料となる。

 全国で年間約30万人が受講しており、その7割以上が女性。子育て中でも安心して講座を受講できるよう託児サービス付きの講座も用意されている。

 また、公共職業訓練では、約8割の受講生が就職しており、最寄りのハローワークへ相談するとハロートレーニングを受講申し込みができる。

 今後、働き方は変化していくことが予想される。このように、いろいろなサイトや制度があるので、国のスキルアップ公的支援を上手に活用して、自分自身の理想の働き方を見つけたり、育児中や育児後の転職・再就職に備えてみてはいかがだろうか。

高橋 豊
ゆたか社会保険労務士事務所 代表
大学卒業後、中堅企業にて労働関係法規や社会保険関係法規等に絡む業務、社内研修などの企画立案・実施、新卒採用などの人材採用・人事を経験。社会保険労務士事務所開業後は、企業に対して「人材がやめない企業づくり」をモットーに各種制度提案、就業規則等の作成、退職金制度設計、助成金申請などを行い、個人に対しては、遺族年金・障害年金等の複雑な年金請求のサポートを行っている。また、大学や短大でキャリア教育講座の講師を務めており、学生の就職活動支援なども行っている。
<保有資格> 社会保険労務士、宅地建物取引士、管理業務主任者
・愛知県雇用労働相談センター 相談員
・愛知県医療勤務環境改善支援センター 相談員

《リセマム》

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