医学部合格までの準備と費用、合格者の共通点とは? 河合塾に聞いた

 1992年に河合塾に新卒で入社以来、千葉、横浜、町田、横浜、麹町と進路指導を歴任し、現在は医進特化校舎である麹町校の校舎長として生徒たちの進路指導を行っている神本優氏。医学部を目指す生徒の共通点や親の心構え、入塾のタイミング、費用などについて聞いた。

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河合塾 麹町校 校舎長  神本優氏
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  • 河合塾 麹町校 自習スペースのようす
  • 河合塾 麹町校
 医学部を目指す生徒は、入試に向け、どのように準備を進めていくのか。保護者としては費用も気になるところだろう。長年にわたり医学部受験生たちを間近で見守り続けてきた、河合塾の医進特化校舎である麹町校の神本優校舎長に聞いた。

入塾学年・費用・受験校数



--医学部定員はここ数年増加傾向にありますが、志願者はいつから医師を目指し、受験対策を始めるのでしょうか。

 麹町校には中学3年生からコース設定があり、多くの私立中高一貫校の医学部志望の方が中3で入塾しています。一方で高校進学後に医師になりたいと決意する生徒もいて、高1・2生で入塾する生徒も多いです。首都圏はお医者さんのご家庭も多いので、早くから医師を目指す意識の高い生徒が集まっています。

--医学部進学のための平均的な塾費用を教えてください。

 河合塾の場合、中3生の英語が年間13万4,500円(90分授業)、数学は年間15万500円(120分授業)です。高1・2生の1講座当たりの学費は年間18万5千9百円(150分授業)が基本です。英語と数学を取るケースが多く、2講座とって年間37万1,800円という生徒がもっとも多いです。高3生になると多くの生徒が理科を追加します。英語・数学・理科2科目の受講で年間68万6,400円(180分授業)です。また、高卒生は授業時間が増え、年間74万5千円ほどかかります。

 夏期・冬期講習は平均20万円ほどです。河合塾はほかの医学部専門塾と比べると学費は低価格だと思います。
* 学費は4月入塾の場合。

--私立大と国公立大、何校くらい受験されるのでしょうか。

 私立専願もいますが、やはり国公立大を受験する生徒が多いです。私立大を10校以上受ける生徒もいれば、国公立大しか受けない生徒もいます。

医学部合格する生徒の共通点



--合格する生徒に共通点はありますか。

 生活リズムがしっかりしている生徒ですね。麹町校は午前8時に校舎を開けていますが、10分前には50人ほど並んでいることもあります。昨日は模擬試験があったのですが、早速今朝も朝一番に模試の復習方法について相談に来た生徒がいました。朝から勉強している生徒の多くは志望校合格を果たしています。

 やはり自己管理能力、弱い自分に打ち勝てるかどうかが大切です。志望校に合格するのは自分に厳しい人ばかりです。親に朝起こされているお子さんが多いと思いますが、やはり自分で起きて、自分で管理できないといけません。

--医学部合格を勝ち取るための心構えを教えてください。

 日々コツコツやることが大切です。模試の結果が悪くても「失敗が模試で良かった」と前向きに捉えて徹底的に復習することです。ミスが多いのは致命的。正確に答案作成力を高めていくことが大切です。ミスをしないことは医療の世界でも重要です。わずか0.1点差で東大理科三類に合格できなかった生徒もいます。ミスをせず、確実に点を取っていけるようにすることが合格へとつながります。
* センター試験の得点は900点満点で表しているが、東京大学ではセンター試験の得点は110点に圧縮され、二次試験の440点とあわせて550点満点で合否評価される。

河合塾 麹町校 自習スペースはオープンスペースのほか、個別ブース式自習室がある河合塾 麹町校 自習スペースはオープンスペースのほか、個別ブース式自習室がある

 ミスを指摘され「わかっていたのに」と言い訳をする生徒がいますが、学力の定着が浅いからミスが起こるのです。「たまたまミスしてしまった」としても試験で点数が取れなければ合格できません。なぜできなかったのかを分析し、反省して根気よく復習して、ミスを減らすことが必要です。

 また、今や多くの生徒がもっているスマートフォンの影響はとても大きいと考えます。自習中、自分からスマホの電源を切ることができる生徒は集中力が高まり、ミスを防げるようになると思います。

--親の関わり方についてアドバイスをお願いします。

 子どものリラックスした状態の一面だけを見て「勉強していない」と思い込まないほうが良いと思います。「勉強しなさい」と言いすぎると、子どもは信頼されていないと感じます。最近は、保護者の方が“中学受験の延長”のように関わっているケースが見受けられます。医学部受験は中学受験とは比較にならないので、お子さん自身が自己管理できるようにすることが重要です。と言っても、100人いたら100とおりです。完全な放任だと誘惑に負けてしまうこともあるでしょう。朝起きる時間と寝る時間など最低限のルールをご家族で決めて、受験に向けて自己管理できるように見守っていくことが親の役割だと思います。

--ありがとうございました。

 2018年度には医学部不正入試問題が明るみに出たことで、不安を感じた受験生も多くいたのではないだろうか。そうした状況にあっても、日々努力を続けている医学部志願者たち。その思いが叶うことを願わずにはいられない。

河合塾 麹町校
(取材協力:河合塾)
《編集部》

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