洗剤類を飲料用容器へ移し替え、事故リスク「知らない」約4割

 東京都生活文化局は2019年9月27日、洗剤類のつめ替えなどに伴う事故について注意喚起を行った。アンケートによると、回答者の39.2%が飲料用容器などへの移し替えによる事故のリスクを「知らなかった」と答えている。

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東京くらしWEB「洗剤類のつめ替え等に伴う事故が発生しています!~洗剤類のつめ替え、移し替えにおける安全性に関する調査を実施しました~」
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  • つめ替え用製品および本体の製品の購入状況
  • つめ替え時に着用する保護具等の種類および頻度
  • 食品や飲料用の空き容器への移し替えの経験
  • 食品や飲料用の空き容器への移し替えが事故につながる可能性であることの認知
  • つめ替え、移し替えの危害等経験の有無
 東京都生活文化局は2019年9月27日、洗剤類のつめ替えなどに伴う事故について注意喚起を行った。アンケートによると、回答者の39.2%が飲料用容器などへの移し替えによる事故のリスクを「知らなかった」と答えている。

 容器の再利用の促進や経済的であることから、さまざまなつめ替え製品が普及している。日常的に使用される洗剤類は、つめ替え用製品として身近なもののひとつとなっている一方で、「開封時に洗剤がはねて目に入った」「アルカリ性洗剤を入れた飲料用アルミ缶が突然破裂してやけどを負った」など、つめ替えや移し替えに伴う事故も発生しているという。

 東京都では、洗剤類のつめ替え等に係る事故を未然に防止する観点から消費者アンケートと、試験による調査を実施。アンケートは、自宅で使用するために洗剤類のつめ替え用製品を直近1年以内に購入した20歳以上の都内在住者を対象とし、2019年1月22日から25日の調査期間で1,700人が回答した。なお、調査における「つめ替え」とは、つめ替え用製品の中身をその製品の本体の容器に入れること、「移し替え」とは、その製品の本体の容器とは異なる別の容器に入れることを示す。

 洗剤類のつめ替え製品がある場合、回答者の49.4%が「ほぼ毎回、つめ替え用製品を購入」、41.2%が「どちらかといえば、つめ替え用製品を購入することが多い」と回答。洗剤類をつめ替えるときに着用している保護具等の種類や頻度を尋ねると、「ゴム手袋」「マスク」「保護メガネ・ゴーグル」のいずれも、7割以上が「まったく着用していない」と答えた。

 また、洗剤類を空のペットボトルやアルミ缶など、食品や飲料用の容器へ移し替えた経験について、「経験はない」80.2%がもっとも多かったが、「経験がある」が14.4%、「経験があるかないか覚えていない」が5.4%を占めている。アンケート回答者の39.2%は、「食品や飲料用の容器への移し替えが、誤飲や容器変形など事故につながる可能性があること」を知らなかった

 つめ替えまたは移し替え時に危害や危害等経験の有無について質問すると、2.7%は「けがをして病院へいった」「けがをしたが病院へは行かなかった」、6.6%は「けがをしそうになった、またはけがをしなかったが製品の事故が起きた」と回答。具体的には「こぼす」に関係する事例がもっとも多く、こぼれた洗剤で転びそうになった事例がみられた。そのほか、「はねて目に入りそうになった」「開封時に容器で指を切った」「類似容器に移し替えてからスプレーをしたら霧状に噴霧され吸いこんだ」「ペットボトルに入れておいたら誤飲した」などの事例もあったという。

 都が行った試験では、つめ替え用製品の開封やつめ替えの再現実験、移し替えの再現として市販スプレー容器などに入れて使用した実験、アルミボトル片と洗剤類との反応の観察を実施。あわせて注意事項などの表示調査を実施している。市販のスプレー容器に移し替えて噴出すると、本体製品で噴出した場合よりも拡散範囲が広くなったり、噴霧にムラができたりするようすが観察されたほか、洗剤類がアルミボトル切片と反応し、発泡や変色が観察されたという。

 消費費者に向けて、「開封するときは切り口や角で指を切ってしまう事例があるので、取扱いに注意すること」「注意事項に従い本体製品の容器につめ替えること」「開封やつめ替えのときに洗剤がはねて目に入らないように眼鏡などを使用すること」などをアドバイスしている。

 また、安全な製品の開発・普及等についての取組みをさらに強化するなど、洗剤類のつめ替えおよび移し替えにおける事故防止に向けた安全対策を推進するため、製造事業者団体、販売事業者団体、国などへ要望・情報提供を行うとした。
《黄金崎綾乃》

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