親も知っておきたい「入試のキホン」大学入試は4種類?

数十年前まで、大学入試といえばシンプルな学力試験が主流。現在はAO入試や自己推薦入試など、受験生の能力を多角的に評価する入試を実施する大学が増えている。多様化に伴い、「複雑すぎてわかりづらい」と感じる人も多いだろう。

教育・受験 高校生
入試別入学者割合の変化
  • 入試別入学者割合の変化
  • センター試験
  • 傾斜配点とは
 数十年前まで、大学入試といえばシンプルな学力試験が主流。現在はAO入試や自己推薦入試など、受験生の能力を多角的に評価する入試を実施する大学が増えている。多様化に伴い、「複雑すぎてわかりづらい」と感じる人も多いだろう。

 この記事ではアローコーポレーション企画・編集・発行「大学選びの新常識 2019年度版」より、高校生・受験生の親なら押さえておきたい「入試のキホン」を紹介する。

入試の全容理解が合格への第一歩



 保護者が受験生だった頃の大学入試といえば、シンプルな学力試験が主流でしたが、現在はAO入試に代表されるような、受験生の能力を多角的に評価する入試を実施する大学が増えています。つまり、受験生は学力勝負では手の届かなかった大学でも、得意分野を活かして合格を勝ち取れる可能性が出てきたことになります。多様化に伴い、保護者からは「複雑すぎてわかりづらい」という声も聞こえてきますが、実は一つ一つ丁寧に見ていけば、意外と単純なものです。ここで基本をしっかり抑え、試験ごとの特徴とメリット・デメリットを把握した上で、いつまでに何をすればいいのか、合格へのロードマップを描けるようになりましょう。大学受験という人生を左右するような壁を前に大きなプレッシャーを抱える受験生。その負担を減らし、有利な戦い方ができるよう、指針を示してあげましょう。

大学入試は大別すれば4種類



 大学入試は大別すれば4種類。ポイントを見極め、自分にフィットした試験がどれかを検討しましょう。 

一般入試



--いわゆる「大学入試」 大学独自の学力試験

 一般入試は、大学が独自に作成した学力試験で合否を判定するもので、保護者世代がイメージする大学入試といえばこの形式です。国公立大学は、全国共通問題のセンター試験と、大学の独自問題で行う2次試験の2本立てです。センター試験で5~6教科、2次試験で3~4教科を課されるのが一般的です。私立大学は独自問題の一本勝負。一般的なのは文系なら国・英・地歴公民または数学、理系なら英・数・理(物・化・ 生)の3教科です。記述式かマークシートかなど、出題形式や傾向はさまざま。中には特定科目の配点比率を高くし、得意科目のある受験生に有利に働く「傾斜配点」や、小論文を採用する大学もあります。

傾斜配点とは
--複数の日程や場所で実施 受験のチャンスが広がる

 一般入試は、同じ大学・学部の試験を複数の日程で受けられたり、一度の受験で複数学部・学科を併願できたり、受験チャンスが多いのも特徴です。一部の大学では入試ピーク後に出願できる「後期試験」、「3月入試」を実施していることもあります。遠方の大学を志望する場合は、「学外試験場」の有無を確認しておきましょう。都内の大学でも札幌、仙台、名古屋、福岡など地方都市で試験を行うケースが増えています。体力的・金銭的負担が軽減されれば、それだけ可能性も広がるはずです。

センター試験・センター試験利用入試



--10月上旬の出願までに 必要科目のチェックを

 国公立大学の一次試験としておなじみのセンター試験。高校の基礎レベルの到達度を測れるので、現在では私立大学の入試にも活用されています。毎年、1月中旬の土日に全国一斉で行われ、2019年度は1月19日、 20日の実施が予定されています。6教科科目(表参照)で、全科目マークシート方式。問題数が多いので、基礎レベルを手早く解いていく訓練が必要です。10月上旬の出願時に科目登録もするので、前もって志望校・学部を決め、必要な受験科目を絞り込んでおきましょう。その後に一度だけ訂正のチャンスがありますが、受験は早めの行動が鉄則です。

センター試験
--全国一斉で併願もできる 負担の少ない入試

 私立大学の場合は、各大学の「センター試験利用入試」に出願します。出願時期は、センター試験前もあれば後もあるなど大学ごとにばらつきがありますから、あらかじめ確認しておきましょう。また一部に、個別の学力試験を併用する大学もあるので注意しましょう。遠方の大学でも地元で受験でき、また一 度の試験で複数大学・学部に併願できるの がメリットです。その反面、志願者数が多 く合格ラインは高くなる傾向があります。

推薦入試



--主に公募制と指定校の2つ いずれも高成績が必須

 推薦入試は、高校の定めた基準をクリアし、推薦をもらうことが出願条件の「学校推薦」と、学校の推薦が不要な「自己推薦」があります。さらに学校推薦には、「公募制推薦」と「指定校推薦」の2種類があります。公募制推薦はどこの大学でも受けられるのに対して、指定校推薦は大学側から指定された高校の生徒しか出願できません。学校推薦の権利を得るには、高校3年間を通して評定平均などで高い成績を修めることが必要です。推薦を狙うなら1年生から授業や定期テストにしっかり取り組みましょう。自己推薦は、学校の推薦がないぶん、面接でしっかりアピールできるよう準備する必要があります。

--3年間の努力と実績を 自分の言葉で伝える

 試験は書類審査や小論文、面接形式が一般的です。高校3年間の努力と実績を志望動機に絡め、自分の言葉で表現できるように練習しておきましょう。推薦入試の募集が出始めるのは6月頃で、10月下旬に出願、11月初旬に試験というのが一般的な流れです。12月頃には合格発表があるので、落ち着いて入学準備を進められます。

AO入試



--大学の方針との相性が合否の鍵 準備のスタートは余裕をもって

 AO入試は、大学が求める学生像に合致した人物を採用する試験です。学力試験では拾いきれない受験生の素質や意欲を評価できる試験として、多くの私立大学や国公立大学で実施しています。高校の推薦は必要なく、書類審査や面接、小論文、グループディスカッションなど、大学それぞれの試験が課されます。しかし、方式にかかわらず大学の方針をよく研究し、自分の学習目標を具体化しておくという点は同じです。早ければ8月頃、遅いと1月頃となり、出願時期は大学によってばらつきがあります。中には選考にじっくり時間をかける大学もあります。その結果、不合格ということもあるので一般入試の準備と並行して取り組まなければならず、負担増が見込まれます。一時期は、学力試験の逃げ道といわれたこともありますが、決して楽な道ではありません。大学との相性が合否を左右するので、大学選びの重要度が高い試験です。説明会やオープンキャンパスには必ず参加して情報を集めましょう。準備に時間がかかる割に、選考開始が早いのでのんびりとはしていられません。他の試験よりも早めのスタートを切りましょう。

入試別入学者割合の変化

高校生・受験生のお母さんお助けBOOK 大学選びの新常識 2019年度版 (講談社 Mook(J))

発行:講談社
編集:アローコーポレーション
 はじめての大学進学を控えた高校生と保護者の方々へ――。志望校選びのタイミングだけでなく、大学進学を前にした様々な場面で必要となる「考え方」や「基礎的知識」を知ることのできる一冊です。日々進化を続ける大学の取り組みやその特徴も数多く紹介。自ら進む道を見つけるために、我が子をより確かな未来へと導く道を見つけるために、数多くの大学の紹介からきっと志望に合う一校を選ぶことができるはずです。
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<協力:アローコーポレーション>
《編集部》

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