東京都のSNS教育相談、上半期は52.3%が中学生からの相談

 東京都教育委員会は2019年11月28日、2019年度上半期におけるSNSを活用した教育相談の実施状況を公表した。2018年度の試行実施より相談対象・期間・時間を拡大しており、上半期の相談件数は2,120件(1日平均11.6件)だった。半数以上が中学生からの相談となっている。

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2019年度 SNSを活用した教育相談(上半期)の実施状況について
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 東京都教育委員会は2019年11月28日、2019年度上半期におけるSNSを活用した教育相談の実施状況を公表した。2018年度の試行実施より相談対象・期間・時間を拡大しており、上半期の相談件数は2,120件(1日平均11.6件)だった。半数以上が中学生からの相談となっている。

 東京都は2018年度、都立高校生などを対象に無料通話・メールアプリ(LINE)を活用したSNS教育相談を試行実施。8月25日~9月7日の2週間で、315件(1日平均22.5件)の相談があったという。2019年度はさらに効果を上げるため、相談対象・相談期間・相談時間を拡大。都内国公私立在学の中学生・高校生約64万人を対象に、2019年4月より通年(土日を含む)で実施。午後5時から午後10時まで(最終受付は午後9時30分)相談を受け付けている。また、通常の回線数(5回線)より回線数を増強する期間として、第1期(4月1日~5月31日の2か月間)、第2期(8月20日~9月15日の27日間)、第3期(1月4日~18日の15日間)を設けている。

 2019年度上半期の実施状況について、4月1日の登録数(他局分を含む)は1,753人だったが、9月30日には1万3,118人に増加。相談件数は2,120人で1日平均11.6件、平均相談時間は1件あたり41分だった。校種別の割合は、「中学校」52.3%(1,109人)、「高校・高専」29.7%(630人)、「特別支援学校」0.2%(5人)、「不明」16.0%(340人)など。学年別の相談人数では、中学校と高校・高専のいずれも1年生がもっとも多い

 1人あたりの相談回数は、「1回」69.9%がもっとも多く、「2回」16.5%、「3回」5.7%、「4回以上」7.9%だった。時間帯別のアクセス状況を見ると、「午後5時台」が573人、「午後6時台」が443人、「午後7時台」が433人、「午後8時台」が419人、「午後9時台」が252人。おもな主訴の概要によると、「友人関係(いじめを除く)」533件、「学業不振」121件、「家族関係」116件、「心身の健康等」104件などが多い。そのほか、「無応答」209件、生活習慣や相談の問合せ、生活上のトラブルなどをあわせた「その他」562件がある。

 東京都教育委員会は今回の成果について、相談対象の拡大により、中学生から多くの相談を寄せられていること、通年実施により、時期を問わず相談が寄せられていることをあげている。一方、SNSでの丁寧なやり取りを通して、相談者に対し、身近な大人や外部の相談窓口に直接相談するよう促し、具体的な支援につなげることを課題とした。
《黄金崎綾乃》

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