小学校英語指導者の資格取得者「地域人材」活躍は1割未満

 語学教育専門研究機関「アルク教育総合研究所」は、調査レポート「J-SHINE資格取得者の就業・指導実態-J-SHINE資格取得者を取り巻く現状と展望-」を小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)と協同で2019年12月9日に発表した。

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資格取得者の何割が小学生以下の子どもに英語を教えているか
  • 資格取得者の何割が小学生以下の子どもに英語を教えているか
  • 小学校での活動は有償か、無償か
  • 指導以外の業務に対する給与
 語学教育専門研究機関「アルク教育総合研究所」は、調査レポート「J-SHINE資格取得者の就業・指導実態-J-SHINE資格取得者を取り巻く現状と展望-」を小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)と協同で2019年12月9日に発表した。同資格保持者が、現在「地域人材」として教えているのは全体の7.1%と1割に届かない実態が明らかになった。

 J-SHINEは、2003年に設立されたNPO法人で、小学校における英語指導者の資格認定を行っており、2019年9月時点で認定された資格者は40,000人超に上る。2020年度より始まる小学校高学年からの英語学習の教科化により、英語指導に関する経験がなく、指導経験不足から不安に感じる学級担任をサポートできる人材を排出している。

 今回の調査では、同資格者の小学校での指導率や、今後ニーズが増えた場合、指導可能な人材がどれくらいいるのかといった点について調べた。同資格取得者の68.9%がこれまでに何らかの形で小学生以下の子どもに英語を教えた経験があると答えており、7割近くが経験があることがわかった。

 一方、現在「地域人材」として小学校で教えていると答えたのは全体の7.1%と1割に満たず、活躍の場が多くない現状が明らかになった。地域人材の77%が月給または時給での有償雇用をされており、一定のニーズがあることがうかがえる結果となった。

 また、「給与が低い(または無償)」「一緒に指導を担当する教員との打ち合わせ時間が取れない」「雇用が不安定である」などの待遇に不満を感じている人が多く、給与に関して、時給制で教えている人は、授業準備など指導時間以外に行う業務に対する報酬が別途支払われていない(時給に含まれている、もしくは業務自体が考慮されていないと思われる)ケースも多々見られることが判明した。

 同調査対象は、J-SHINE事務局の2019年5月末時点での資格保持者から1万2,840人を無作為に抽出したもので、調査はインターネット上で実施。調査期間は2019年6月19日~30日の12日間で、1,980人から回答を得た。
《田邊良恵》

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