子どもの読書、習慣化は未就学児から…文章を書くこととの関係は?

 小中高生の半数以上が習慣的に読書をしており、未就学児から習慣化していることが、栄光ゼミナールの調査から明らかになった。また、本を読む際の手段は紙媒体が主流。読書が好きな子どもは文章を書くことも好きな傾向にあった。

趣味・娯楽 小学生
(左)子どもは習慣的に読書をしているか、(右)子どもは現在、どのくらいのペースで読書をしているか
  • (左)子どもは習慣的に読書をしているか、(右)子どもは現在、どのくらいのペースで読書をしているか
  • 子どもはいつから習慣的に読書をしているか
  • 子どもが、習慣的に読書をしていない理由は何か
  • 子どもが本を手に取るきっかけとなっていることは何か
  • 子どもが本を読む際、どのような手段で本を読んでいるか
  • 読書と文章の相関
  • 習慣的に読書をすることで、子どもにどのような良い影響があると思うか
 小中高生の半数以上が習慣的に読書をしており、未就学児から習慣化していることが、栄光ゼミナールの調査から明らかになった。また、本を読む際の手段は紙媒体が主流。読書が好きな子どもは文章を書くことも好きな傾向にあった。

 小中高生の読書に関する実態調査は、小学1年生~高校3年生の子どもを持つ栄光モニター会員の保護者を対象に行われたもの。調査期間は2019年12月11日~25日、有効回答は759人(小学生380人・中高生379人)。

 子どもが「習慣的に読書をしている」と回答した保護者は、小学生で59.5%、中高生で52.8%。習慣的に読書をしていると答えた保護者に、どのくらいのペースで読書をしているかを聞くと、小学生は「毎日」48.4%、中高生は「週に数回程度」49.5%がもっとも多かった。

 いつから習慣的な読書をしているかを質問すると、小学生の52.0%、中高生の45.0%が「小学校入学前から」と回答。多くの家庭で、幼児期の読み聞かせに取り組んでいたという。

 一方、習慣的に読書をしていないと答えた保護者に理由を聞いたところ、小学生は「習い事や部活などで忙しく、読書の時間がとれない」55.8%、中高生は「マンガやテレビ、ゲームなど、ほかのことに興味・関心が高い」50.6%がもっとも多かった。

 子どもが本を手に取るきっかけとなっていることでは、「書店や図書館、学校の図書室などで目にとまる」がもっとも多く、小学生で70.2%、中高生で45.4%にのぼった。中高生では「映画やドラマなどの原作になっている」も35.6%と比較的高い割合。本を読む際の手段では、「紙媒体で読む」が小学生で100.0%、中高生で97.8%。主流は紙媒体だが、中高生の9.0%は「スマートフォンで読む」と回答している。

 そのほか、読書の好き・嫌いと文章を書くことの好き・嫌いの関係性を調査。読書好きな小学生の49.9%は「文章を書くのは好き(どちらかといえば好きを含む)」と答えているが、読書が好きではない小学生では18.2%にとどまった。中高生も同様の傾向にあり、「文章を書くのは好き」と答えた割合は、読書好きで54.3%、読書が好きではないで11.4%。読書が好きな子どものほうが、文章で表現することが好きになりやすい傾向がみられた。

 習慣的に読書をすることで子どもにどのような影響があるかを聞くと、小学生は「新たな知識を得ることができる」76.8%、中高生は「語彙が増える」77.7%がもっとも多い。そのほか、小学生・中高生ともに「読解力が向上する」も7割以上となっている。「記述力が向上する」は小学生31.1%に対し、中高生は44.1%となり、小学生と中高生で差がみられた。

 栄光ゼミナールによると、読書がもたらす良い影響として、小学生の保護者は新たな知識や感受性など「人間的な成長」を期待し、中高生では語彙力や読解力、記述力など「より勉強や入試に活用できる効果」を期待しているという。

 調査ではそのほか、子どもが読書好きになる、または読書が習慣化するために、工夫していることやお勧めの方法などを自由回答方式で質問。本に触れるきっかけづくりでは「買い物のついでに本屋さんに寄り、どんな本が売れているのか子どもと一緒に見たりしている」、本選びでは「子どもが好きそうな本(マンガやライトノベルでも)を図書館から借りておいて、目の付きそうなところにさりげなく置いておく」、家庭でのコミュニケーションでは「子どもが面白いといった本は、親も読んでみて感想を言い合っている」などの回答があがっていた。
《黄金崎綾乃》

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