THE大学インパクトランキング2020、国内1位は北大

 イギリスの高等教育専門誌Times Higher Education(THE:ティー・エイチ・イー)は2020年4月22日、「THE大学インパクトランキング2020」を発表した。総合ランキング1位はニュージーランドのオークランド大学、日本国内1位は北海道大学だった。

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THE Impact Rankings 2020: the top 10
  • THE Impact Rankings 2020: the top 10
  • THE大学インパクトランキング2020(日本の大学)
  • THE大学インパクトランキング2020
 イギリスの高等教育専門誌Times Higher Education(THE:ティー・エイチ・イー)は2020年4月22日、「THE大学インパクトランキング2020」を発表した。総合ランキング1位はニュージーランドのオークランド大学、日本国内1位は北海道大学だった。

 THE大学インパクトランキングは、大学の社会貢献の取組みを国連のSDGs(エスディジーズ)の枠組みを使って可視化したもの。ランキングでは、気候変動に対する活動やジェンダーの平等、健康と福祉など、大学がもたらす社会的・経済的インパクトの尺度をSDGsが掲げる17の目標(ゴール)に合わせて設定し、ランキングの基準としている。

 2回目となる今回は「SDG1:貧困」「SDG2:飢餓」「SDG6:水・衛生」「SDG7:エネルギー」「SDG14:海の豊かさ」「SDG15:陸の豊かさ」が追加され、SDGsの17項目すべてで参加できるようになった。参加大学は前年より297多い857大学にのぼり、766大学が総合ランキングの対象になった。日本からは世界最多の72大学(前年は63大学)が参加した。

 総合ランキングの1位は前年と同じ「オークランド大学」(ニュージーランド)。2位「シドニー大学」(オーストラリア、前年25位)、3位「西シドニー大学」(オーストラリア、前年11位)、4位「ラ・トローブ大学」(オーストラリア、初ランクイン)、5位「アリゾナ州立大学」(アメリカ、前年35位タイ)と続き、4位までをオセアニア勢が独占。上位に並ぶ大学・国は、研究重視の世界大学ランキングとは大きく異なる。

 日本国内では、北海道大学の76位(前年101-200位)が最上位。続いて東京大学が77位(前年52位)、東北大学が97位(初ランクイン)で、3大学がトップ100に入った。総合ランキングの対象となった766大学のうち63大学が日本の大学で、日本の大学はエントリー数がもっとも多かった。

 SDG別に見ると、17項目中、トップ100に入った日本の大学がもっとも多いのは「SDG2:飢餓」で、10位の北海道大学はじめ11校あった。THEチーフデータオフィサーのダンカン・ロス氏は、日本のような先進国で飢餓問題に取り組む大学が多いことについて「非常に興味深い」とコメント。その要因として「農業との継続的で強い連携、健全で持続可能な食料源の選定」などをあげている。

◆THE大学インパクトランキング2020
1位:オークランド大学(ニュージーランド)
2位:シドニー大学(オーストラリア)
3位:西シドニー大学(オーストラリア)
4位:ラ・トローブ大学(オーストラリア)
5位:アリゾナ州立大学(アメリカ)
6位:ボローニャ大学(イタリア)
7位:ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)
8位:マンチェスター大学(イギリス)
9位:キングス・カレッジ・ロンドン(イギリス)
10位:ロイヤルメルボルン工科大学(オーストラリア)

◆THE大学インパクトランキング2020(日本の大学)
76位:北海道大学
77位:東京大学
97位:東北大学
101-200位:広島大学
101-200位:京都大学
101-200位:立命館大学
101-200位:筑波大学
101-200位:早稲田大学
201-300位:名古屋大学
201-300位:名古屋市立大学
《工藤めぐみ》

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