【大学受験2021】筑波大「総合選抜」導入…学群・学類より幅広い区分で選抜

 筑波大学は、2021年(令和3年)度の一般選抜・前期日程に「総合選抜」を導入する。大学のWebサイトでは募集要項を掲載するほか、新しい学群となる「総合学域群」の特徴や「総合選抜」について詳細を公開している。

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筑波大学 総合学域群
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 筑波大学は、2021年(令和3年)度の一般選抜・前期日程に「総合選抜」を導入する。大学のWebサイトでは募集要項を掲載するほか、新しい学群となる「総合学域群」の特徴や「総合選抜」について詳細を公開している。

 筑波大学は、国が進める高校教育、大学教育、それをつなぐ大学入試の一体的な改革(高大接続改革)に呼応して、新たな教育と入試のシステムを構築している。これまでの筑波大学の入試は出願時に学類・専門学群を決める方式だったが、2021年(令和3年)の入試から前期日程の募集人員のうち約3割を、総合選抜として実施する。総合選抜では、「文系」「理系I」「理系II」「理系III」という、学群・学類よりも幅広い区分で選抜する。理系のうち、物理学の素養を必須とするのが理系I、特定の分野にとらわれないのが理系II、数学に重点を置くのが理系IIIとなっている。

 総合選抜による入学者は、2年次に学類や専門学群に移行するまでの間、「総合学域群」に所属。総合学域群の学生は、総合科目、外国語、情報などの共通科目と、学類・専門学群が開設する専門導入科目を中心に履修する。新たな総合智教育において、筑波大学のすべての学生は、文系、理系にとらわれずじっくり学んだ後に自らの専門に進む仕組みになっているが、その理念を特に具体化したのが総合学域群となる。

 総合学域群では1年次の3月に、2年次以降に所属する学類・専門学群が決まる。移行先は、学生が設定する志望順位と、学類・専門学群ごとに設定される受入順位の組み合わせによって決定。文系、理系といった入試の際の選抜区分に関わらず、総合学域群からは、体育専門学群を除くどの学類・専門学群にも移行する道がある。文系から理系へ、理系から文系へ、理系のある分野から別の分野へと、入試の選抜区分に縛られず進路を選択することが可能となる。

 学生が志望できる学類・専門学群の数に制限はないが、志望先によって指定科目の履修が必要となる場合がある。各学類・専門学群の受入順位は、各学生が履修した科目の成績を総合した成績点と、英語外部試験や適性試験といった成績点以外の要素も加味して決定される。また、特定の選抜区分で入学した学生を優先して受け入れる学類もある。

 総合学域群の学生は、クラス担任教員による学生生活面の支援だけでなく、アカデミックサポートセンターによる修学支援を受けられる。アカデミックサポートセンターでは、各学類・専門学群から1人ずつ選出されているアカデミックアドバイザーの教員をはじめとする教職員が、学生ひとりひとりの履修計画や進路選択をサポート。総合学域群は、修学支援を行うことを通じて、学生が幅広い学問分野から自らの専門分野を選択するとともに、キャリアを主体的に切り拓く力の涵養に資することを教育上の目的としている。

 筑波大学のWebサイトでは11月2日に募集要項を公開した。総合選抜の募集人員は、「文系」128人、「理系I」154人、「理系II」41人、「理系III」90人。詳細はWebサイトで確認できる。
《田中志実》

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