徹底した英語習得メソッドで本気留学を実現、ワオ高校2021年度開校

 2021年4月に開校予定の「ワオ高等学校」は、多様な進路を実現するためのオプションプログラムが充実している。今回は「高校留学・海外大学進学支援プログラム」について聞いた。

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徹底した英語習得メソッドで本気留学を実現、ワオ高校2021年度開校
  • 徹底した英語習得メソッドで本気留学を実現、ワオ高校2021年度開校
  • 副校長の平田強先生
  • 顧問の畑中繁先生
  • 音楽・英語担当の熱田昭夫先生
  • 英語担当の佐々木まりあ先生
 2021年4月に開校の通信制高校「ワオ高等学校(学校法人ワオ未来学園、以下ワオ高校)」は、多様な進路を実現するためのオプションプログラムが充実している。今回は「高校留学・海外大学進学支援プログラム」の開発に携わる副校長の平田強先生、顧問の畑中繁先生、音楽・英語担当の熱田昭夫先生、英語担当の佐々木まりあ先生の4名に、ワオ高校の留学プログラムの概要や目指すところ、またそれを実現するための英語教育の特徴について聞いた。

通信制高校という形態をフルに生かした本気の留学



--このプログラムができた背景をお聞かせください。

平田副校長:ワオ高校を設立する準備段階から、通信制高校という形態を利用して海外の大学への進学をしっかりと形にすることが視野にありました。そこで、これまで英語教育や海外留学支援の経験が豊富な畑中先生にご相談してプログラムに参画いただくことになりました。熱田先生と佐々木先生のお二方は英語の先生として加わっていただいています。熱田先生は音楽家でもあり、ワオ高校では音楽もご担当いただきます。佐々木先生はオーストラリアへの留学経験もあって英語が堪能です。今はこの先生方とプログラムの骨格を作っています。

副校長の平田強先生
副校長の平田強先生

--先生方の英語・国際教育のご経験についてお聞かせください。

畑中先生:英語教育に35年ほど携わる中で、英会話カリキュラムの策定やインターナショナルスクールの園長、ニュージーランドやオーストラリアでの学校の立ち上げを経験し、現在の留学制度の良し悪しや英語教育の問題点もわかるようになりました。ワオ高校では「生まれ変わる留学」をしてほしいと考えています。

熱田先生:公立や私立の中学・高校で20数年間、教員をやってきました。音楽家としても活動しています。クラリネット奏者でクラシックとジャズをやっていますが、オーケストラの指揮もしています。東欧にも多くの音楽仲間がいて、お互いが母国語ではない英語を使って、打ち合わせやリハーサルでのコミュニケーションを重ねています。

佐々木先生:大学では英米語を専攻しました。オセアニア地域を学ぶゼミに入ってオーストラリア文化を研究し、オーストラリアへの留学経験もあります。ワオ高校に来る前は、英会話教室で教室運営をしていました。英語の先生になるのが夢だったので、新設校の立ち上げに携われて、とても楽しみです。

教育格差をなくしてチャンスを広げる「ダブルディプロマ」



--高校留学・海外大学進学支援プログラムの特徴を教えてください。

平田副校長:「ダブルディプロマ」が特徴のひとつです。高3のときにオーストラリアの高校に長期留学し、日豪両校の高卒資格を取得できます。首都圏や関西の中高一貫校でダブルディプロマを導入しているところがありますが、中学受験が必要で、地方の方にとっては場所のハードルも存在します。ワオ高校のような通信制高校ならば、通学もなく学習時間もコントロールできるので、高校生から英語や留学に目覚めた生徒でもチャレンジができる。その意味では日本の教育格差をなくしていく動きだと考えています。

畑中先生:好きな時間に働いて、好きなだけ稼げる人を「ゴールドカラー」とよびますが、アメリカでそうした人たちはどういう生い立ちなのかを調べたところ、トラベリングディスタンス(旅行距離)の長さが共通していることがわかりました。たとえば、海外に親が移住して、そこで生まれて幼稚園、小学校やインターナショナルスクールに行き、中学、高校を海外で過ごす。そして大学は日本、仕事は中国で。このような動きをする人は自然とトラベリングディスタンスが長く、長いほど成功している。この考え方から「留学」はトラベリングディスタンスを獲得する手段のひとつではないかと、このプログラムを企画するときに話していました。

顧問の畑中繁先生
顧問の畑中繁先生

100分の1の留学を目指す



--このプログラムが目指すところを教えてください。

畑中先生:ワオ高校では4年間で海外の大学を卒業する正規留学を目指します。私はいつも「この4年間の留学で君たちは絶対に生まれ変わる」と言っています。この4年間の海外留学では、実は努力がもっとも求められ、今まで誰も期待してくれなかった自分でも、すごい自分に「生まれ変わる」のです。もちろん、その後の人生で勝てる留学も目指します。異なる文化での生活に身を置く場合、自分自身が変わらないといけません。子どもたちにはいつも「失敗しても大丈夫。努力すること、変化することを恐れてはいけない。変化できるものが人生に勝つ」と言っています。

 日本でもおよそ年間10万人程度が留学しています。しかしワオ高校が実践しようとしているダブルディプロマをはじめとする高校留学や、海外の大学に進学して現地の学生と一緒に勉強する「正規留学」をする人たちはおよそ1,000人程度しかいません。10万人のうちの1,000人。だから「100分の1」の留学を目指すというわけです。

 高校での留学は多くなっていますが、高3になると大学受験で忙しいため、高2や高1以下での留学が多くなっています。早ければ早いほど英語力の養成には良いと言われていますが、ワオ高校はなぜ高3で行くのか。それは「遅すぎず、早すぎず」という考えを大事にしているからです。

 海外では、日本人としてのアイデンティティ、たとえば時間を守ることや周りへの気配り、几帳面さなどの評価が高い。そこに英語ができればなお良い。だからこそしっかりと立ち振る舞いや挨拶の仕方などを身に付けたうえで留学することが望ましい。早すぎるのはやはりダメなんですね。

 また正規留学は基本的に大学からが多いのですが、でもそれは少し遅すぎる面もあります。大学は専門的なことを勉強するところです。高校生の留学では、週末にさまざまな場所に連れていってくれる家庭にホームステイして、現地での体験を増やすことで成功しますが、大学生では勉強が忙しくそうした時間がとりにくくなります。

 だからまずは高校生までに日本人のアイデンティティの基本を身に付け、高3で留学して英語や異文化を学ぶと同時に大学で勉強するための準備をする。準備をしたうえで海外大学に進学するのと、ぎりぎりの英語力で進学するのとでは、大きな違いが生まれます。そうした意味でも、高3でのダブルディプロマが最適です。

平田副校長:このプログラムでは、2年の夏までにTOEFL iBTで最低ライン60のスコアを目指します。そのスコアをもって高3で留学するのが「ダブルディプロマ」1年目で60を取ったあとに、国内にいながら次の1年でスコア80以上を取り海外大学の進学を目指すのが「TOEFL iBT80/100対策コース」です。正規留学にはコストの面もありますので、複数のルートを用意しました。

畑中先生:日本でもダブルディプロマの仕組みをもつ高校も出てきたと思いますが、アメリカを中心とした大学受験での英語力を証明するTOEFLを謳っている高校はあまりないかもしれません。ワオ高校がいかに本気の正規留学を目指しているかがわかっていただけると思います。

口が疲れるほど英語を喋る



--ワオ高校の英語教育の特徴について教えてください。

佐々木先生:最大の特徴は「口が疲れるほど喋る」ことです。ワオ高校では、とにかくネイティブの先生の言っていることを真似して真似して自分のものにして、定着させて、それを運用する学習スタイルになっています。

熱田先生:口がもう疲れるぐらいにリピートすると、反射的にその英語がぱっと出るようになるわけです。書いたり読んだり、スペルや文法事項ももちろんそのあとにチェックをします。一般的に大学入試に必要な語彙レベルは4,000~5,000語といわれていますが、我々の留学プログラムならば約10,000語、習得できると思います。

音楽・英語担当の熱田昭夫先生
音楽・英語担当の熱田昭夫先生

佐々木先生:英語を勉強するというよりは、英語で勉強できる生徒を育てるプログラムですね。

熱田先生:TOEFL対策を兼ねているので、英語の長文でも、天文学や生物学、歴史などアカデミックな内容が多くなります。そうした教養を身に付けながら語彙力もどんどん増やす。知的好奇心や探究心も一緒に耕していきます。

 具体的には「カタマリズムEnglish」というメソッドを用います。このメソッドでは、単語ではなく文章のカタマリを意識して英語を話すわけです。スピーキング、リスニングを同時に高めながら考えなくても文法ミスがなくなるようになっていきます。

佐々木先生:たとえば「I have to, I have to, I have to, I have to get up at six,…」と音から練習をしていきます。リエゾン(文章中の2つの単語が連結して発音が変わること)もわかっていないと聞き取れません。こうした動画を全学習項目にわたって作っています。

畑中先生:次に何の単語が来るかを考える暇がない。もう体で覚えるという形です。

熱田先生:こうした練習のあとは、自分が言えているかどうかを課題として提出します。録音や録画したものを「UMU」という教育プラットフォームを利用して提出する仕組みです。

佐々木先生:課題ではAI診断が付いています。正しく喋ればAIが声を認識してスペルが正しく出ます。

熱田先生:きちんと喋れなかったら、とんでもないスペルになったり、途中から日本語になったりします。AIは音声として聞いたものを書き出すので、部分的にでも日本語に聞こえれば英文の中にそこだけ日本語で表示されます。発音やリエゾンなどが正しければ、きちんと文字化され、自分の英語が通じたことが確認できるわけです。

平田副校長:正しいものにしたくて何度も喋る。英語の先生がたくさん喋っても意味がありません。要は学習者が喋らないといけない。まず個々に勉強して課題をアップして、その課題をもとに今度は、熱田先生や佐々木先生がフィードバックします。

熱田先生:カタマリズムEnglishではバックにリズムサウンドが流れていますが、そのリズムの強弱が、英語を読むときのストレスや強弱とほぼ一致しています。とても良くできています。

平田副校長:ワオ高校では、TOEFL対策コース以外でも英語学習に力を入れています。共通科目の中に「英語実技」という選択科目を設けています。高校の新学習指導要領で必修の「コミュニケーション英語I」を受けたあと「英語実技A、B、S」と段階を踏んで、TOEFL対策コース同様に、口が疲れるほど喋るトレーニングによって負荷を上げていくトレーニングを取り入れています。

英語を使って志を実現する



--ワオ高校や留学プログラムに興味をもつ生徒に伝えたいことは何ですか。

平田副校長:英語が好きな生徒でも、たとえば数学の点数が悪いから進学校に行けないといったことはありますよね。だから英語が好きで武器にしたい生徒には、ぜひこのプログラムにチャレンジしてほしい。先ほど佐々木先生がおっしゃったように、英語を使って自分の知りたいことを学ぶ。英語で学べば、情報量もまったく違って世界が変わることを体感してほしいと思います。

畑中先生:「Why join the navy if you can be a pirate?(海賊になれるのになぜ海軍に入るのだろうか)」とは、あのAppleを率いたスティーブ・ジョブズの言葉です。海賊のように大きな志をもつことができるのに、なぜ海軍のような大きな組織で安泰を求めるのか。私はこの言葉に象徴されるような志をもった若者を鍛えたいと思います。「待ってろ、世界」というような人材が、ワオ高校からは出てほしいし、出会うまでは頑張りたい。そして「みんなもそれに近いことは必ずできるんやで」と伝えていきます。

佐々木先生:オンラインオープンスクールでは、将来、世界から貧困をなくすためのボランティアをしたいから英語を勉強したいといった、自分の目標をもった生徒が多いです。そうした子どもたちにも、ワオ高校やこのプログラムを知ってほしいし、もっと来てほしいと思います。

英語担当の佐々木まりあ先生
英語担当の佐々木まりあ先生

熱田先生:私は以前、全国大会常連校での音楽指導の経験がありますが、たとえばトランペットが上達しない生徒が他の楽器に転向したら急に上手くなる、中学3年間で劣等感を抱えていた生徒が高校でいきなりトップクラスになっていく、楽器が合えば飛躍的に伸びる生徒がいることを見てきました。英語を武器に海外という環境を変えることで、今まで気付かなかった自分を発見できる。変化することをチャンスととらえる人に、このプログラムを参加してもらえたらと思います。

--最後に受験生へのメッセージをお願いします。

畑中先生:君も成功できる。誰でも成功できる。まだ周りの大人が見つけていない正しいボタンが君にはある。それを一緒に探していこう。

佐々木先生:ワオ高校は、英語だけではなく好きなことをどんどん伸ばしていける高校だと思います。一緒に好きなことを頑張りましょう。

熱田先生:人生においてうまく行かないことは絶対にあります。若いときにも働き始めてからも何度もある。ワオ高校の教員はそんなときにも支え合う仲間でありたいと思います。諦めることなく、一緒にやってみよう! と思っています。

ワオ高等学校
--ありがとうございました。

 ワオ高校が目指す“本気の留学”は、日本中の子どもたちの可能性を拓くきっかけになるのではないかと感じる。現在ある留学の問題点を徹底的に見つめたプログラムとテクノロジーを生かした英語習得メソッド。そして何より熱量が高い先生たちの存在がその可能性を高めていくものと思われる。
《佐久間武》

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