在宅ワークで子育て層の生活時間に変化、家族の時間増

 コロナ禍の在宅ワークにより、「家族と過ごす時間が増えた」と回答したのは、夫89%、妻80%にのぼることが、旭化成ホームズが2021年4月16日に発表した調査結果より明らかになった。ほかにも「子供と過ごす」「家事の時間」等が増えている。

生活・健康 保護者
在宅ワークによる時間の増減
  • 在宅ワークによる時間の増減
  • 保育園・幼稚園に通っているか/大学(院)生のオンライン授業時の使用場所
  • 在宅ワークによる機会・不安感の増減
  • 通勤日在宅日の夕方以降の生活行為の平均時刻と生活時間
  • 通勤日在宅日の就寝以降の生活行為の平均時刻と生活時間
 コロナ禍の在宅ワークにより、「家族と過ごす時間が増えた」と回答したのは、夫89%、妻80%にのぼることが、旭化成ホームズが2021年4月16日に発表した調査結果より明らかになった。ほかにも「子供と過ごす」「家事の時間」等が増えている。

 調査は、在宅ワークをしている本人と同居配偶者の意識を調べ、家づくりに役立てることが目的。1990年1月~2020年8月に引渡しした旭化成ホームズ設計施工の住宅に住み、夫婦どちらかが在宅ワークをしている人を対象に実施した。有効回答数は1,492人。調査時期は2020年9月17日~9月23日。「在宅ワーク」とは、週7時間以上勤務の就業者が、月1回以上実施していることを条件とし、併用住宅の場合は自宅部分での仕事に限定している。

 調査を実施した2020年9月は、PCR検査の新型コロナウイルス陽性者数が一段落し、経済活動が再開された時期。このような状況下でも、在宅ワークの頻度は夫・妻とも「週1回以上」が約8割、「週3回以上」が5割と、在宅ワークが定着。また、出勤前や、早く帰宅しての終日ではない在宅ワークも2~4割、夫の時差出勤、妻の時短勤務がそれぞれ2割程度あった。

 子供が保育園・幼稚園に通っていると回答した人は、幼児がいる場合に限定すると約8割、共働き家庭に限定すると9割にのぼる。また、大学生がいる家庭では、ほぼすべてが「オンライン授業を受けている」と回答した。オンライン授業の際に使っている場所は、「個室」51%がもっとも多く、「リビングダイニング+個室」39%が続いた。

 在宅ワークにより「家族と過ごす時間が増えた」と回答したのは、夫89%、妻80%。「子供と過ごす時間が増えた」は夫79%、妻72%。「家事の時間が増えた」は夫58%、妻64%。「自分の自由時間が増えた」は夫65%、妻61%。「睡眠時間が増えた」は夫54%、妻48%であった。

 機会の増減を聞いたところ、「家族とのコミュニケーションが増えた」は夫74%、妻65%と、夫・妻とももっとも多く、時間の増減と同じ傾向がみられた。「調理をする機会が増えた」は夫38%、妻58%、「家族一緒の夕食が増えた」は夫69%、妻53%と、夫と妻との間に差があった。この結果は、在宅ワークによる妻の家事負担の増加が示唆されている。

 夕食開始時間は、すべてのライフステージで早まっている。夕食前に終業している層の夕食開始時刻は、夫が66分、妻が39分早まっており、ほぼ通勤時間分早くなっていた。子供がいる場合、長子が幼児の場合は1時間37分、小学生の場合は1時間27分と早まりが大きく、夕食開始が午後7時台前半となっている。

 在宅日の起床時刻は夫・妻とも約30分遅くなり、就寝時刻も20分程度早くなっているため、睡眠時間が増加している。長子が幼児、小学生の場合、他の世代より就寝時刻の早まりが大きい。旭化成ホームズは、「在宅ワークには特に子育て世代の忙しさを緩和する効果があると言えそうだ」と述べている。
《外岡紘代》

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