コロナ禍でも運動量は減少せず…4-21歳の運動調査

 笹川スポーツ財団は「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021」を2022年3月31日に刊行。「新型コロナウイルス感染症の影響と子ども・青少年の運動・スポーツ」をテーマに調査を実施し、コロナ禍でも子供の運動量は減少していないことが明らかになった。

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 笹川スポーツ財団は「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021」を2022年3月31日に刊行した。「新型コロナウイルス感染症の影響と子ども・青少年の運動・スポーツ」をテーマに、運動・スポーツの実施状況等を調査しており、コロナ禍でも子供の運動量は減少していないことが明らかになった。

 「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進する笹川スポーツ財団は、子供たちの運動に関する現状を明らかにすることを目的に、幼児~青少年(4歳~21歳)を対象にスポーツの実施頻度や実施時間、運動強度等に関する調査を2年ごとに実施している。今回は、全国225地点より年齢別の人口構成比に近似するようサンプルを抽出し調査を実施。未就学児および小学生を対象とした4歳~11歳の子供1,496人、中学生~大学生までを含む12歳~21歳の青少年1,663人の有効回収数を得た。調査期間は2021年6月26日~7月22日。

 4歳~11歳の運動・スポーツ実施頻度は、週7回以上運動・スポーツを行う高頻度群が45.4%ともっとも高く、前回2019年調査時の45.5%から横ばいとなった。過去1年間によく行った運動・スポーツ種目は、1位「おにごっこ」57.3%、2位「自転車あそび」30.3%、3位「なわとび」30.2%と、運動あそび種目で実施率が増加。前回2位の「水泳(スイミング)」は前回調査比6.8ポイント減となり、新型コロナウイルス感染症による運動量への影響は見られないものの、実施できる種目に変化がみられた。

 12歳~21歳の運動・スポーツ実施頻度では、週1回以上週5回未満の「レベル2」21.8%、週5回以上の「レベル3」21.9%で共に前回調査時から微増。120分以上のややきつい以上の運動を週5回以上行う「レベル4」は21.8%で前回より約3ポイント減少した。一方、過去1年間まったく運動・スポーツをしなかった割合は、前回2019年調査時の21.7%から2.0ポイント減少し19.7%となった。

 また、中高生の運動部活動の土日の活動状況は、中学校期で「土日とも活動している」が2017年調査比32.9ポイント減の14.5%、「土日のどちらか1日は活動している」が2017年調査比32.2ポイント増の79.3%。高校期では、「土日とも活動している」が2017年調査比20.0ポイント減の36.4%、「土日のどちらか1日は活動している」が2017年調査比15.7ポイント増の52.4%となり、中高生の運動部活動の土日の活動日数は、スポーツ庁が2018年に策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」に沿って活動日数の短縮化が進んでいる状況が確認できる。

 2021年に新調査項目として加わった「心の健康」では、12歳~21歳を対象に抑うつ状態を問う調査を実施。全体の68.9%は抑うつ状態が「まったくない」と回答し、7割に抑うつ症状は確認されなかった。性別・学校期別では、「まったくない」の割合はいずれの学校期においても男子が70%台、女子が60%前後で、女子の高校期が「軽度から重度」40.1%と、もっとも抑うつ症状の傾向がみられた。高頻度・高強度で運動・スポーツを行う人ほど抑うつ症状が少ない傾向もみられ、運動・スポーツ実施と心の健康状態との関連性も示唆される。

 生活習慣に関する問いでは、12歳~21歳のメディア利用時間は「2~3時間未満」が22.9%ともっとも多く、ついで「5時間以上」が18.3%という結果に。2019年調査と比較すると、3時間以上メディアを利用している割合は14.3ポイント増加し、特に「5時間以上」は2019年調査時の9.3%から9.0ポイント増加と約2倍に増加。生活習慣については、新型コロナウイルス感染症の影響が顕著にみえる結果となった。

◆子ども・青少年のスポーツライフ・データ2021
発売日:2022年3月31日(木)
仕様:A4判、224ページ
価格:定価4,180円(税込)
調査結果:
1.運動・スポーツ実施状況
2.スポーツ施設
3.スポーツクラブ・運動部
4.運動・スポーツへの意識
5.スポーツ観戦
6.好きなスポーツ選手
7.習いごと
8.スポーツボランティア
9.スポーツ傷害
10.健康認識
11.身体活動・生活習慣
12.家族と運動・スポーツ
《畑山望》

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