国語
小学校国語の平均正答数は14問中9.2問(前年度14問中9.1問)、平均正答率は65.8%(前年度64.9%)で、前年度よりわずかに上昇した。
調査結果のポイントとして「互いの立場を尊重して話合いを進める上で、必要なことを質問して話の中心を捉えることはできているが、学習指導要領で新たに示された、相手とのつながりをつくる言葉の働きを捉えることに課題が見られる」とした。これについて、指導改善のポイントとして「振り返りの場面などで自分たちの話合いの様子を確かめる活動を設定することが考えられる」としている。
また、大問3の設問2では、学力調査としては初めて、「文章の構成や展開について感想や意見を伝え合うことを通して自分の文章のよさを見付けること」が取り上げられたが、この設問の正答率は37.9%にとどまった。誤答のうち、文章の「よさ」を見つけることができなかったと考えられる解答をした児童は全体の28.3%にのぼる。指導改善のポイントとして、「自分の文章のよいところとして、第1・2学年では『内容や記述などに見られる具体的なよさ』、第3・4学年では『書こうとしたことの明確さ』、第5・6学年では『文章全体の構成や展開の明確さ』などを見付けることができるように、系統的に指導することが大切である」としている。
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算数
小学校算数の平均正答数は16問中10.1問(前年度16問中11.3問)、平均正答率は63.3%(前年度70.3%)で、前年度より低下した。
調査結果のポイントとして「学習指導要領に新設された『データの活用』の領域において、表の各欄と合計欄の意味を理解してある項目に当たる数を求めることはできているが、目的に合う円グラフを選び、読み取った情報を答えることに課題が見られる」とした。
また、「日常生活の場面に即して、数量が変わっても割合は変わらないことを理解すること」にも課題が見られた。「変化と関係」を問う大問2(3)の「数量(飲み物の量)が変わっても割合(飲み物の濃さ)は変わらないことを理解しているかを問う問題」で正答率が低くなっている。全体の67.7%にのぼる児童が、誤答である選択肢1を選んでおり、飲み物の量が変化した際に飲み物の果汁の割合も変化すると捉えていると考えられる。
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理科
2018年度以来4年ぶりの実施となった小学校理科の平均正答数は17問中10.8問(前回実施時16問中9.7問)、平均正答率は63.4%(前回実施時60.4%)で、前回実施時より上昇した。
課題としてあげられたのは「気付いたことを基に分析して解釈し、適切な問題を見いだすこと」「知識を日常生活に関連付けて理解すること」の2点だ。
特に前者について、大問1(5)では、二次元の表から気付いたことをもとに昆虫の食べ物に関する問題を見出すことが求められた。この問題の正答率は65.6%で、「4」と誤答した児童(15.4%)については「【気付いたこと】を基に、昆虫の食べ物に着目することはできているが、植物も動物も食べる昆虫について着目し、表を分析して、解釈し、適切な問題を見いだすことはできていないと考えられる」とした。
指導改善のポイントとして、「観察、実験の結果を、自分や他者の気付きを基に分析して、解釈し、問題を見いだすことができるようにするために、それぞれの気付きを明確にし、主に差異点や共通点を基に問題を見いだす場面を設定することが大切である」としている。
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ICT活用、プログラミング、読解力
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