鉄道開業150周年を2022年10月14日に日本の迎える記念として、JR東日本は東京の上野駅にて「超駅博 上野」を開催する。
駅を“つながる”暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations 構想」の一環として、上の駅を文化創造ハブ(拠点)とし、新しい駅や旅の形を提案する同イベント。これまでの150年、これからの150年をコンセプトに、鉄道開業150年の歴史を振り返りながら、伝統や食といった文化を最先端技術で楽しむことができる。
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14日の開幕に先駆け、いち早く報道向けの公開も行われた。
「超駅博 上野」は大きく分けて3つのテーマがあり、それぞれ「文化・歴史とつながるゾーン」、「地方・暮らしとつながるゾーン」、「まちとつながるゾーン」に分かれている。この中から「文化・歴史」、「地方・暮らし」の体験ができたので、その模様をお伝えする。
◆ARで引退した車両をホームに再現
まずは一番目玉となる「文化・歴史とつながるゾーン」にある、「AR車両フォトスポット」から。
KDDIとSoVeCの2社が共同開発したスマートフォンアプリ「XR CHANNEL」を利用することで、かつて上野~新潟間を走っていた車両のARデータを呼び出すことができる。
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上野駅をアプリ内で空間認識させると、画面の中の上野駅15・16番ホームに115系電車、EF64形電気機関車が登場するのだ。この車両は実際に走っていた車両をフォトグラメトリ技術で再現しており、外装だけでなく傷や汚れ、補修跡、内装などもそのまま再現されている。
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フォトスポットでは「115系電車2編成(湘南色・新潟色)」、「115系電車とEF64形電気機関車」の2パターンから車両の並びを選択し、電車のみで撮影したり、一緒に記念撮影が行える。AR車両は実際の車両動作音を再現しているほか、前照灯を点灯させたり、行き先表示器がくるくる回ったりと色々なギミックも仕込まれていた。
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また、ARデータであることを生かして、115系電車のAR車両を宙に浮かせて、普段は見ることのできない車両下部や台車部分を見れるモードも存在していた。
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こちらのAR車両フォトスポットは10月14日~16日、28日~30日の期間のみの展示となる。参加するにはJRE MALLで対応したグッズの購入が必要だ。
◆五感で新潟・佐渡の魅力を堪能
続いて「地方・暮らしとつながるゾーン」は改札内外それぞれのエリアに分かれており、まずは中央改札外グランドコンコースで行われる「伝統芸能五感体験」を紹介する。
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今回の「超駅博」では「新潟・佐渡」を中心に取り上げており、伝統芸能の「鬼太鼓」や民謡といったものの実演に加え、特大パネル・指向性スピーカ・デフューザーのセットによる五感で新潟・佐渡の魅力を堪能できるエリアとなっている。
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こちらは10月14~16日の3日間、誰でも見学、体験ができるので足を運んだ際に体験してみてはいかがだろうか。
◆自動調理販売機が最速90秒で地方ラーメンを提供
そしてもうひとつのエリアとして新幹線改札内コンコース地下3階に、常設で地域の味と地域情報を提供する「拉麺スタンド」が登場する。羽田空港や首都高芝浦PAなどに設置されている「Yo-Kai Express」の拉麺自動調理販売機が設置され、最速90秒でアツアツの地方ラーメンを食べることができる。
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今回の「超駅博」にあわせ、新潟の燕三条エリアの「背脂ラーメン」を新規に開発。"味覚"でも新潟を体験することができるようになっている。
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最後に、「まちとつながるゾーン」についても紹介しておく。こちらでは上野全体を利用した「まち・えき」スタンプラリーや、ジャイアントパンダ来日50周年記念ワークショップなどが行われる。スタンプラリーは10月14日~10月30日の期間、「SpotTour」アプリ内で開催。ワークショップは10月29日に公園口改札脇連絡通路にて開催となっている。
駅全体を使って、最新技術を駆使しながら歴史や伝統といったものを体感できるまさに「"超"駅博」。150年という節目を祝いながら、これからの鉄道のあり方に触れてみてはいかがだろうか。