【大学受験2023】立命館大「atama+」利用の総合型選抜…37人合格

 立命館大学は、2023年度入試からAI教材「atama+(アタマプラス)」のプログラムを出願条件に取り入れた総合型選抜(AO選抜入学試験)「新AO入試」を開始。2022年11月2日に合格者を発表し、実施結果および分析内容を公表した。

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「学部指定単元AI学習プログラム」を利用した総合型選抜
  • 「学部指定単元AI学習プログラム」を利用した総合型選抜
  • プログラム出願から入試合格までの流れ

 立命館大学は、2023年度入試からAI教材「atama+(アタマプラス)」のプログラムを出願条件に取り入れた総合型選抜(AO選抜入学試験)「新AO入試」を開始。2022年11月2日に合格者を発表し、実施結果および分析内容を公表した。

 立命館大学はatama plusと協働で2023年度入試(2023年4月入学)より、AI教材「atama+」で、各学部での学びにとって特に重要な指定単元を学習・修得する「学部指定単元AI学習プログラム」を出願要件に取り入れた総合型選抜(AO選抜入学試験)を開始した。AI教材「atama+」を活用した入試は全国で初めて。

 2022年度のプログラム受講者は全国36都道府県から227人と、当初の期待の2倍を大きく上回る結果となったという。通信制やIB校等、普通科(全日制・単位制)以外の高校種別の生徒が全体の12.8%を占めていることから、履修歴ではなく指定単元の修得を出願資格とすることで、多様な学習背景をもつ生徒に機会を提供することができたと評価している。

 出願条件の「学部指定単元AI学習プログラム」の学習内容は、パソコンまたはタブレットを用いて、高等学校の「数学」の全単元(atama+内は78単元)のうち、学部が指定する単元(5~8単元)を「atama+」で学ぶ。「新AO入試」の募集学部は経済学部、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部で、3学部の合計の募集人数は25人。プログラムを修了した新AO入試志願者は128人、合格者は37人で倍率は3.46倍だった。

 プログラム受講者の「atama+」での学習データを分析した結果、修了者の90%は指定単元の修了まで10日以上の継続的な学習を要していた。また、単元ごとに実施される修得認定試験(期間内は何度でも受験可能)をすべて1回で合格した受講生はおらず、修了するために何度も取り組む必要があった。このように修了までに一定の学習を要するプログラムだが、それでも諦めずにチャレンジしようとする受講者の学習意欲の高さも確認できた。

 合格者のアンケート結果から、8割が「atama+」の初利用者で、受講前に数学が苦手・嫌いだった合格者が3分の1(28%)いた。このことから、「atama+」の利用経験や、数学の得意不得意によらず、 誰でもチャレンジできる、合格可能性のある入試であることがわかったという。今後は、合格者の入学前教育においても「atama+」を活用し、より高度な内容の学習を進め大学での学びに備えてもらう予定。また、今回の成果を他大学と共有し、取組みのきっかけとなった「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」を他大学とともに発展させていくという。


《田中志実》

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