石川県の北陸鉄道は1月31日、国土交通省北陸信越運輸局に対し同日付けで鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請を行なったと発表した。
野町~鶴来間の石川線、北鉄金沢~内灘間の浅野川線を運営している北陸鉄道の鉄道事業は、毎年度1億円を超える赤字を計上する状態が続く一方、沿線人口の減少や利用者減、設備維持費や電力費の高騰といった厳しい環境が続いており、そのなかで「安全・安心のサービスを持続的に提供し、地域の皆様の移動手段としての役割を今後も果たしていくため」として運賃改定に踏み切ることになった。
上限運賃の平均改定率は大人普通運賃が11.3%、定期運賃が11%で、普通運賃は40円、定期運賃は通勤1か月で1680円、通学1か月で1370円を加算するが、加算した実施運賃については申請上限運賃の認可後に届出を行なうとしていることから、運賃改定日は調整中となっている。
改定後は、石川線四十万(しじま)~小柳間のレール重軌条化、石川線上野々市踏切と野々市踏切の信号保安設備や車両の更新、乗車券類のデジタル化やキャッシュレスの推進、車内WiFiの整備などに取り組むとしている。