【高校受験2023】千葉県公立高校入試<数学>講評…大問構成は昨年度変化した構成と同じ、正確な問題処理がカギ

 京葉学院の協力を得て、2023年度(令和5年度)千葉県公立高等学校入学者選抜、学力検査「数学」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2023】千葉県公立高校<講評・数学>
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 2023年2月21日(火)、2023年度(令和5年度)千葉県公立高等学校入学者選抜(国語、数学、英語)が実施された。千葉県公立高等学校入学者選抜(国語、数学、英語)が実施された。2月22日(水)に理科と社会の2教科が実施となる。千葉県教育委員会が2023年2月17日(金)に発表した一般入学者選抜等の確定志願状況によると、全日制が募集人員3万960人に対し3万4,946人が志願し、志願倍率は1.13倍。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「数学」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<数学>講評
(京葉学院 提供)

 昨年度大問構成が変わって、大問1で計算問題と独立小問集、大問2~4で「平面図形」と「関数」、「融合問題」が出題されるようになり、今年度も昨年度同様の構成で出題されました。昨年度出題のなかった記述問題が今年は出題され、例年出題されている作図、図形の証明(穴埋め+記述)と合わせて、表現する力を見る問題の比重が高いものでした。また、ここ数年はデータの活用が頻繁に出題されていて、今年度も大問1で昨年度新単元となった「四分位範囲と箱ひげ図」の関連問題が出題されました。資料から読み取れることの正誤判定に少なからず時間がかかりますが昨年度より解きやすい問題だったので、落ち着いて素早く判定できれば、大問2以降の問題にじっくり取り組むことが出来たのではないかと考えられます。全体的には例年同様、簡単な問題と難しい問題を判別し、簡単な問題を確実に得点して難しい問題でじっくり時間が使えたかどうかがポイントになります。高得点を目指す受検生は、大問1の(6)2、(7)、大問2の(2)、大問3の(3)、大問4の(1)2(d)、(e)、(2)の7問中何問正解できたかで差がつくと思われます。

1.計算問題・独立小問集

 昨年度と出題形式はほぼ同じで、小問数が14問、配点は51点でした。(1)は基本的な計算問題が3問、(2)は因数分解・式の値、(3)はデータの活用・四分位範囲と箱ひげ図、(4)は空間図形(正多面体)、(5)は場合の数と確率、(6)は関数y=ax2(座標・変域)、(7)は作図の問題でした。(2)、(4)、(5)、(6)は、それぞれ1が2の誘導問題になっているので、問題の関連性に気付いて利用すると時間が短縮できるものであり、(7)は近年の出題の中では難しいものでした。素直な問題が多いので、解ける問題を落ち着いてミスなく得点できたかどうかが重要でした。

2.関数

 2直線と正方形による問題で、小問は3つでした。1問目はy座標が分かっている点のx座標、2問目は正方形の対角線を含む直線の式を求める問題でともに基本問題、3問目は座標を文字でおいて条件にあてはめ、方程式を利用する応用問題でした。基本問題で確実に得点しておきたいところです。

3.平面図形

 円の性質と相似な図形、三平方の定理を利用する問題でした。(1)は(2)の記述証明に必要な知識事項の穴埋め問題で、易しいものでした。(2)は大きさの等しい角を理由とともに記述したうえで、さらに角度の計算式を複数記述しなければいけない証明で、記号の記述ミスが発生しやすいので、問題難度のわりには正答率が低くなると考えられます。(3)は(2)までの内容との関連性がほとんどないタイプの珍しい出題でした。

4.融合問題

 じゃんけんの勝敗で加点と減点があるゲームに関する問題でした。(1)は会話文の穴埋め問題、(2)は会話文の内容を利用する応用問題で答えを求める過程を記述する形式でした。(1)の1は確実に得点したい問題、2は出来れば得点したい問題でした。(2)は(1)の2(e)の式を利用して文字の整数条件から答えを絞り込む問題で、答えを求める過程を式やことばを使って説明するものでした。記述に慣れていないと難しかったと考えられます。



 このレポートは2023年2月21日(火)に速報として京葉学院により作成されたもの。

協力:京葉学院

《編集部》

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