【高校受験2023】北海道公立高入試<数学>講評…昨年と比べほぼ同程度

 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2023】北海道公立高校<講評・数学>
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 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<数学>講評(練成会 提供)

 大問数は5題、小問数は22問で、昨年とほぼ同様の出題形式でした。昨年同様、記述問題が総得点の3割を占めています。(記述を求める問題は1問増え、5問となりました。)基本的な問題から、思考力・判断力・表現力を問う問題まで幅広く出題されました。登場人物の考え方・会話に沿って、分析・検証していく力が求められるとともに、「問題の意味そのものを短時間で理解する」力も必要でした。昨年度の入試から、上記のような問題傾向が強くなり、今年度はその傾向がより色濃くなった、といえます。

 大問2「式の計算の利用」(17点分)は、かけ算の九九表からわかる性質に関する思考、さらに登場人物の考え方、見方を理解し、そこに目線を合わせながら解いていく問題でした。問3の難易度は高く、ここで時間を使ってしまった人は多かったかもしれません。

 大問3は例年通り、関数からの出題です。問1の線分の長さ、問2の変化の割合は、比較的基本的な問題でした。問3台形の面積を二等分することの説明問題で、「座標を文字を使って表す」という定番の知識を絡めて表現する力が求められました。2年連続で「コンピュータを使って」という言葉が出てきますが、問題を解く上で影響はありません。

 大問4は例年通り、角度・証明でした。問2(1)は、相似の証明に関する登場人物2人の考え方を理解することが必要でしたが、難易度は高くありません。(2)の合同の証明はやや難しく、とまどった人は多かったと思われます。1つの大問で、相似と合同の両方の証明力を問うパターンは新しい傾向です。

 大問5は中1で学習した「度数分布表・度数折れ線」に関する問題です。「夏日の年間日数」が題材となり、過去と現在の違いを分析していきます。グラフの特徴と傾向を記述する表現力が求められました。データの分析に関わる単元は「重要用語」の意味と使い方をしっかり理解していなければなりません。しかし、近年みられる傾向としては、知識をもとにした「分析力」を見る問題が多くなっています。

 総じて、得点しやすい問題と差のつく問題がはっきり分かれる形となっています。見た目は複雑で、とらえにくい印象ですが、落ち着いてじっくり取り組めば、解決の糸口が見えてくる問題も多いことが特徴でもあります。傾向が変わっても、基本問題の得点や中間点をどれくらいしっかり積み重ねることができたかが数学の合計点の差になると予想されます。100点満点となり2年目の入試でした。「各問題の配点の増加」「難易度の幅が拡大」「思考力・判断力・表現力を問う問題が多数出題」がポイントです。特に「思考力・判断力・表現力を問う問題」に関する問題の出題傾向は今後ますます強くなることが予想されます。来年度以降の入試への対策として、普段から答えを導くプロセスをしっかり理解し、問題の本質をしっかり見極める訓練を行うことが大切であると感じます。


 このレポートは2023年3月2日(木)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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