【高校受験2023】大阪府公立高入試<国語>講評…難易度は昨年並み

 2023年3月10日(金)、令和5年度(2023年度)大阪府公立高等学校入学者選抜のうち、一般入学者選抜の学力検査が実施された。開成教育グループの協力を得て、「国語」の講評を掲載する。このほかの教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

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【高校受験2023】大阪府公立高校<講評・国語>
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 2023年3月10日(金)、令和5年度(2023年度)大阪府公立高等学校入学者選抜のうち、一般入学者選抜の学力検査が実施された。2023年3月7日に発表された全日制の平均倍率は普通科1.14倍、専門学科1.13倍、総合学科1.10倍。全日制の普通科(単位制除く・専門学科併設校含む)は募集人員2万567人に対し、志願者数は2万3,347人。

 リセマムでは、開成教育グループの協力を得て、「国語」の講評を掲載する。このほかの教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

大阪府<国語>講評
(開成教育グループ 提供)

C問題 昨年度からの難易度変化:なし

大問1 説明文      やや難 
大問2 古文       標準
大問3 漢字の読み書き  標準
大問4 論説文      難

B問題 昨年度からの難易度変化:なし

大問1 論説文      難 
大問2 古文    標準
大問3 漢字の読み書き  標準
大問4 随筆     やや難

C問題 

 難易度は昨年並みであった。読解問題2題の題材については松尾芭蕉の書簡をもとに俳句について論じている文章と、文学の中の空間をもとに分野を横断して論じている文章であった。難易度のバロメーターともなる記述説明問題の指定字数は、2021年度が140字で前年度から40字減少したのに続き、2022年度も45字以内の記述が2題のみで90字とさらに減少となっていたが、今年度は3題で180字と3年前の水準に戻っている。要点をおさえた要約的な記述が求められる点は今までと同様であるが、1問あたりの記述文字数がもっとも多いもので、前年度の45字以内から今年は95字以内へと大幅に増加しており、その分難易度は上がったといえる。また、今年度はC問題でも漢文の出題があった。語彙力の問われる漢字の読み書きは昨年と変わっていない。古文については、例年のような和歌の引用は無く、白居易の漢詩について江戸時代の国学者の考えが述べられた文章となっている。言語事項では熟語の構成を問う問題が出題されている。作文は、資料読み取りをもとにした条件作文という形式は前年度と同じであり、資料も昨年度と同じ「国語に関する世論調査」のデータからとられている。これをふまえて、「美しさを感じる言葉」とはどのようなものかということついて書かせる問題であったが、複数視点やひねりなどはなく、ストレートな出題になっている。

B問題 

 大問構成は、随筆1題、論説文1題、古文1題、作文1題、語句文法問題1題となっている。難易度は例年並みで、標準的な出題といえる。読解問題は、随筆と論説文であった。随筆については昨年に引き続いての出題となった。論説文では未来学という未来の出来事を予測する際の思考方法などについてのことを題材としてC問題と遜色ない程度の抽象度の高い文章が取り上げられている。また、随筆では古本を通して知識を獲得する喜びをテーマとした文章が出題されている。記述問題の字数は昨年とほぼ変化していない。古文も、昨年同様随筆からの出題であったが、歴史的仮名遣いの読み取りなどを含む基本を重視した問題であることも昨年と変わっていない。昨年出題されていた漢文の返り点の問題が、本年度も出題されることになった。文法は、今年度は品詞分類が出題された。作文に関しては、「国語に関する世論調査」の資料をもとに「国語は乱れていると思うか」について考えを述べるという形式になっており、自分の意見をきちんと述べ、それについて論じていく練習が必要とされる。



 このレポートは2023年3月11日(土)に開成教育グループが作成したもの。

協力:開成教育グループ

《編集部》

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