統一地方選挙、大学生8割以上「選挙に行く」

 大学生の8割以上が「投票に行く」と回答していることが、学⽣団体のドットジェイピーの調査結果より明らかとなった。しかし、⼤学⽣の4⼈に1⼈が居住地に住⺠票を移しておらず、 4割以上が不在者投票を認知していないという。

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【調査結果】あなたは投票に行きますか?
  • 【調査結果】あなたは投票に行きますか?
  • 【調査結果】現在住んでいる自治体に住民票はありますか?
  • 【調査結果】友達と政治について話すことがありますか?
  • 【調査結果】友達と政治について話しにくいと思いますか?
  • 【調査結果】2023年4月の統一地方選挙の投票に行きますか?
  • 【調査結果】政治や候補者の情報を集める際に使用するSNS

 大学生の8割以上が「投票に行く」と回答していることが、学⽣団体のドットジェイピーの調査結果より明らかとなった。しかし、⼤学⽣の4⼈に1⼈が居住地に住⺠票を移しておらず、 4割以上が不在者投票を認知していないという。

 若年投票率の向上を目的に活動するドットジェイピーは、4月の統一地方選挙を直前に控える中、臨時啓発活動として全国各地でさまざまな選挙啓発の取組みを行っている。調査は18歳~22歳の全国の大学生を対象に、統一地方選挙に関するアンケートをインターネットにて行い、776名の回答を得た。調査期間は2023年1⽉19⽇~3⽉10⽇。

 最初に、2023年4月の統一地方選挙について「もし、居住地で選挙が実施されたらあなたは投票に行きますか?」について尋ねた。「必ず行く・おそらく行く」と回答したのは83.6%と8割以上の大学生が投票に行く意思を持っていることがわかった。

 続いて、「あなたが現在住んでいる⾃治体に住⺠票はありますか?」と尋ねると、「ある」との回答が66.1%、「ない」が26.8%、「わからない」7.1%となった。また、この結果を実家暮らしでない⼤学⽣に限定すると、「ある」33.4%、「ない」59.3%、「わからない」が7.3%という結果に。1⼈暮らしの⼤学⽣の約6割が住⺠票を移していないことが明らかとなった。住民票を移していない理由には「住⺠票を移さなくとも困らないから」49.5%、「実家に住⺠票を置きたいから」47.1%、「⾯倒だから」31.3%等の回答があった。

 また、住民票を移していない大学生に対して「あなたは不在者投票の制度を知っていますか?」と質問したところ、「知っている」が57.7%、「知らない」42.3%と、4割以上が不在者投票を認知していないことがわかった。加えて「もし不在者投票ができる場合、あなたはこの制度を利用しますか?」と尋ねると「利用する」が64.4%、「利用しない」が35.6%であった。利用しない理由には「不在者投票の手順を知らない、わからないから」41.9%がもっとも多く、「手続きに時間がかかりそうだから」「面倒だから」が続いた。

 大学生の政治への関心について「友達と政治について話すことがありますか?」と尋ねた。「よくある」が4.3%、「まあまあある」19.6%、「あまりない」47.2%、「全然ない」29.0%と約8割(76.2%)が政治の話を友達と話さない結果となった。

 また、「友達と政治について話しにくいと思いますか?」との質問には、「思う」20.9%、「少し思う」33.9%、「あまり思わない」31.3%、「思わない」が13.9%と回答。話しにくいと感じる理由には、「政治に関する知識に自信がないから」が49.1%と、もっとも多かった。次に「自分や周りにとって身近な話題ではないから」「政治の話をすると『意識が高い人』と思われそうだから」の理由が続いた。

 大学生の政治に対する満足度について「あなたは現在の政治に対して、どの程度満足していますか?」と尋ねた。「やや不満足である」「大いに不満足である」の回答が、政治の話をすることが「よくある・まあまあある」大学生で6割以上となり、政治の話をする人ほど政治に対して不満を感じていることが明らかとなった。

 では、大学生がどのように選挙情報を得るのか、「選挙情報を調べるうえでSNSを活用しますか?」と尋ねたところ、約3人に2人がSNSで選挙の情報収集をしていることがわかった。また、「政治や候補者の情報を集める際に使用するSNSを教えてください。」と尋ねたところ、1位が「Twitter」で76.9%、2位が「Instagram」38.7%、続いて3位が「Facebook」12.8%、4位「TikTok」8.8%という結果に。選挙情報の収集にはTwitterとInstagramを使う割合が高いことが明らかとなった。

 選挙情報の収集にYouTubeを用いることについては、4割の大学生が「活用しようと思っている」ことも判明。また、「YouTubeではどのように情報を収集しますか?」と質問したところ「ニュースサイトの公式アカウント」がもっとも多く、「政党や候補者の動画」「大手テレビの公式アカウント」「ネット配信サイトの公式アカウントの情報」等の回答が続いた。

 さらに、「ニュースサイトのshort動画から政治や選挙についての情報収集をしますか?」と質問。「よくする」が6.6%、「まあまあする」が27.2%、「あまりしない」38.0%、「全然しない」28.2%と、約3人に1人(33.8%)が政治や選挙についての情報収集としてshort動画を活用していることもわかった。

 今回の調査では、8割以上のZ世代が4月の統一地方選挙で投票に行こうとしている一方、1人暮らしの約6割が居住地に住民票がないこと、4割以上の大学生が不在者投票を認知していないことがわかり、Z世代における投票へのハードルの高さが明らかとなった。また、Z世代は友人同士で政治について話をすることがほとんどなく、SNSやshort動画などの動画メディアで情報収集をしていることもわかった。

 ドットジェイピーは、この3、4月は進学を機に引っ越しをするZ世代も多く、より一層、選挙の仕組の理解や政治や選挙に関心を持つきっかけを作ることが重要であると考えている。そして、友人と政治の話をする人ほど政治に対し課題を抱き、投票に行く傾向があることからも、政治や選挙について対話できる環境も必要だと予想している。

《日高紋佳》

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